
「ahamo」2700円は魅力だが、知らずに契約すると困ることも
NTTドコモは3月26日からスタートするオンライン専用プラン「ahamo」を2980円から2700円に値下げすると発表しました。
これにより、4月から始まる消費税の総額表示義務化においても「2970円」となり、3000円を超えない金額でアピールすることが可能となったのです。
キャリアの中ではahamoが先行
3キャリアのオンライン専用プランにおいては、とにかく3社が横並びで比較されることが多くなっています。
povo、LINEMOともに基本プランは2480円(税込2728円)であるため、ahamoとしては3000円を超えると見劣りがするのは否めません。
そこで、280円値下げすることで、3000円を切る金額を訴求できるようにしたのです。
すでにahamoの先行エントリーは160万件を突破しているそう。
確かにNTTドコモのネットワーク品質を2970円で利用できるというのは相当、魅力があるものの、「自分の使い方にはちょっと合わないかも」という声もいくつか聞かれています。
キャリアメールが使えない
意外と多いのが、「キャリアメールが使えないのが困る」という声。
そもそもahamoは、家族でまるごとNTTドコモを契約している家庭のなかから、子どもが社会人として独立する際に「いままでは親が支払っていた携帯電話代を自分で支払うようになる」ことを想定。
「NTTドコモは高いから、ワイモバイルに移行する」といった若者ユーザーを囲い込む狙いがありました。
NTTドコモとしては「若者はキャリアメールは使っておらずLINEが中心。キャリアメールは不要」というスタンスなのです。
これに関しては、NTTドコモの井伊基之社長や総務省からも「キャリアメールがなくていいのか」というツッコミがあったようです。
開発担当者としては頑なに「キャリアメールはなくていい」というコンセプトを貫いたとされています。
ただ、NTTドコモがターゲットとしていない年配層のユーザーからは「ahamoに興味があるけど、まだキャリアメールで連絡を取っている人もいるので、どうしたものか」という声をよく聞くそうです。
キャリアメールに関しては、総務省で、キャリアメールを他社でも使えるようにする取り組みへの議論が進んでおり、2022年夏あたりに実現される可能性が高いということです。
キャリアメールが回線とは紐付かないオープンなサービスとして切り出されるようになると、ahamoでも利用可能になるかもしれません(プロバイダが、接続サービスとは別にメールサービスだけを提供するイメージ)。
また、ahamoなどのオンライン専用プランに関しては「留守番電話サービスも使えない」という注意点もあります。
しかし、このあたりに関して、あまり拒否反応は聞かれない感があります。
「不在着信を見てかけ直せばいい」「つながらなかったSMSを送っておけばなんとかなる」ということでしょう。
キャリア決済が使えない
そんな中、3月4日のあるツイートが3万5000を超えるリツートをされて話題となりました。
アーティストであるTHE YELLOW MONKEYのウェブサイトにおいて、オンライン専用プランに関しての注意喚起が出ていると指摘。
なぜ、キャリアではなくアーティストのサイトで知るのかと疑問を呈するものでした。
THE YELLOW MONKEYのウェブサイトでは「《重要》3キャリアの新料金プランをご検討のお客様へ」というタイトルがありました。
キャリアの決済サービスを利用している人がオンライン専用プランに移行すると、自動退会になる可能性があると注意喚起しているのです。
RT うわっ!本当だ!
docomoの新料金プランahamoは、キャリアメール使えないのね。決済にも影響するのか。本当に大切な事をTHE YELLOW MONKEYさん経由で教わった。
ありがとうございます。
— a_bikke(あき) (@a_bikke) March 4, 2021
ahamoに関しては「spモード コンテンツ決済サービス」が利用できないため、ahamoに移行すると自動退会になるそう。
ちなみにKDDIはpovoに乗り換えても「auかんたん決済」を引き続き利用可能。
ソフトバンク「LINEMO」に関しては2021年4月中旬より「ソフトバンクまとめて支払い」が提供予定ですが、ソフトバンクからLINEMOに移行すると、料金プラン変更ではなくブランド変更という扱いになるため、継続課金登録が解約となり、これまた自動解約になるというのです。
ウェブサイトでは、該当者に対してクレジットカード決済などに切り替えるようにアドバイスしています。
大混乱が起きるかも
確かに、決済サービスが「使えない」という告知は、キャリアが率先してアピールしてはいないので、結構な「盲点」になっています。
ユーザーとしては「知らない間に解約になっていた」と、どこかのタイミングで気がつくのかも知れません。
やっかいなのは、キャリア決済サービスを利用しているコンテンツ提供会社でしょう。
せっかく集めた顧客から、毎月、確実に会費などを徴収できていたのに、ahamoなどのオンライン専用プランに乗り換えられたことで、自動解約となっては収益に大きなダメージを与えかねません。
アーティストのファンクラブやゲームサイト、情報提供サイトなど、結構な範囲のコンテンツ提供会社が影響を受けるのではないでしょうか。
NTTドコモではahamoにおいて、
・d払い(街、ネット)
・ドコモ払い
・コンテンツ決済サービス(Google Play、iTunes)
といった決済サービスを提供していますが、コンテンツ提供側が対応していないことには混乱が生じかねるのです。
NTTドコモのサイトではデータの引き継ぎなどについて「各コンテンツでご確認ください」と、ちょっと投げやりな対応となっています。
ahamoが開始されると、コンテンツ業界とユーザーの周りで阿鼻叫喚の大混乱が起きてしまうかもしれません。
ネットの声
「従来プランを契約している家族からahamo契約者に通話をかける際は無料ですが、ahamo契約者から家族にかける際は5分以内無料のみになる(別途かけ放題オプションを契約すればかけ放題)ので注意。」
「ネットで検索すればわかる内容までいちいち問い合わせする人には、ahamoは向いてないだろうね。箇条書きにしてくれ、要点をまとめてくれ、とか言う人も、なぜこのプランを安くできているのか、理解してないと思われる。」
「安いんだからデメリットもある。そんなのみんなわかるでしょ?簡単決済使えなくてもクレカ持ってる人は大半がそう。」
安いけど注意点もある…手取り足取りではないです。