「ブルージーンと皮ジャンパー」はアダモのヒット曲のタイトルだ。といってもリアルタイムで知っている人は60歳代だろう。それはともかく、レザージャケットにジーンズがバイクウェアの基本パターンといっていい。

ブルージーンと皮ジャンパー

真夏と真冬を除いて、多くのバイクシーンはこの組み合わせの服装で済む。

中高年にジーンズは似合わないという人も少なくない。多くはお腹の出具合を気にしての声だと思うがそんなことはない。お腹あたりが気になる人のためにナチュラルフィットやリラックスフィットという形もあるのだ。


これは、お腹から腿のあたりまでゆったりとしていて、膝から下は細くなっているタイプだ。お腹に合わせて普通のジーンズを買うと、裾がバタバタすることがあるので気をつけたい。

裾を切る場合、長めにしておくことも大切だ。バイクに乗った際に足首がかなり出てしまうことがあるからだ。

だからこそ、裾を切らないのもひとつの方法だ。バイクを下りたら裾を折ったらいいだけのこと。どんなに折っても、最近ではそれもファッションののうちと見なしてくれるので気にすることはない。

真夏にはジーンズが湿気を吸って重くなり、じめじめと不快なものとなってくる。これがジーンズの欠点と思っていい。その点、ナイロン製のトレッキングパンツなら、水分を素早く蒸発させ、通気性もいい。

欠点はジーンズほどのプロテクション効果が期待できないことだ。フロンティアが育んだジーンズほど丈夫な衣類は他にないだろう。

ジーンズにはすでに洗ったものと、そうではないものの2種類が売られている。まっさらなリーバイス501の場合、タグに「SHRINKS APPROXIMATELY 10%」と、取り扱い上の注意が記されている。なんだか難しい専門用語臭いが、英和辞書を引いたら、「およそ10%縮みます」という意味になっている。

洗っていないジーンズを購入する場合は、この縮む分を計算に入れて大きめのサイズのものを購入する。たとえば33インとの501だと3インチは縮むことになる。センチに換算するとおよそ7センチにもなってしまう。縮んだ分はいったいどこにいってしまうのか…。

ジーンズの他にも…

バイク乗りに人気が高いのがヘリコプター・クルーパンツだ。ポケットにフラップが付いているので、財布や小銭などを落とす心配がない。また、裾をベルクロで締められているので、バイクに乗るにも都合が良さそうだ。

腿の前側にかなり大きめのポケットが付いていて、これもバイクに跨がった姿勢で、財布などの小物を出し入れするのに便利だ。

よく似たデザインのアーミーパンツも愛用者が多い。ヘリコプター・クルーパンツもアーミーパンツもジーンズショップで売られている。また、チノパンツなども適している。選ぶなら、なるべくシルエットの細いものを選ぶことがポイントだ。

一般にチノパンツは幅の広いものが多く、これは風の抵抗を生むので気をつけたい。生地もなるべく厚いほうがいい。薄手のチノパンツだとお尻がすぐにすり切れてしまうからだ。

バイク乗りが好むレザー

バイク乗りがレザーを愛用するのは、プロテクターとしての信頼感があるからだ。レザージャケットのおかげで、ちょっとした転倒によるつまらない怪我を防いでくれる

また、天然皮革は湿気がこもらず蒸れにくい特性がある。少々の雨なら弾いてくれるし、濡れると水を吸って内部に通さなくする働きもある(この場合後で乾かすのが大変になるが…)。

そのようなわけで、レザーパンツを履くことを勧める。ジーンズスタイルのものがコーディネートしやすいし、気軽に履けるだろう。

レザージャケットは別にバイク用のものでなくてもいい。安い物で長く使えればそれに越したことはない。およその見当では、5万円を境にして極端に品質が変わると思っていい。間違いがないのが6万円以上のレザージャケットだ。

高いと思うが、一生物と思えば高い買い物ではない。10万円ほど奮発すれば好みのデザインのものをオーダーすることもできる。バーゲン情報にも気をつけていたい。10%オフなら、6万円のものなら、6千円引きとなるのだ。

空軍用のレザージャケットもバイク乗りには昔から愛用されてきた。A-2タイプが代表的な例だが、フランス空軍のものも人気がある。これらは狭いコクピットで邪魔にならないように丈が短く、袖が細めなので走行中にばたつかない。バイクを降りて街を歩いても違和感がない点もいい。

A-2タイプはシンプルだから飽きない。これにジーンズの組み合わせはバイク乗りのスタンダードファッションだといっていい。「リアル・マッコイ」などいろいろなメーカーから出ている。

船越桂の「渇きとスピード」という彫刻がある。これは思うにA-2タイプを着たバイク乗りがモデルではないかと思う時がある。腕は少しさきまでしかないのだが、まっすぐに下ろした左手がヘルメットを持っているようにも見える。

実際にはロックミュージシャンをモデルにしている。しかし、こういったものは観る人の感性で考えてもいいし、バイク乗りとロックミュージシャンは似ている横浜銀蠅やクールス、矢沢の永ちゃんだって革ジャンを着ていた。というよりもみんな元はバイク乗りだ

ちなみに「渇きとスピード」の英語タイトルは、「Thirst and Swift」だ。言うまでもなくビートルズのヒットナンバーである「Twist and Shout」のもじりだ。

着こむほどに味が出る

新品のレザージャケットは10年くらい着こんでようやく味が出る。


中古衣料品店で、そういった状態のレザージャケットを手に入れ、いかにもベテラン風に見せる方法もあるが、バイクの慣らし運転と同様で、時間をかけて自分のものにしていくのが本筋だ。

逸話になるが、家にいるときにレザージャケットを座布団代わりに敷いてみたり、枕を包んでサンドバッグの代わりにしてパンチを浴びせる、さらにはわざとコーヒーをこぼしてシミを作る、鼻の脂をこすりつけるといった涙ぐましい努力の末にやっと納得のいく状態になったという話も聞く。

バイク用ではないけれど、アインシュタインもレザージャケットを部屋着にしていたのは有名だ。これは、ロッテ・ヤコビが撮影した有名なポートレイトが残っている。

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