バイク乗りはブーツにもこだわりたい

バイク用ブーツはバイクに乗っているときの機能を重視。そのため実に歩きにくい。ツーリングには靴を別にもっていかなければならないくらいなのだ。

ブーツは機能重視で選ぶ

ライディング用ブーツは、その名の通りバイクに乗っているときの機能を重視している。そのため、当然だが歩きにくい。したがって、ツーリングに出かける際などは靴を別に用意していなかればならない。

もっとも、面倒くさがりのバイク乗りは、荷物を極力少なくしたいので、歩けることを優先してライディング用ではないブーツを履くことが多いのだ。

その中でもジャングルブーツなどがそういった類いにあてはまり、それを好むバイク乗りも少なくない。主な物では、US CAVALRYといったメーカーが有名だ。米国製なので海外通販で手に入れるか、国内で取り扱っているお店を見つけなくてはいけない。

ジャングルブーツというのは戦争で生まれた。ベトナム戦争の際、米軍の兵士は高温多湿なジャングルで、ゲリラばかりではなく蚊と水虫(あるいは足の蒸れ)を相手にしなくてはいけなかった。

兵士に配給された蚊避けの防虫剤はジャングルジュース、足が蒸れにくいブーツはジャングルブーツと呼ばれたのだ。

水虫の特効薬は米国の軍需産業をもってしても生まれなかった。初期のジャングルブーツはナイロン製で防水性はなかったが、現在はゴアテックスブーティ(ゴアテックスをラミネートしている)なので雨が降ってもオーバーシューズの必要がない。


もちろん、ミリタリースペックなので耐久性も申し分ない。ビブラムソールなので足下が滑りやすいところでもバイクを支えることができる。

また、キャンプ場でもこのブーツなら大活躍してくれることだろう。オンロード用のライディングブーツだとこうはいかない。替えのスニーカーなどを別にもっていったほうがよっぽどいい(というか必須だ)。

ブーツは冬だけとは限らない

ツーリングの時は、夏でもブーツをはく。キャンパス地のスニーカーで乗ってみれば分かるのだが、むきだしのエンジンの熱は相当なものだ。

ブーツは熱も遮断してくれる。歩くことを考えると、トレッキングシューズも選択肢に入ってくる。種類も豊富だし、ライでイングブーツに比べると価格も安い。

トレッキングシューズにはゴアテックスブーティを採用しているものが多いが、それを過信してはならない。蒸れにくいと言っているだけで、蒸れないわけではないのだ。

トレッキングシューズに限らないが、足が蒸れやすい人は、通気性を優先させてゴアテックスブーティではないシューズを選ぶほうがいい。

その場合、雨天時にはオーバーシューズを着用する。

シューズは消耗品

見た目は頑丈そうなトレッキングシューズだが、数回のツーリングでダメになることも少なくない。それほど、バイクライディングがシューズに及ぼす負担は想像以上にヘビーなのだ。

紐を通す部分が、チェンジペダルと干渉するものも多い。これも選ぶ際のチェックポイントだ。この場合バイク用のシューズは干渉しないように良く考えて作られている。

注意点として、ジャングルブーツもトレッキングシューズも靴底がビブラムソールで厚いため、チェンジペダルとブレーキペダルの高さを調節しないとギアチェンジに支障を来すので注意したい。

ライディングブーツとしての機能を持ちながら、外観はきわめてオーソドックスで、歩くのに支障のないブーツが「ハロルズギア」「ペアスロープ」「ブーツ&ブーツ」などの専門店から販売されている。

どんなブーツを買おうか迷っている場合、値段は張るがこれらのほうが間違いがない。バイク乗りからしてもかなりの人気商品だ。

雨に濡れたら

ツーリング中にブーツが雨に濡れたら、丸めた新聞紙を入れて内部の湿気を取るようにする。シューズドライを持ち歩き、雨天晴天に関わらず、ブーツを脱いだらこれを入れておくようにしてもいい。

ツーリングから帰ったら中敷きを抜き、洗えるタイプのものは洗ってしまおう。紐もとって、風通しのいい日陰で干す。

アラビアのロレンスのブーツ

「アラビアのロレンス」という映画にもなった、トマス・エドワード・ロレンスは、オートバイのロールスロイスと呼ばれたブラフ・スーペリアを乗り回すバイク狂だった。

結局それで命を落とすことになった。

生前にロレンスは、自動車だと事故のときに他人に危害を及ぼすから自動車ではなくバイクの乗っていたという。ロレンスのライディング姿を写真で見ると、英国空軍のブーツを履き、ゲートルを巻いている。

モノクロ写真なのでブーツの色はわからないが、おそらく黒なのではないか…。足首まで編み上げだ。

ブラフ・スーペリアについて

発音的には、ブラフ・シューペリアというほうが近いようである。ロールスロイス社から「モーターサイクルのロールスロイス」を名乗ることを許された唯一のバイクだ。

高級モーターサイクルメーカーとして1919年~1949年という短い活動期間だったが、伝説のバイクを世に送り出したのだ。ブラフ・スーペリア製モーターサイクルは、20年ちょっとで3000台余りが生産された。

1台1台が手作りという凝った製品で、いずれも顧客の要望に応じたオーダーメイドで生み出された作品だったのだ。

当時、世界最速を競う速度記録でもブラフ・スーペリアは活躍し、1924年、1929年、1937年に世界最速車の座に就いている(1937年の記録は273.244km/h)。

ブラフ・スーペリアの芸術品のような造り込み、そしてその高性能に魅せられたライダーは多かった。非常に高価なブラフ・スーペリアは万人の手に入るモデルではなかったが、ロレンスは、ブラフ・スーペリアのオーナーとなった、幸運なライダーのひとりだったのだ。

ロレンスはブラフ・スーペリア代表のジョージ・ブラフと仲が良く、所有した全てのブラフ・スーペリアに「ジョージ」という名を与えている。

ロレンス最後のブラフ・スーペリアであるジョージⅦ(GW2275)の「運命の日」は、1935年5月におとずれた。映画で描かれたあのシーンのように、路上で自転車を避けようとしたロレンスは激しく転倒したのだ。

事故から6日後の5月13日、こよなくモーターサイクルを愛した男であるロレンスは脳挫傷によりこの世を去った。実は、8台目のブラフ・スーペリアを注文済みだったが、その1台が彼の手元に届けられることはなかったのだ…。

ブーツでバイク乗りかがわかる

バイク乗りのブーツはシフトペダルに当たる部分が黒ずんでくる。

そのため、道を歩いていても「あいつもバイク乗りだ」とわかるのである。

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