暑くても寒くてもバイクに乗る

バイクとはとかく厄介な乗り物だ雨に濡れ、車の排気ガスにまみれ、夏は暑く冬は凍えるように寒い。しかしバイクに乗りたい衝動は抑えられないのだ。

暑くても寒くてもバイクに乗る

全身に風を受けてさっそうと走るバイク…。周囲からはそう見えても、バイクは日本の気候では、決して快適な乗り物とは言えない。雨に濡れ、排気ガスにまみれ、夏は暑く、冬の寒さに凍える。

移動手段としては、決して出来の良い乗り物ではないのだ。

にもかかわらず、多くのバイク乗りがいる。

なぜだろう。


それは、バイクが楽しくて気持ちのいいものだからだ。つらい思いをしながらも、楽しく気持ちがいいというのも変だ。

しかし、バイクには人の感性に訴えかけ、多くの人を虜にする魅力がある。バイクは、体がむき出しの状態で乗車し、全身を使って操縦しなくてはならない。

実際に乗ってみると、手足の動きだけで運転できるクルマとはまったく違う乗り物だということがわかる。

バイクとの一体感

バイクはよく乗馬にたとえられる。バイクとともに風を受け、バイクの息づかいを感じ、行く先々の空気を吸い、さまざまな匂いで臭覚が刺激される。

走行中のそうした経験は、移動の実感をより濃密なものにしてくれる。だからこそ、バイクツーリングに出かけると「遠くまで来た」と実感するのだ。

さらにバイクは、全身を使って運転することで、一体感を強く感じられる乗り物だ。

自分もバイクの一部になって走っているという感覚…それはまるで身体機能が拡張したような感覚をもたらし、自分の能力がたかまったような喜びを与えてくれる。

バイクとクルマの決定的な違い

困ったことに、バイクという乗り物は誰もが簡単に運転できるものではない。ビギナーでもなんとか運転できるクルマに対して、バイクを走らせるためにはある程度のテクニックが求められる

バイクとクルマの決定的な違いは、ライダーが全身を使って操縦することにある。バイクは、手や足でスロットルやブレーキを操作するだけではなく、前後左右への荷重移動など体全体を使って操縦するようにできている。

スロットルやブレーキにしても、クルマよりも繊細な操作が必要で、なおかつ操作と体重移動をうまく調和させなければならない。

たとえば、コーナーを曲がるとき、ハンドルを回せば済むクルマと違って、バイクは車体を傾けるという動作が必要になる。

教習所では、「体を倒して荷重移動で曲がる」などと教わるのだが、体を倒すにしても、荷重移動をするにしても、初心者なら最初はどうしていいのかわからないはずだ。

当然だが、バイクには斜体を傾けるといった装置などはない。具体的な方法は、自分の体で覚えるしかないのだ。

バイクのしくみを知る

バイクはスポーツと同じでコツが大切。スポーツがそうであるように、コツをつかんだ瞬間からそれまでとは比較にならないくらい動きがスムーズになってくる。


そうすると、グンと上達したように感じるのだ。いや、実際に上達している。

しかし、そのコツをつかむまでは、どうしてもある程度の経験が必要になる。

そして、経験とともに大切なのが「バイクのしくみ」を知ることだ。バイクのしくみを知ることは、バイクの動きを理解することに通じる。

それは、きっとテクニックの上達を早めてくれるはずだ。クルマが移動の道具として便利さばかりが注目されるなかで、バイクは人間の心を刺激してくれる。

操縦する喜びを教えてくれる貴重な乗り物だ。

●バイクは厄介な乗り物だけど

とかくバイクは厄介な乗り物だ。夏は暑いし、冬は寒い。考えてみれば快適に走れる期間というのは春と秋のほんの数週間くらいのものかもしれない。

そして、自立してくれない。バランスを良くしないと倒れてしまうのだ。

そこは、人間の本能ともいえるバランス感覚に頼るしかない。曲がるときでも、どのくらい体を傾けるか、体重移動するのかは、人間のバランス感覚がものをいってくれる。

倒せば曲がるし、どのくらいのスピードでどのくらい倒せばスムーズに曲がるのかは、経験していけばわかってくる。

乗るほどに上達していくのがバイクなのだ。

そんなバイクに魅せられて今日もバイクに乗る。

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