
一発屋並のブームで終わった!
クルマの「センターメーター」がほぼ消滅した理由とは
スピードメーターやタコメーター、燃料系などの計器類をダッシュボードの中央に配置するセンターメーター。
目次
1997年に登場した初代プリウスが採用
1950年代のイギリス車、ミニ(BMC)などが、右ハンドルと左ハンドルでも共用できるということで採用したのがルーツとされています。
国内では1997年に登場したトヨタ初代プリウスが採用し、以後一時的に採用車種が増えていきました。
そうしたセンターメーターのメリットは次のとおり。
・従来方式よりも視線と焦点移動量が少なく見やすい
・国内仕様(右ハンドル)でも、輸出仕様(左ハンドル)でも共用でき、合理的でコストダウンにつながる
・メーター類がステアリングの陰にならない
・未来的なイメージがある
センターメーターの車でドライブが楽しいと思える車種、ミニ以外にないだろ
— ぺんとり (@773trip) February 7, 2022
2010年代には廃れていった
初代プリウスを皮切りに、「ヴィッツ」「dB」「エスティマ」のトヨタ車や、「タント」「ムーヴ」といったダイハツ車、スズキの「ソリオ」「ワゴンR」などでもセンターメーターが採用され、メジャーになっていくかと思われました。
しかし、2010年以降、モデルチェンジに合わせて従来の運転席前のメーター配置に戻すクルマが増えてきているのです。
どうしてセンターメーターは廃れてしまったのでしょうか。
一言でいえば、あまり評判がよくなかったというのが一番の理由でしょう。
初代プリウスが出たときは「新しい」と思えたセンターメーターだったのですが、10年も経てば新鮮味は薄れます。
しかも高級車やスポーツカーに採用される例はなく、コンパクトカーやエントリーモデルなど、安価なクルマへの採用が目立ったので、イメージアップにつながらず、むしろ「コストダウンのため」と思われている節もあるのです。
さらにセンターメーターだと、どの座席からでも容易に視認できるので、ドライバー以外の他の乗員から「速度の出し過ぎだ」とか「遅い」と小言を言われる煩わしさもあるでしょう。
また宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999などで、いわゆる「零士メーター」が未来のメーターと刷り込まれたおじさん世代には、のっぺりしたディスプレイタイプのセンターメーターは魅力的に思えないのかもしれません。
SNSなどを見ても、
「センターメーター嫌い」
「センターメーター ダサい」
「センターメーター 不評」
といったネガティブなフレーズがけっこう目につきます。
センターメーターの車がほぼ絶滅した理由とはって記事読んでそんな車あるんだと思ってたら代車がセンターメーター pic.twitter.com/qGdJDXQYkH
— 雲風ひつじ??オンギャ (@kumokazesheep) February 7, 2022
メーターと正面から向き合いたい
不便といった声よりも、「嫌い」とか「かっこ悪い」といった主観的な意見が目立つのですが、こうした声にメーカーが敏感に反応している部分はあるはずです。
機能的にもメーカー側は「センターメーターは視線・焦点移動量が少なく見やすい」とその長所をアピールしていました。
しかし、視線を左右に動かすのは不自然で違和感があり、通常のメーターのように視線を上下に動かしたほうがラクだというドライバーは少なくないのです。
その上、言語的にも「横目に見る」「横目遣い」というのはネガティブな印象しかないですし、「人の話を聞くときは、相手の目を見ること」と躾けられた育ちのいいドライバーとしては、やはりメーター(=クルマ)とは、正面から向き合いたいもの。
これらの理由が複合的に重なって、センターメーターを支持するユーザーは少数派で、支持者が少なければ普及も進まない……。
しかるがゆえに、センターメーター採用車が減りつつあるのが現状なのです。
センターメーターの車って最近のは少ないのか。
今乗ってるのセンターメーターだけどたしかになんで目の前じゃなくてそっちなの?って思ったことはある。— さっきーさぶ?? (@sakky_22_sub) February 7, 2022
ネットの声
「慣れもあるのかもしれないが、センターメーター車は視認性に違和感があったのも事実。普通のメーターが見やすい。」
「センターメーターは視線の移動量が少ないとか言っていたが、高級車やスポーツカーなどには採用例が皆無。本当にセンターメーターの優位性があるなら、先ずは高級車などから採用する。しかし、高級車などの採用は皆無。つまり、視線移動が少ないなんて後付けの理由にしかない。本命は「コスト削減」だって事。」
「「センターメーターは視線・焦点移動量が少なく見やすい」
というのを聞いて、
「どこが?」
「ちょっと何言ってんのかわからない」
と思ったのは私だけではないだろう。」