政府のポイント還元制度を追い風にキャッシュレス決済が浸透してきました。

注目度が高いのはスマホを使ったQRコード決済。

サービスが乱立し、ポイント還元率の高さで利用者ひきつけるシェア争いが話題です。

一方、その陰で目立ちにくいが、同じキャッシュレス分野で3月末に向けて確実に進む動きがあるのです。

クレジットカードのセキュリティー対応です。

IC化で取り残された日本

クレジットカードは、近年、情報漏えいや不正利用が問題になっています。

日本クレジット協会によると、カードの不正利用被害額は2018年で235億円と12年の68億円から3倍以上になりました。

その8割は番号盗用。

カード情報を盗み出し、それを基に通販サイトで高額品を買いあさるような手口です。

実店舗では、カードの磁気ストライプを読み取る決済端末に仕掛けをして、情報を盗むスキミング被害があります。

ネット上では、ショッピングサイトにサイバー攻撃を仕掛ける大規模なカード情報漏えいが目立つのです。

Anonymous hacker in mask programmer uses a laptop to hack the system in the dark. The concept of cybercrime theft of money from bank cards

実は、実店舗の被害はカード情報のIC化で抑制することができます。

カード情報を、磁気ストライプではなく、ICチップに暗号化して格納することで、セキュリティーを高めるものです。

IC化は欧州で1990年代に導入されましたが、その被害防止効果が明らかになると、世界に広がっていきました。

ユーロ圏では08年にIC化が完了し、非ICカードは使えなくなっています。

対応が遅れていた米国もオバマ政権下の14年に大統領令を出してIC化を一気に進めました。

残念なことに、この世界潮流から取り残されたのが日本です。

これには日本のカード業界の特殊事情が災いしました。

海外は、カード加盟店一つにつき一つのカード管理会社と契約するのですが、日本では歴史的に一つの加盟店が複数のカード管理会社と契約する取引構造があります。

そのため、加盟店手数料や決済端末設置コストが割高になってしまうのです。

カード情報のIC化とは、カード本体にICチップを取り付けるだけでなく、加盟店でその情報を読み取る決済端末の更新が不可欠です。

しかし、端末を更新する費用負担をめぐりカード業界や加盟店の間で足並みがそろわず、IC化が進みませんでした。

安心して買い物ができない国

IC化の立ち遅れは、近年、訪日外国人(インバウンド)が増えるなか「セキュリティーホール」とみなされるようになりました。

訪日外国人の半数は買い物にカードを使います。

地方や中小の店舗ではカードが使えるところが限られ不評でした。

そして、カードが使える店舗であっても磁気ストライプを読み取る旧式端末を使っているのですから

「安心して買い物ができない」という不信が高まっていたのです。

そこで14年の政府による「日本再興戦略」は、東京オリンピック・パラリンピックをにらみ、クレジットカードのセキュリティー強化を盛り込みました。

それを具体化したのが、18年6月施行された改正割賦販売法です。

法改正では、カード管理会社を登録制としたうえで、加盟店のセキュリティー対策が十分かどうか調査義務を課ます。

適切でない場合は加盟店契約ができないようにしたのです。

加盟店には20年3月までにIC対応端末を義務づけ、国際標準のセキュリティー対策を課しました。

国際標準とは、決済端末で読み取ったデータを直接、外部の情報処理センターに伝送し、加盟店ではカード情報を扱わないという仕組みです。

店舗の切り替えは急ピッチ

IC対応端末の義務付けは、流通業界の負担を増すため「2020年問題」と呼ばれてきました。

その期限は間近に迫っています。

カード自体のIC化は法改正と前後して対応が進んでいます。

カードの有効期限は3~5年が多く、カード管理会社が更新時にIC化されたカードを送るという対応が主流で、ほぼ切り替えは済んだ状況です。

店舗側も順次、決済端末のIC対応を進めています。

以前は従業員が磁気ストライプを読んで決済していた店舗でも、決済端末にクレジットカードを差し込み、4ケタの暗証番号入力を求められるようになったことに気づいた人も多いでしょう。

ただし、コンビニ、スーパー、百貨店などでは、商品が売れた時点でその情報を記録するPOS(販売時点情報管理)システムと連動した決済端末を導入していて、システム更新の投資費用が大きいのです。

このカードは本物ではありません

QRコード決済への対応などもあって、大手コンビニは端末切り替えを先行しました。

一方でスーパーなどではなお移行段階というところもあります。

JR東日本のみどりの窓口は、期限ぎりぎりの4月1日にIC化されます。

こうした変化は、カード利用者側には気づきにくい部分です。

だが、カード利用には自己責任が伴うのは言うまでもありません。

足元で何が起きているのかは正しく理解しておくようにしたいものです。

ネットの反応

「日本てさ、業界ごとに「なんとか協会」等の親睦団体が必ずあるのに、一番必要な機器や手続きの統一を全くしないよね。上の人間がただ役職名付けたいだけの無駄な組織が多すぎるんだよね!」

「ネット通販では、いまだにカードナンバーと裏の3桁の数字だけで高額の商品を買うことが出来る店がある。セキュリティが甘すぎる。」

「なんちゃらペイにクレジットカード登録するよりは、クレジットカードを店で出して買い物する方がよほど安全だと思いますけど…。」

なんとかペイが淘汰の時期に入ったようです。その前にクレジットカードだけでなんとかなる…というわけにはいかないのでしょうか。

デビットカードなら誰でも持てますからね。取得しやすいクレジットカードもありますよ。

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