消費増税とともに鳴り物入りでスタートした、政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」

いわゆるキャッシュレス・ポイント還元に関心が集まっています。

キャッシュレス・ポイント還元

政府の狙いとしては、消費増税後の消費の落ち込みを防ぎ、さらにはキャッシュレス化を進めることで生産性および消費者の利便性向上を目論むというものです。

言わば、二兎も三兎も狙った施策といえるでしょう。

政府の資料には、この事業の成果目標として2025年までにキャッシュレス比率40%を実現する。

と、書いてあります。

増税対策の話はどこへやら、約2800億円もの予算。

つまり税金をあてて、とにかくキャッシュレス化をバリバリ進めるという姿勢の表れなのです。

とはいっても、税金が投入されている以上、消費者としてもできる限りの還元を受けたいもの。

そのために、まずこの仕組みの基本を押さえておくことが大切です。

ポイント還元の条件

ポイント還元を受けるにも以下の条件があります。

まず、還元対象となる期間は2019年10月~2020年6月末までとなっています。

消費者がキャッシュレス手段を用いて中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店で支払った場合について、決済金額に対し5%の還元が受けられます(フランチャイズ店は2%)。

なお、この小規模店にはネット通販のショップも含まれています。

対象となる店舗やネットショップにはポスターやステッカー、ネットショップにはマークがつきます。

経済産業省はスマホで対象店舗を探せる地図アプリも配信中です。

いっぽう、還元対象にならないものもあります。

住宅や車、換金性の高い金券などはNGとなっているのです。

キャッシュレス手段にはクレジットカードや電子マネー(交通系・流通系など)、スマホのコード決済などがあります。

自分が利用する決済事業者がこの還元事業に登録しているか、確認をする必要があるので注意が必要です(ポイント還元事業専用サイト)。

還元される金額の上限は、決済業者やキャッシュレス手段によって異なります。

代表的なところでは、クレジットカードは月1万5000円相当まで(決済金額30万円まで)、電子マネーは事業者ごとにまちまち(Suicaは原則チャージできる金額の上限の5%まで)、スマホ決済は月3万~2万5000円相当まで(決済金額60~50万円まで)など…。

ただし、これに該当しない場合もありますし、還元される方法も異なります。

デビットカードで口座の現金が増える?

決済手段によってその上限は異なるのですが、とはいっても毎月30万円やら50万円やらも消費できる人はそうはいないでしょう。

悩ましいのは宴会のワリカンかもしれません。

幹事にまとめて払わせたくないと感じる人が増えて人間関係が悪くなりそうだですね。

それよって気になるのは、実際にこの最大5%分がどうやって還元されるのかということです。


もともとの趣旨は、決済金額の一部をポイント還元するという話だったのですが、それ以外にも2つの方法があるのです。

1つは、購入時にその代金からポイント相当分の額を差し引くという“実質値引き”。

もう1つはカード会社などが採用している手法で、利用代金を口座から引き落とす際にポイント相当分を値引くというもの。

反対に、電子マネーやコード決済の場合は、その残高として使えるポイントの形で還元するケースが多くなります。

経産省の思惑としては、ポイント還元をしてそのポイントでさらに買い物をしてほしいという思惑があります。

しかし、関係各所から聞こえてくるのは、ポイントには有効期限があり、しかも原資は税金。

そのため、使われないとまずいとか、カードのポイントだとマイルや電子マネーなど交換先ごとに還元率が変わるので、より複雑化するとか、諸々の面倒くささです。

それだったら、すっぱり実質値引きするほうが、後腐れなくすっきりすると考える部分もあるでしょう。

還元=上乗せで最大5%のポイントがもらえると期待した人はちょっとがっかりしているかもしれません。

このポイント還元には、さらに知っておくべきお得な方法があります。

それは、使った金額の5%が自分の普通預金口座に振り込まれるというものです。

使いにくいポイントではなく、現金そのものが付与されるという嬉しい話なのです。

その方法とは、銀行のデビットカードを支払いに使うこと。

キャッシュレスの動きと並行し、銀行は維持コストがかかるATMを廃止し、決済には口座から即時引き落としとなるデビットカードを使ってもらうべく熱心に発行を勧めています。

デビットカードといえば、キャッシュカードをそのまま使うことができるJデビットが思い出されますが、今はVISAやマスターカードなど国際ブランド付きデビットカードが主流です

最近はこれらのカードによる決済が伸びているということです。

クレジットカードと違って、口座保有者なら審査なしで作れますし、国際ブランド付きなので使える店も多いのです。

使用するにはクレジットカードと同じく、サインかデビット専用の暗証番号を打ち込みます。

ネットショップでも当然利用可能。

ただし弱点は、クレジットカードに比べると還元率の点で見劣りする点。

デビットカードはキャッシュバック方式を取っているものが多いのですが、三菱UFJ銀行や三井住友銀行など大手銀行のデビットはその率が0.2%程度と、使いたいと思わせるインセンティブに欠けていたのです。

しかし、今回は違います。

銀行のデビットカードも、この事業に参加していれば最大5%が還元されます。

それも、口座に現金で振り込んでくれるのです。

先述した三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行なども、自行デビットカードを使用した際の還元分を1ポイント1円として振り込むと明記してあります。

上限はおおむね月1万5000円まで(利用できるのは30万円まで)。

ゼロ金利の時代に、銀行がわざわざ口座の残高を増やしてくれるというのですから、これ以上ありがたい話はないでしょう。

使い道が限られるポイントより、現金で還元してくれるほうがよいのは言うまでもありません。

現金には有効期限もありませんから…。

キャッシュレス初心者でクレジットカードが嫌いな人、スマホ決済が不安な人、なるべく面倒なことをしたくない人が今回の事業の恩恵を受けたいと思うなら、迷わず選ぶべきはデビットカードなのです。

ネット銀行なら最大7%の現金還元もあり

大手銀行のデビットカードは通常だと0.2%程度と書きましたが、このところネット銀行を中心にその事情は様変わりしています。

利用状況に応じて、還元率を1%以上まで引き上げる銀行が増えているのです。

ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」は、利用状況に応じて0.5~2%までのキャッシュバックがあります。

今回の還元事業は、通常のキャッシュバックと併用になるので、最も高いプラチナステージの人が「Sony Bank WALLET」を使って、対象の店舗などで支払いをすると、「2%+5%」で最大7%もの現金が振り込まれることになります(ただし、2%適用のプラチナステージをクリアするのはかなりハードルが高く、多くの人は「0.5%+5%」の5.5%還元になるでしょう)。

GMOあおぞらネット銀行も今回のポイント還元事業に登録しています。

ひと月の還元上限は1万5000円。つまり使えるのは30万円です。

なかなかハードルは高いのですが、ひと月10万円ずつ3ヵ月使えば、来年からのキャッシュバック率0.8%の資格を獲得しつつ、政府からの還元分5%もあわせて受けられるというわけです。


楽天銀行のデビットカードは、通常はキャッシュバックではなく、1%の楽天スーパーポイントを付与しています。

しかし、今回の還元事業では、楽天スーパーポイントに加えて、さらに5%相当の現金を口座に振り込んでくれるのです。

ポイントと現金のダブルでおまけがもらえたようで、これはこれで嬉しい人は多いでしょう(ただし、どの銀行もキャッシュレス還元事業の5%分還元と、通常のキャッシュバックなどの還元時期は異なります)。

「デビットカード支払い」はポイント還元で最強かもしれませんね。

ざっと見た限り、デビットカードやデビットアプリの場合、現金を口座に振り込んでくれる方式がほとんど。

クレジットカードは保有していなくても、銀行口座を持っていないという人はいないでしょう。

そういう人は、メインバンクでデビットカードを作り、それでキャッシュレス支払いをするようにしましょう。

還元事業に参加していれば、どの銀行でも最大5%は現金がもらえます。

それでも抵抗があるという人は、キャッシュカードを使う手も…。

今回の事業では、キャッシュカードを支払いに使うJデビット方式も還元対象になっているからです。

とはいって、そもそもJデビットは使える店自体が少なく、さらに今回の事業の対象になっている店はもっとレアかもしれません。

なんといっても、銀行口座のお金が増えるなんて滅多にない体験です。

今回の還元策では、「デビットカード支払い」をぜひ試してみてほしいものです。

ネットの反応

「VISAデビットカードを使うメリット…大きな点は「銀行口座」の残高のみしか利用限度がないという点です。簡単に言えば「使いすぎる」という事がないですからね。」

「低所得高齢者ほど高額な携帯料金を払ってる感じがする。大手キャリアで知らないうちに色々プランが付いてる。格安SIMへの移行は高齢者はわからないし、クレカがないと契約できない。クレジットの審査に落ちる人もたくさんいるから、カード化を進めるなら日本でもデビットカードの利用が広めた方がいい」

「PayPayとか関係なく、給料入ったメイン口座のデビットカードを不正利用されて残高空になって何ヶ月もお金返ってこないリスクはマジヤでバイのでメインバンクでデビットカードつくるのはみんな慎重に!」

いろんな声がありますが、もともと普及していないので、デビットカードの伸びしろは大きいですよ。

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