知ってた?デジタルミラーには通常のミラーに切り替える機能も備えている

落とし穴?デジタルミラーに通常のミラーへの切り替え機能も備えているワケ

車の後方部にあるカメラで撮影された映像を、車内のルームミラーに映し出せるデジタルミラー。

メリットは、通常のミラーでは見えない部分が見やすくなることです。

最近採用車種が増えてきていますが、なんとデジタルミラーにはデジタルではない通常のミラーへの切り替え機能も備えています。なぜでしょうか?

ジタルミラーのメリットとは?

後部座席などに荷物をたくさん積んでいたり、たくさんの人が乗車していたりすると、通常のミラーでは後方確認がしにくくなります。

しかし、デジタルミラーであれば、荷物や人で視界が遮られることがなく、後方をクリアにチェックできるというメリットがあります。

デジタルミラーで映し出される映像は通常のルームミラーで見たときと同じような画角の映像が映し出されます。

これは、できる限り通常のミラーで確認している状況と同じ環境でなければ、運転感覚に支障をきたしたり、距離感をつかむことが難しくなったりするためです。

また、ほとんどのデジタルミラーには眩惑を防止する機能が付いています。

後続車のヘッドライトが眩しくて運転しにくいということも少なくなります。

さらに、デジタル化によりカメラの感度を上げられるため、夜でも明るい映像を映し出せます。

肉眼では見にくい暗い状況でも後方の確認がしやすくなるのです。

わずかな遅延があるという欠点も

良いことばかりのようなデジタルミラーですが、デメリットはないのでしょうか。

デジタルミラーのデメリット、利用時の留意点などを、デジタルミラーの教習車を採用している教習所の現役教官にうかがいました。

「デジタルミラーにはデメリットもあります。まず一つ目は、デジタルであるため故障して映らなくなる可能性があるということです。車を購入したときから付いていたのではなく、あとからドライバー自身で取り付けた場合、カメラとケーブルの接触不良などで映らなくなってしまうことが考えられます。
二つ目は、液晶モニターを見ることになるため、焦点が合わせにくくなるということです。10代や20代であれば問題ありませんが、免許の更新のための高齢者講習でデジタルミラーの車を使用すると、ほとんどの方が、見にくくて焦点が合わせにくいと答えます。
距離の近いものを見る能力が衰え始めている高齢者にとって、目から近い位置にある液晶モニターを見てすぐに焦点を合わせることは難しいこともあるようです。
これに対し、通常の光学式のルームミラーであれば、焦点距離は実際にある景色(実像)を見て後方を確認するわけですから、見にくいと感じることは少ないのかもしれません。」

違和感を感じるという声も。

国内の自動車メーカーで行われた試乗会で、ルームミラーとサイドミラーのすべてがデジタル化された車両に乗る機会がありました。画面の解像度も高く、見やすいと感じた一方で、距離感がつかみにくいと感じる場面もありました。特に、車が左右に動いている状況では、通常のミラーにはない違和感がありました。

違和感を言葉にするのは難しいことですが、個人的には録画された監視カメラの映像をあとから再生して映し出しているような、そんな違和感に近いかもしれません。

また、都内のトンネルを抜けた瞬間、急に明るくなるとカメラの映像が白飛びしてしまい、正常な見え方に戻るまでに1秒以内のほんのわずかな時間がかかりました。

つまり、デジタルミラーの映像に遅延があるということです。明暗差の激しい環境で使用する際は注意が必要かもしれません。

そうしたデジタルミラーならではのデメリットを解消するために、市販されているほぼすべてのデジタルミラーには、通常のミラーへの切り替え機能が付いているというわけです。

狭い場所での車庫入れや夜間はデジタルミラーを積極的に活用しよう

ただし、見たときの違和感や映像の遅延は、運転に支障をきたすレベルではなく通常の使用では問題ありません。

むしろ、夜間は後方を明るく映し出してくれるためとても重宝するでしょう。

さらに、映す範囲を広くできる広角レンズを使用したデジタルミラーであれば、普段は見えていない死角となる部分もはっきりと確認することができるため、狭い場所での車庫入れなどにはとても便利です。

後方を広く映す広角画面や、通常のミラーと同じように映す標準画面など複数の画角を切り替えられるデジタルミラーもあります。

このように多くのメリットがあり、今後さらに普及していくことが見込まれているデジタルミラーですが、これから先も、ドライバーの状況に応じて「デジタルミラー」と通常のミラー「普通の鏡」を使い分けていく必要があるのかもしれません。

後方が死角で見にくいときや夜間はデジタルミラーを積極的に使い、それ以外はカメラをオフにして通常のミラーとして使用するといった活用が使い分けのコツとなるでしょう。



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