
多くの利用者が納得できるよう、値下げと同時に、わかりやすい携帯電話料金の実現に努めることが大切です。
NTTドコモは、大手で最安値水準となる料金の新プランを、来年3月から導入すると発表しました。
月間のデータ使用量が20ギガ・バイト(GB)のプランで、税抜き月2980円に設定したのです。
現行プランも見直し
大容量の「ギガホ」など、現行の主力プランについても月内に見直し策を公表する方針です。
20GBは、画質の良い動画を1日1時間視聴できる容量です。
現在は、高画質動画を長時間見るには30GBのプランしか選べず、7000円以上かかっているのです。
20GBでは、競争で値下げが進んだロンドンの水準に近づくということになります。
納得できる料金体系にせよ
菅首相は、ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社による寡占で料金が高止まりしているとして、現状を問題視してきました。
最大手が大幅な引き下げに踏み切った意義は小さくないでしょう。
新プランは、ドコモショップなどの店頭では受け付けず、オンラインだけで手続きを行い、コストを抑える考えです。
高速・大容量通信規格「5G」を追加料金なしで利用できるようにし、若年層の取り込みを狙っているのです。
ただ、新プランに移行すると、家族を対象にした割引が受けられなくなります。
この部分で、割安になるのかどうか判断がつきにくいのです。
また、従来の携帯メールは使えなくなります。
主力プランでは、データの利用量に応じて課金する方向です。
オンラインに不慣れな高齢者や、少ない容量しか使わない人にも、配慮してもらいたいところです。
他キャリアも追随必至…
一方、KDDIとソフトバンクは、自社の格安ブランドで、5000円を下回る20GBのプランを発表しました。
しかし武田総務相は、本体のブランドではないことや、乗り換えに高額の手数料がかかることを批判していたのです。
両社は早急に、ドコモへの対抗策を練らざるを得ないでしょう。
これまで携帯各社は、様々な割引や手数料を組み合わせた複雑な料金体系で、利用者に負担を強いてきたと指摘されています。
値下げに際して、顧客本位の明瞭な仕組みに作り直すべきです。
大手の値下げが進めば、4月に本格参入した楽天や、大手の通信回線を借りている格安携帯会社の経営を圧迫しかねません。
市場を活性化させる役割を担っている新規参入組が、苦境に陥っては本末転倒です。
政府は回線貸出料の引き下げを促すなどし、健全な競争環境を整えてほしいところですね。
ネットの声
「出来るのに、大手3社はもっと早くから値下げやるべきやったって事。とくに、ソフトバンクは当初から携帯代はもっと下げれると豪語してたはず!」
「まぁサブブランドを無理やりメインブランドにぶっ込んだ感じ。誰でもという訳には行かないな。全ての手続きはオンラインのみで、サポートもオンラインチャットです。なんかあってドコモショップ行ってもサポート対象外になります。その辺を自力で何とか出来る人なら、かなり魅力的なのではないでしょうか。」
「キャリアがこの値段を出せるのなら、MVNOにはもっと安く貸し出せるだろう。そもそも光回線は電電公社のとき、税金で整備してきたんだから、NTTは暴利を貪ってないで、どんどん格安で貸し出すべきと思うよ。どれだけ民間企業の顔をしてても、インフラは税金で整備したんだから。」
MVNOが苦境に立つという声もありますが、キャリアの値下げは全体の料金を押し下げる有効な手段になるでしょう。