読んだ本の内容を忘れないための記憶テクニック

「読んだ本の内容」を忘れなくなる“記憶のテクニック”

「ゆっくりしっかり読んだはずなのに、読み終わるとほとんど内容を覚えていない」。

こんな、頭に残らない「読んだつもり」の読書では読書の意味がありません。

それでは読んだら忘れない読書をするためにはどうすればいいのか?

脳には物事の全体像を常に把握したいという性質があります。

この性質を読書に応用してしまうのです――この度『一度読むだけで忘れない読書術』を上梓した世界記憶力グランドマスターの称号を持つ池田義博氏。

脳は節約家。でも全体像を見せると…

受験や資格試験の勉強法には隠れた「王道」があります。

隠れたという意味はこの勉強法が試験勉強に極めて特化されたものだからです。

その王道とはずばり「過去問の問題と答えを先に全部読んでしまう」という方法です。

受験や資格試験には当然ながら期限というものがあります。

その限られた時間の中で学習の生産性を上げる一つの方法がこの方法です。

つまり最初からじっくり問題を解いていくことに時間をかけずに、まずは、さっさと過去に出題された問題と答えを読んでしまおうということです。

これの一番の目的は試験勉強の無駄を省くことにあります。

出題傾向などが毎回同じであるのならば当然その情報は知っておくべきだし、それはずるくも何でもなく、最終的な目標である試験というものに合格するためには当然の戦略です。

またこの方法は脳の性質からも理にかなっているのです。

脳にはものごとの全体像を常に把握したいという性質があるのです。

脳は無駄なエネルギー消費を避けるように設計された器官です。

そのため先が見えない状況で接する情報に対しては、どれが重要でどれが重要でないかの判断をする機能は活性化しません。

しかし全体像を見ることができると働き始め、その全体像を完成させるためにまだ足りないものを優先的に教えてくれるのです。

教えてくれるとは重要なものに意識が向くように仕向けてくれるということです。

限られた時間しかない中で合格のために必要のないことを捨てて、無駄な勉強はしない、やるべきことだけに注力するというのは合理的です。

読書に心理学を利用する

今回の読書法もメインの目的が本の内容を覚えてそれを活かすということにあります。

それはつまり「学習」の要件を満たしていることになります。

ここにおける「合格」とは本の内容が自分のものになる、使える知識として実際に活用することなのでしょう。

ここでも先ほどの「試験勉強の隠れた王道」の考え方を使うべきだと思います。

そしてこのやり方にはさらに隠れた秘密があるのです。実はこのやり方、学習心理学的にも非常に理にかなった方法だったのです。

心理学上、記憶に関わる性質の中に「プライミング」というものがあります。

プライミングとは以前に経験したことが、その後の認知や行動の促進に対して知らないうちに影響を及ぼす効果のことをいいます。

例えば前の日の夜にテレビでラーメン特集を見ていたとしましょう。

その記憶が無意識に頭の中に残っていることにより次の日外食したときに何となくラーメンを選んでしまうといったような現象のことです。

このプライミングに関する効果は他にもあります。

「サバイバル効果」などもその一種です。

実験によりその効果が報告されています。

最初に参加者には、例えば無人島などに一人取り残されたなどのサバイバルが必要なシチュエーションを想像してもらい、その中に自分がいることをイメージしてもらいます。

それをした上で、実験参加者には無作為に選ばれた「ジュース」「ドア」「ガラス」「自動車」…などの単語が次々に表示されます。

出てくる単語に対して、それらがサバイバルをするときに役立つかどうかを判断することが求められます。

その後出題された単語をいくつ覚えているかという記憶のテストを行いました。

サバイバル状況を事前に想像していない参加者に比べ、自分がサバイバル状況に置かれていると想像した参加者たちの方が記憶している単語の数が多いという結果になったのです。

その他にも「ザイアンス効果」といわれるものもある種のプライミングといえるでしょう。

意識的にテレビのCMを見ていたわけではないにもかかわらず、何度も繰り返しそのCMをテレビで見ていることで、お店に行ったときに何となくその商品が目に飛び込んできてつい買ってしまったというような現象のことです。

100m走では反則だが、読書でフライングは超絶パワーを生む

要するにこれらの現象に共通していえるのは、あらかじめ特定の情報を何度も見たり聞いたり、またその情報について考えたり、想像したりすることが後になってからの記憶や、情報選択といった認知能力に影響を及ぼすということです。

つまり目にした情報が、事前に意識に入っている情報と少しでも関連する要素が含まれている場合、よりその部分を際立たせ、そしてその情報に対する記憶の定着も自動的に促進するという効果があるということです。

しかし試験勉強であれば、過去問や模擬問題集のような教材も存在しますが、この考え方を読書にはどう取り入れればよいのでしょう。これに関しては文明の利器を借りることにしましょう。

インターネットを利用するのが一番です。今ではネット上にたくさんの人がブログや読書管理のWEBページなどで読んだ本の感想や、中身のポイントを書き込んでいます。

一般人以外にも本の専門家が書評サイトや雑誌などで本の紹介をたくさんしています。

小説などのエンターテインメント性のあるコンテンツであれば、あらすじや結末など、ネタバレするようなものは当然シャットアウトした方がよいでしょうが、実用書やビジネス書といった類いなら逆に事前の情報収集はした方が利点があるということです。

もちろんすでにその本を読んだことがある知り合いから直接ヒアリングするなどの方法もよいでしょう。

ただ一つ気をつけなければいけないことがあります。

それはあまり他人の意見をそのまま鵜呑みにして意識に取り込みすぎないことです。

あくまでも人の意見として参考程度にとどめておき、変なバイアスをかけないでおくことが重要です。

陸上競技ではフライングは反則行為ですが、読書法においてはどんどんフライングして予備知識に接するべきです。

ネットの声

「著者の『子供の成功は記憶力で決まる』がとても良かったので、本書も手に取って早速読んでみました。私自身、昔から本を読むのが遅く、しかも頭に入っていないということがコンプレックスのようになっていました。特にビジネス書などは、読んでいるうちに他のことを考えてしまって、いつの間にか何ページも過ぎていて、読み返してみると、全く頭に入ってないってことに愕然とすることが多々ありました。本書を読んでみて、3つのイメージというところがとても参考になったし、トレーニングも面白かったです。内容としては、脳科学や心理学的なアプローチがとてもわかりやすく、読書だけじゃなく、仕事や勉強などにも使えるし、新しいアイデアを出したりするのにもとても有用だと思いました。今から何冊かで「実践編」を実際に試しながら読んでみるのが楽しみです。」

「他書のパクリという指摘もあるようですが、私にとっては初めて接する手法だったので、それなりに学びになりました。この読書術をすごく簡単に言えば、人は太古の昔から文字ではなくイメージで物事を記憶していたので、本を読む際も文字ではなくイメージに置き換えて読むと記憶に定着する、というもの。それが脳科学的にも理にかなっているとのことで、最近よく聞くような脳科学の理論で裏付けしたり、付随効果や自分自身の体験談(自慢話)を付け加えています。実際にこの手法を用いて読書してみましたが、多少の効果はありそうです。もっと習熟すればさらに効果的かもしれませんが、帯にある「二度と同じページを読み返さない!」というのはさすがに言い過ぎでしょう。そういった誇大広告や著者の上から目線な物言いもやや鼻についたため、評価を星一つ下げました。」

「忘れない記憶術という目標は魅力的です。そこへのアプローチ・手段が難しいですね。でも、すでに到達している記憶術の達人の著者。スキルなんだろうか、手順通りに経験を積んでいくと身に付くものなのだろうか。それとも絶対音感のようなセンスなんだろうか、感性が無ければ歯が立たない。笑いのツボのようにセンスを著者と一致させて身につけたい。」


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