昔やってたな…エンジンを切る前の「空ぶかし」の儀式…あれって意味あったの?

じつは何の意味もなかった!? かつてクルマ好きの「儀式」だったエンジンを切る際の「空ぶかし」の真相

1990年代ぐらいまでは見かけたものの、今や絶滅。

都市伝説的な存在となっているのが、エンジンを切るときの空ぶかし。

どんなクルマもやっていたわけではなくて、スポーツカー、とくにチューニングカーが多かったように思います。

それゆえ、スポーツカーの衰退、MTの減少に合わせて、空ぶかし自体も消滅してしまったように思うのです。

内部に残ったガソリンを燃やすため!?

そもそもあれはなんのためにしていたのでしょうか。

当時としても正確な理由はなく、なんとなくやっていた人が多いように思います。

感覚としてはキャブレターやインジェクター、さらにはシリンダー内部に残ったガソリンを燃やすためでした。

最後にバッと火を点けて止める的な感覚でしょうか。

してもしなくても問題なし

実際のところ、残ったガソリンを最後に燃やす必要はないし、そもそも内部に残っていません。

次にエンジンをかけるときにかかりやすいという人もいましたが、残っていたところでなにか問題になることもなかったのです。

実際には逆効果になるという説もありました。

最後にアクセルを吹かしてもイグニッションはその瞬間にオフになるので、点火されずに大量の生ガスがシリンダー内に送り込まれて、逆に残ってしまうという理屈。

もっともらしいですが、こちらもなにか問題があったわけではないので、杞憂レベルでしょう。

かっこつけでやってた

いずれにしても、所詮はガソリンなので、あっという間に蒸発してなくなってしまうため、シビアになる必要はなかったのです。

ただ、この点に関しても、シリンダー壁に付いたオイル分を流してしまうという意見もあるにはありましたが、少数意見でしたし、考え出すとキリがないものでもあったのです。

意味がないからと言って否定するのではなく、なんとなくかっこいいからやっていたというのもクルマ好きが大勢いた時代ゆえのエピソードだったりするわけで、妙に懐かしかったりするのです。

高度にコンピュータ制御された現在では、確実にまったく意味がないことではあるのですが…。

ネットの声

「キャブレーター時代、高回転重視のセッティングにすると低回転やアイドリングでは燃調が濃くなりがちで、また当時は高性能なイリジウムプラグ等もありませんでした。バッテリーも今に比べれば容量が少なく、今の電子制御車に競べればカブりやすく、再始動しにくい条件が揃っていました。実際にはそんな車はごく少数で、大半は「アイドリングでカブっちゃうほどチューニングしてるぞ」アピールの雰囲気組だったのでしょう。」

「実際にやっていた派ですが、ほとんど意味無い事は分かていた。若い時ってどうしても格好をつけたいもの。
あれをやると車マニア的なイメージがして単に嬉しかっただけですわ。だからやっていただけだな。
一般道を走る一般車は、いくらチューニングだなんだやってもレーシングカー並みの性能なんて確保することは出来ない。とにかく一般車なんですからね。マフラーを変えたり、ソレックスやウェーバーに替えて、基本的な性能が変わるんだったらレーシングカーを開発する高度な技術なんて要らんでしょう。
特にマフラーを変えて大きな音がしたら高速で走っている様な気がしていただけだな。今考えりゃぁね。
まぁ、今のオヤジ世代の若かりし頃の流行でしょうな。」

「キャブレター、特にソレックスやウェーバー等のスポーツキャブ車。
エンジンを切る時、単に空ぶかしではなく加速ポンプを作動させ、生ガスをインマニに吹くことで、冷間時の始動性を良くすることが目的。
ただ、純正ソレックスならスターター系統もあり、それを作動させれば済むし、なければ始動前にアクセルを煽り、加速ポンプを動作させれば問題なかった。」



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