電気自動車には伸びしろしかない!?いろいろ言われてるけど…

もう「伸びしろ」しかない!? 問題ばっかり指摘される「電気自動車」に待つ「明るい話題」

東京都が「2030年までにガソリン車の販売をゼロにする」ことを目標に掲げるなど、ここにきて急速に電動化への動きが加速している日本。

世界的にも、英国では2030年にガソリン車の販売を禁止、アメリカでもカリフォルニア州が2035年までに販売禁止の方針を打ち出すなど、大きな波になりつつあります。

近い将来、実現する可能性大!

充電時間が長いことや、ガソリン車に比べて航続距離が短いなど、まだまだユーザーにとって完璧な乗り物とはいえないのが電気自動車。

走行中にCO2を出さないのはいいけど、もうちょっと私たちにメリットがあったらいいのに!と思うのも現実ですよね。

でも技術は日々、猛スピードで進んでいます。今回は、将来的に「こんなのがあったらいいな」「こんなことができたらいいな」という電気自動車のメリットの中でも、近い将来実現する可能性の高いものをご紹介したいと思います。

充電時間はどうなってる?

まず1つ目は、皆さんがもっともネックだと考えていることの1つ、充電時間の長さです。

現時点では、日本に設置されている急速充電器は20~30kwの低い出力のものが大多数を占めていて、40~50kwのものは約20%程度しか備わっていないのですが、今後は90kw以上の高出力の急速充電器がどんどん普及し始めると言われています。

事実、BMWの多くの店舗には90kw程度の急速充電器が2022年中に設置される予定とのこと。

将来的には150kwの急速充電器が普及してくるでしょう。

そうなると、充電時間は大幅に短縮されます。

どのくらい短縮されるのかというと、たとえばBMW iX50で50kwで100km走行分の充電をするには、25分くらいかかります。でも90kwの急速充電器になると、わずか12分程度に短縮され、150kwの急速充電器なら、さらに短い8分程度で完了します。

どうでしょう、これなら、充電器に繋いでちょっとトイレにでも行っている間に、自宅に帰れるくらいの充電は終わることが多くなり、もっと気軽に遠出ができるようになるのではないでしょうか。

充電環境も充実

2つ目は、充電時間が短くなっても、充電できる場所が少ないんじゃ意味がない、という人に朗報です。

現在、高速道路のSAなどでも急速充電器の拡充工事が進められているのですが、同時に充電器の性能も大幅にアップしています。

これまでは充電器1台に対して1口しか充電コードがさせないタイプが主流でしたが、今後は1台で2口、6口といった多口化充電器への置き換えが進む予定です。

そうすると、充電器が1台しかなくても6台同時に充電することができ、昨今問題となっている充電待ちも解消するのではないかと思います。

EV・FCVのみが通行できる道も!?

3つ目は、そうは言っても急激にEVが普及したら、どのみちまた充電待ち状態になるのでは?という懸念もあるのですが、現在も一部のユーザーでは暗黙の了解となっている「充電待ちルール」があり、それをしっかり整備してEVユーザーに浸透させようという動きがあります。

およそ10年前は、それこそ充電に関するルールもマナーもあったものではなく、1回30分で自動的に止まってしまう急速充電器では満充電にならないので、2回、3回と「おかわり充電」をして「充電渋滞」を引き起こしている迷惑者もいたものでした。

スーパーのレジ待ちをする列のように、充電待ちのためのレーンがないため、誰が先着なのかがわかりにくく、知らずに割り込みをしてしまってトラブルになったケースも多く、充電器にさしたまま2時間も3時間も戻ってこないので、次の人が充電できないということも。

でも、充電している間に買い物や食事を楽しめるというのもEVの魅力の1つとも言えるので、その場合にはフロントガラスに「充電が終わったらプラグを抜いていいですよ」などと書かれたプラカードを置いておき、次の人に充電を始めてもらうようにしたり、PHEVの人はもしEVが後からきたら速やかに充電器を譲るなど、10年の間にだんだんとマナーが出来上がり、浸透してきたのです。

今後はそうしたマナーを明文化して、これから一気に増えるEV時代に備えたいところです。

4つ目は、停車中や走行中に自車で発電ができるソーラー充電の進化です。もうすぐ発売となるトヨタのEV、bZ4Xでは、プリウスPHVに搭載されていたソーラーパネルの約1.8倍となる発電能力を実現。トヨタの社内測定値として、1年間で約1800km走行分の電力が発電できるというから驚きですよね。日本では年間走行距離の平均が7000km程度と言われているので、4分の1程度はソーラー発電で賄えるということになります。ご近所の買い物くらいなら、それで済んでしまうかもしれないですね。bZ4Xのソーラールーフはオプションなので、その価格がどのくらいかにもよりますが、ちょっと魅力的な装備です。

5つ目は、じつは近年、これまでクルマが通行できた道が通行できなくなる「マイカー規制」が増えているんですが、EV・FCVなら通行可能というところがあるのです。たとえば富士山の五合目まで、昔はマイカーで行けましたが、現在は夏の混雑期間中はマイカー規制が行われ、通れなくなってしまいました。でもEV、FCVは規制の対象外で、五合目付近にある駐車場まで乗り入れることができます。また、2020年の豪雨災害により通行止めとなってしまった乗鞍スカイラインも、以前はEV乗り入れ実験を行い、マイカー規制を行う中でもEVは対象外とする方針を打ち出していました。

2021年7月に開通再開し、今後どうなるのか注目です。このほかにも、EVでしか走れない道がもっと増えていくかもしれないですね。また、国立公園ではEV、FCVの駐車料金が無料となるキャンペーンを実施中。日光国立公園、阿寒摩周国立公園といった観光地から、新宿御苑(入園者は2時間600円まで無料)、京都御苑(3時間800円まで無料)といった都心部もあるので、お得に利用したいですね。

ということで、大変革期を迎えている今だからこそ、まだまだこれからメリットが増えることが予想されるEVライフ。いち早く波に乗るか、もう少し様子を見るか、そこがまた悩ましいところですね。

ネットの声

「充電する電気もCO2を出さない火力や原子力ではない自然エネルギーでなければEV普及は意味がありません。
充電器を高出力にして短時間で充電した方がバッテリーの劣化は大きいのではないでしょうか。
やはりガソリン給油と同じくらいでないと充電時間は納得出来ませんね。
30分越えたら充電プラグを外してもいいですの表示は良いですが、次車の移動や充電プラグの抜き挿しで自車を傷付けられそうで、やっぱり充電時間はガソリン給油と同じくらいにしてもらいたいです。」

「EV車が有用だという人も確かに居ると思います。例えば一戸建てで敷地内に駐車スペースがあり、自宅で充電できる人にとって充電時間というデメリットは(数百kmレベルの遠出をする場合を除けば)無いに等しくそれこそスマホ感覚で取り扱う事が出来る事と思います。
しかしマンション等集合住宅に住み自宅で充電出来ない人にとっては、やはり充電時間がネックになります。いくら急速充電の技術が進み、それらが普及したとしてもガソリンを入れるような短時間での給電は難しいのではないでしょうか。
それに寒冷地では電費も悪化しそうです。
要は全車EV化は現実的ではなく、それぞれの住宅環境や自然環境に合わせ最適な選択が出来るよう選択肢を増やす事が重要ではないかと思います。」

「現時点でのセルフスタンドでの給油制限時間が4分なので、全ての車がEVに置き換わって満充電が最大10分で完了する技術が確立したとしても単純計算で今ある給油機の台数の2.5倍の充電器が必要。もちろん自宅充電で間に合う人もいるだろうからそこまでじゃないかもしれないけど。
これらのインフラ整備をした結果、充電にかかる電気代が今のガソリン代よりも高くなりましたなんてことになったら目も当てられない。」



おすすめの記事