
敵知らずの激強戦闘機「F-15E」は現代のドローン戦でも通用するのか? デビューは“昭和”
制空戦闘機であるF-15「イーグル」をベースに、戦闘爆撃機に仕立て直した改良型がF-15E「ストライクイーグル」です。
同機は、いわゆる“最強の戦闘機”のひとつとして航空ファンに知られています。
しかし、2025年現在の軍事衝突においては技術も進み、無人機「ドローン」による攻撃がトレンドに。
部隊配備が昭和63年、すなわち1988年というF-15Eは、この現代戦に太刀打ちできるのでしょうか。
目次
現在も通用する
結論から言うと、F-15Eの高性能ぶりはいまだ健在です。以下に例を挙げていきます。
2024年4月、イスラエルはダマスカスのイラン大使館を攻撃し、イランはこれに対する報復処置としてイスラエルを空爆すると表明していました。
それに対し、アメリカ軍は中央軍司令官をイスラエルに派遣し、イランによる攻撃に対して効果的に防衛作戦を行うための話し合いを行っています。
一方で、イギリスに駐留するアメリカ空軍第48戦闘航空団に所属するF-15Eは、ヨルダンのMuwaffaq Salti空軍基地に前方展開することになりました。
これはイランからの攻撃に備えたものです。
結果的に、4月13日から14日の攻撃に際して、イランはイランおよびイエメンやシリアに潜伏している敵対勢力「フーシ」より、30基の巡航ミサイル、120機の中距離弾道ミサイル、そして170機の無人機が発射されています。
そのような中、イスラエル国防軍はそうした攻撃に対し、99%の迎撃に成功したと表明。
このような大規模な攻撃に際しても、イスラエルの防空システムであるアイアンドームがしっかりと機能していることを公表しています。
今回実施されたミサイルや無人機の防御に対しては、地対空ミサイルに加え航空機も投入されています。
The first F-15E equipped with the advanced EPAWSS Electronic Warfare system takes off from San Antonio and heads home to the @48FighterWing.
This next-gen tech enhances pilot situational awareness and ensures the F-15 can tackle modern threats. pic.twitter.com/QG8hXi5ba8
— Boeing Defense (@BoeingDefense) January 17, 2025
乗った人も「スゲェ…」と息巻く“空の目”
航空機を投入したのは、イスラエルだけではなく、イギリス、アメリカ、ヨルダンも同様でした。
たとえばアメリカ空軍は当初、作戦の内容を明らかにしませんでしたが、2024年11月12日にレイクンヒース基地で作戦に参加した隊員らを表彰する式典が行われた際、作戦の内容を発表しています。
このときの情報によると、2024年4月13日から14日にかけ、F-15Eを用いた軍事作戦が実行されたとのこと。
このとき出撃したF-15Eは、のべ14機であったこと、そのうち6機はスクランブル発進だったこと、それら米空軍のF-15Eによって80機以上の自爆型ドローンの破壊に成功したことなどが判明しています。
A U.S. Air Force F-15E Strike Eagle fires flares over the U.S. Central Command area of responsibility Dec. 26, 2024. (zachary willis) pic.twitter.com/99FrJ4Bgdp
— J.J. (@kadonkey) January 18, 2025
マルチロール機としての機能を遺憾なく発揮
なお、この軍事作戦を担った第48戦闘航空団第494飛行隊における標準的なF-15Eの兵装は、AIM-9「サイドワインダー」短射程空対空ミサイル4発、AIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイル2発に加え照準ポッドです。
そうしたことから、今回の作戦においても同様な兵装で作戦に投入されたものと考えられています。
また、出撃機の後席に搭乗した兵装システム士官(WSO)は、F-15EのAPG-82レーダーは信じられないほど多数の目標を映し出していたと証言しています。
これは、多くの無人機や巡航ミサイルが飛行している環境下においても、F-15Eが多目標の捜索、識別、追尾が可能であったことを物語っており、今回イランが実施した集中攻撃においてもマルチロール機としての機能を遺憾なく発揮したということができるでしょう。
製作中の動画の1シーンから
F-15Eの離陸シーン#WarThunder pic.twitter.com/lClugsPo74
— MiG (@ReleaseTheMiG17) January 25, 2025
ネットの声
「ドローンを持ち上げる記事が多いが、電子的あるいは光学的な対抗措置が進むだろうし、迎撃に関しても今後開発が進むのではないか。
なんせ費用対効果のレートが違い過ぎているんで、軍の対応も真剣にならざるを得ないと思う。
とりあえずもっとも損害を被っているロシア軍の対応には今後も注目したいところ。」「最悪はマッハ2で離脱すれば、追いつけるドローンなんて居ないだろうし、F-15が音速で飛行した際に生じる衝撃波で、機体周辺に寄ってきたドローンは全部墜落してしまうんじゃないの。」
「今更ながらF2やF35とか準備せずに全部F15(E型含む)に統一したら整備もやりやすかったんじゃないのかな?昔は高額だったF15も今となっては減価償却も終わり割安だし。」