V10エンジン復活でF1が面白くなる!?確かにF1の興味が薄れて久しくなった…

持続可能燃料の実現でF1にV10エンジンの轟音が戻ってくる?

ルール策定行なうFIAの会長「様々な方向性を検討すべき」

F1からV8エンジンやV10エンジンの爆音が去ってから10年以上が経過したが、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、持続可能な形での復活を含め、F1はパワーユニット(PU)に関して将来的な選択肢を模索するべきだと語った。

F1の魅力が低下

2014年からF1に登場したV6ターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたPUは、効率性と引き換えに音としての迫力、ひいては魅力が低下したとも言われている。

しかし2026年からはシャシーやPUのレギュレーションが大きく変更される。

PUは現行のV6ターボエンジンにエネルギー回生システムを組み合わせるという大まかな構成は変わらないが、排気のエネルギーから発電するMGU-Hが廃止される一方で、電動モーターの出力が内燃エンジンと同等まで引き上げられる。

それと同時に2026年からはカーボンニュートラル化を目指し、化石由来ではない持続可能燃料の使用が義務付けられるが、そこでハイブリッドシステムが必要なのか、という論調が浮上した。

持続可能燃料の活用によって、理論上はカーボンニュートラル化という目標を達成しながらも、かつてのようにエンジン音という魅力を引き上げるために自然吸気のV8エンジンやV10エンジンを復活させることもできるのだ。

持続可能な燃料で走るV10の轟音

ベン・スレイエム会長も、持続可能燃料の使用によってF1は様々なPUを検討することができると指摘した。

「今週ロンドンで行なわれたF1の発表会は、このスポーツの将来について多くの前向きな議論を呼び起こした」

F1創立75周年記念イベント“F1 75”を終えて、ベン・スレイエム会長はそう語った。

「シャシーとPUに関する2026年レギュレーションの導入を心待ちにする一方で、我々は将来の技術的なモータースポーツのトレンドをリードしていかなければならない」

「持続可能な燃料で走るV10の轟音を含め、様々な方向性を検討すべきだ」

そしてベン・スレイエム会長はこう続けた。

「どのような方向性が選択されるにせよ、我々はチームとメーカーをサポートし、研究開発費のコスト管理を徹底させなければならない」

「我々のメンバーやファンのために貢献することは、このスポーツを今後数十年にわたってより安全かつ持続可能なモノにし、未来の世代がF1を楽しめるようにするための重要な仕事と並んで、我々が行なうすべてのことの中核に常にある」

しかしF1に参戦する自動車メーカーとしては、市販車との関連性は研究開発の面でも重要。

今やフェラーリでさえ、フラッグシップモデルにV6エンジンを使用する時代であり、多気筒エンジンの採用は時代と逆行しているとも言える。

パワーユニットをハイブリッドに

メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズでF1用PU開発を率いるハイウェル・トーマスは以前motorsport.comに対して、F1が今後もハイブリッドPUを継続すべきだと語っていた。

「個人的には、F1が今の関係者との関係を維持したいのであれば、パワーユニットをハイブリッドにしておくのは、非常にエキサイティングなことだと思う」とトーマスは言う。

「バッテリーの開発は、特に重要だと思う。全ては一般の路上で起きていることと関連しているので、自分たちの能力を示すショーウインドウなのだ。我々は賢明な方向に向かっていると思う」

「スポーツ全体でそうしたいと決めるなら、別のことをすることもできる。でも、メルセデスのようなメーカーにとって価値があるのは、市販車がEVなどの方向に向かっているのは明らかで、F1用バッテリーの開発から得られることがたくさんあるからだと思う」

ネットの声

「90年代に初めて鈴鹿で生でF1観戦した時、その音圧の凄まじさに圧倒された。
当時は自然吸気の3.5リッターのV10エンジンが主流で、亜久里の乗る無限ホンダのアロウズの音が一番迫力があり、轟音が空気を切り裂き振動が内蔵まで伝わってくる感覚に感激して涙が出そうになった。
あの音は間違いなくF1の最大の魅力であったと思う。
フォーミュラEがこの先F1のように人気が出ることはないだろう。
なぜなら、「音」が決定的に足りないから。
F1でも当時の音の復活を期待したいが、ハイブリッドを廃止するのは難しいだろうね。
市販車にフィードバックできる技術でなければ自動車メーカーは参戦する意味を見いだせなくなるので。
自然吸気V8+ハイブリッドのような落とし所は見出せないだろうか。」

「V8~V12の時代は甲高いエンジンサウンドのためだけに観戦する価値があると言えました。それに同じ気筒数でもメーカーにより音質が異なり、そういった部分もF1の魅力だったと思います。
V6でも昔のターボ時代はいい音でしたけど、ハイブリッド時代のV6は何の魅力もない音で、音だけならスーパーGTの方が迫力があります。というか、F1の前座のポルシェカップよりF1の方が音が小さいのに失望して、F1の観戦はしなくなりました。カーボンニュートラルでV10ならF1の魅力が復活すると思います。」

「V8からV12まで選べた時は、ストレートを駆け抜けていく各エンジンの音がハッキリ違って楽しかったな。
フェラーリ(V12)の後にベネトン(V8)が抜けていくと明らかに違いがあったし。
ターボエンジンの野太い音も嫌いじゃないが、かん高いNA高回転エンジンの音も聞きたいぞ。」

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