【F1日本GP】レッドブルが角田裕毅に過酷なノルマ!?

レッドブルが角田裕毅に「できる限りフェルスタッペンに近い順位でフィニッシュせよ」の過酷なノルマを突きつける。

来季の残留条件はラップを0.3秒以内に留めること。

角田裕毅(24)が、エースドライバーのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)に「できる限り近い順位でフィニッシュをせよ」の過酷なノルマが課せられていることが1日、明らかになった。

特集を組んだ公共放送の『BBC』が報じたもの。

また来季残留の条件としてフェルスタッペンとのラップタイムを0.3秒以内に留めるという難題も突き付けられた。

角田はそれらのハードルをクリアすることができるのか。

「マックスを勝たせるように頼むとは限らないとも約束」

レッドブルは緊急昇格させた角田に何を求めているのか。

角田は特集を組んだ英『BBC』の取材に応じて、チームのクリスチャン・ホーナー代表から次のようなノルマを課せられたと明かした。

「パフォーマンス面では、彼(ホーナー代表)からはできる限りマックス(・フェルスタッペン)に近い順位でのフィニッシュを望まれている」

4年連続でドライバーズチャンピオンとなったフェルスタッペンは昨シーズン全24レースで1位が9回、2位が4回、3位が1回で、すべて6位以内の成績だ。

フェルスタッペンの順位に近づくのは簡単なノルマではない。

角田は「いくつかのレースでは、(チームの)戦略を手伝えると思うけど」と断りを入れながらこう続けた。

「彼(ホーナー代表)は同時に、もしも僕がマックスの前に出られるようなレース展開になったときには、必ずしもポジションを入れ替えて、マックスを勝たせるようにしてほしいと頼むとは限らない、とも約束してくれた」

最低限ポイント獲得を

角田によれば、3月27日にレッドブル昇格が決まってから、フェルスタッペンと会話をかわす機会はまだ得られていないという。

「それでも、僕たちの関係については心配していません。自分が何をしたいのか、そしておそらく彼がどのように運転し、どのように考えているのかをわかっているし、彼の立ち居振る舞いは、車の中と外では少し違っているからね」

リアム・ローソン(23、ニュージーランド)の降格に不満と抱いているとされるフェルスタッペンとの関係について、心配無用を強調した角田は、日本GPへの目標を改めてこう語った。

「もちろん表彰台と言いたいところだけど、限られたセッションで新しいマシンに飛び込む状況を考えれば、現実的にはかなり難しい。現時点では(トップ10に入って)ポイントを獲得できれば、満足できるかなと思っている」

そして同メディアによると、レッドブルは、角田が来シーズンも残留するための具体的な条件も示しているという。

「レッドブルがセカンドドライバーに対して最低限の期待値を寄せている事実は、角田裕毅に代わっても一貫して変わらない。それはフェルスタッペンに対するラップタイムを、常に0.3秒以内にとどめることだ。この数字こそが2026シーズンのシート争いで、レッドブルを納得させるために求められる。逆に角田がそれを達成できなければ、彼に投資する価値があると証明する可能性は低い」

ラップを0.3秒以内とは

レッドブルの若手ドライバー育成プログラムの責任者を務めるモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ氏が、英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』の取材に応え、「今シーズンが終わるまで、ユウキのシートは安泰だ」と発言。

わずか2レースでローソンを降格させたことで懸念された「角田も結果次第ですぐに交代するのでは?」という雑音を封じこめた。

だが、来季の続投の話となるとそれは別。

では、0.3秒以内というラップタイムは、どのようなノルマとなるのか。

F1の平均速度は時速230キロで、秒速に換算すれば約64メートル。

0.3秒では19メートルあまりの差がつく。5シーズン連続のドライバーズ王座を狙う絶対的な存在、フェルスタッペンに1周あたりでつけられる差をこれらの数字内にとどめながら、日本GPでは53周となる決勝をフィニッシュする展開を意味する。

開幕戦のオーストラリアGP決勝の最速ラップタイムを振り返れば、2位に入ったフェルスタッペンは1分23秒081だった。

セカンドドライバーのローソンは、フェルスタッペンを0.111秒上回りながらもクラッシュで途中リタイア。

姉妹チームのレーシングブルズから参戦し、12位に入った角田の最速ラップは1秒113差の1分24秒194だった。

第2戦の中国GPの最速ラップタイムは、4位のフェルスタッペンが1分35秒488。失格が続出して12位に繰り上がったローソンは0秒497差の1分35秒985であり、チーム側の戦略ミスなどもあって、完走した16台で16位に終わった角田は、0秒383差の1分35秒871だった。

あくまでも最速ラップタイムの比較となるが、それでもローソンは中国GPを終えた時点で今シーズンのマシン、RB21を乗りこなせていないと判断されてレーシングブルズへの降格。

代わりに緊急昇格した角田にとっても、RB21に適応する時間の少なさを考えれば、0.3秒差以内は、かなり高いハードルといわざるをえない。

不振を理由に昨シーズン限りで解任されたセルジオ・ペレス(35、メキシコ)を例にあげれば、0.3秒差以内という数字が意味するものがわかる。

ネットの声

「4人揃った時に角田くんからローソンに手を伸ばして2人握手してたのに少しほっこりしました。しかしRB16はどの角度から見ても美しい。地面に吸い付いてるみたいな走りだし、どっしり感が凄い。角田くんは狭いコースをほんと上手にマシン扱ってましたね。鈴鹿でも期待してます、本当に楽しみだ!」

「ハジャーは縁石にぶつけたり、ローソンは曲がり切れなかったり。そうした中、角田は初めてのコースを綺麗に走り切っていた。改めて角田の適応能力の早さの片りんを見た気がした。」

「今年の鈴鹿はコースが新しく舗装されてグリップが増して走りやすくなった。水はけのいい素材とイボ高舗装なので、鈴鹿を熟知している角田なら攻略できる。」

おすすめの記事