
『さよなら朝日』広告掲載を断念、柏書房がツイート 「通常の3.3倍の出稿料を提示された」
現役の朝日新聞記者、石川智也氏が書いた『さよなら朝日』の広告掲載をめぐり、版元の柏書房(東京都文京区)が、朝日新聞への広告掲載を断念した理由をツイートし、話題となっています。
通常の3.3倍の掲載料
3月31日、同社のツイッターアカウントによれば、本の広告を朝日新聞に掲載しようとしたところ、通常の3.3倍という高い出稿料を提示され、取り下げざるを得なかったというのです。
柏書房は
「通常であっても数十万円かかる広告料金です。その3.3倍ともなれば、小規模版元である弊社には到底負担し得ません」
として、朝日新聞への広告掲載を断念。
3月30日付「毎日新聞」、3月31日付「日本経済新聞」に掲載したのです。
また「朝日新聞にとって『リスク』なのだとすれば、金額の多寡によらず『拒否』すればよいと思います。もし弊社が『なら3.3倍払います』と言ったら、予定通り掲載されたのでしょうか」と疑問を投げかけたのです。
①石川智也著『さよなら朝日』の広告が30日付「毎日新聞」、31日付「日経新聞」に掲載されました。元は「朝日新聞」に掲載を希望していましたが「社内外において掲載リスクが高い」とのことで(代理店を通したメディアビジネス局の説明)通常料金の3.3倍の出稿料を提示され、取り下げるに至りました。 pic.twitter.com/ge5A3ZDdr1
— 柏書房 (@kashiwashobo) March 31, 2021
④ 通常であっても数十万円かかる広告料金です。その3.3倍ともなれば、小規模版元である弊社には到底負担し得ません。このような回答が弊社の営業部に来たとき、大いに戸惑いました。
— 柏書房 (@kashiwashobo) March 31, 2021
「『さよなら朝日』は朝日外部の人間が書いた暴露本ではない」
柏書房のツイートによれば、「本書の著作権は石川氏ではなく朝日新聞に帰属し、朝日新聞が用意した契約書を交わしています。つまり書題も同意済みです」という。また、次のように問題点を指摘しました。
「契約書には(朝日新聞が)内容に責任を持つこと、宣伝に出来る限り協力することとあります。この条項を我々はどのように捉えればいいのでしょうか。それ以上に遺憾なのは、朝日外部の人間が書いた暴露本などではなく、現役の朝日記者が『論座』に発表した論考を基に編んだ本であることです」
「自らの弱点を見つめ直すことからリベラルを再生しようという真面目な動機に基づいた本です(著者自身この程度の内容と書いています)。にも拘らず出版活動を萎縮させるような今回の対応は大いに疑問ですし、この対応は結果的に自社の記者の言論活動に対する圧力にもなり得るのではないでしょうか」
『さよなら朝日』は3月24日に刊行されました。
「改憲論争、沖縄の基地移転、脱原発……あらゆる局面で垂れ流された矛盾と欺瞞を、朝日記者が検証する」(紹介文より)作品で、発売前からメディア関係者を中心に話題となっています。
朝日新聞社のコメント
朝日新聞社広報部は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、
「著作権は当社にございます。また、個々の案件に関する料金等、お取引の内容については公表しておりません。なお、掲載拒否をした事実はございません」
と回答しています。
ネットの声
「朝日の旗印は、非武装中立、全面講和、日米同盟破棄、北朝鮮理想郷説、国連中心主義だった。これらはすべて間違いだったことが歴史的に証明されました。その他にも誤報の数々。「さよなら朝日」は全く正しいですね。」
「柏書房側の主張を聞く限り、朝日の対応には疑問しか生まれない。普段、他者に向かっては“説明責任”を声高に求める一方で、自身についての不可解な行動は「個々の案件に関する料金等、お取引の内容については公表しておりません。」という、“説明責任を果たしていない典型”のような回答をするというのはどういった了見なのだろうか。」
「お高く止まっているリベラル連中なんてこんなもの。驚くことは無い話だけど、メディアに双方向性が無かった時代に無理矢理自画自賛して築いたイメージに囚われてしまっている人もいるから、事実をきちんと知らせるのは大事。」
現役の朝日新聞記者が書いている本ですからね。掲載したくない理由もそこにあるのでは。
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