
プロゴルファーの選手歴は長く、50歳代の選手でも第一線でプレーしている人もいます。稼ぎもプロ野球選手とひけをとらない選手も少なくなく、プロゴルファーはおいしい仕事だと思う人も少なく亡いでしょう。ところがゴルファーの財布はすっからかんだとか??
男女のゴルフツアーは大盛況
「アース・モンダミンカップ」が終了し、第1回リランキングが実施された女子ツアー。リランキング対象選手となっているのは、獲得賞金1位で「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で初優勝を挙げた渋野日向子です。
15試合に出場して5,271万8,570円を獲得。今季は賞金ランキングでも3位につけています。
2位の河本結は16試合に出場。4,731万9,000円を獲得しています。3位のペ ソンウは13試合で3,819万6,666円。4位の吉本ひかるは16試合で3,079万1,333円。5位の宮里美香は13試合で2,848万2,666円。
以上の5人が開幕から4カ月で2,000万円以上の賞金を稼ぎ、来季の賞金シードをほぼ確定させたのです。
リランキング対象選手以外となると、さらに多くの賞金を稼いでいる選手がいます。
「アース・モンダミンカップ」で今季3勝目を挙げた申ジエは、高額賞金3,600万円を加算し、8,980万7,332円で賞金ランキング1位に浮上。2位の鈴木愛も今季3勝を挙げていて、6,420万1,999円で続いているのです。
女子ツアーはこのところ活況が続いていて、賞金ランキング上位選手は年間獲得賞金1億円を超える選手も少なくありません。
2018年は1位のアン ソンジュ(1億8,078万4,885円)、2位の申ジエ(1億6,532万5,295円)、3位の鈴木愛(1億4,023万4,839円)、4位の比嘉真美子(1億996万9,185円)、5位の成田美寿々(1億627万8,614円)が獲得賞金1億円を超えました。
男子ツアーは女子ツアーの人気に押されていますが、それでも昨年1位の今平周吾(1億3,911万9,332円)と2位のショーン・ノリス(1億394万2,450円)が年間獲得賞金1億円を超えています。
プロ野球選手やプロサッカー選手と単純比較はできない
プロゴルファーの1億円というのは、他のプロスポーツの選手の1億円と単純比較はできないという声がよく聞かれます。確かにプロゴルファーの稼ぎは賞金獲得数で決まるので、プロ野球選手やプロサッカー選手の年俸とは意味合いが違うのは理解できるのです。
また、それ以上に大きな問題があるのです。
というのが、プロゴルファーになってツアーに参加できるようになった選手がまず驚くことがあるのです。それはツアーに出場するためにかかる経費の多さです。
今週土曜日の密着企画は「女子プロゴルファー・松田鈴英(れい)」プロテストを見事トップ合格しツアーの参戦資格を獲得した彼女には悩みが。それはプロゴルファーは個人事業主のため、移動費などの莫大な経費は自己負担という厳しい現実。そこで父は愛娘の夢を応援するためある過酷な決断をした。 pic.twitter.com/nrv3hJGi5S
— SPORTSウォッチャー (@TVTOKYO_sports) 2017年12月20日
野球やサッカーなどのチームスポーツであれば、試合開催地までの遠征費などはチームが負担します。いっぽうのプロゴルファーについてはすべて自己負担となるのです。
北海道から沖縄まで、自分たちで飛行機や新幹線のチケットを手配して移動しなければなりません。また、キャディにサポートを依頼するときは、キャディの遠征費も当然ですが、選手の負担となります。
ツアーキャディとの契約は1試合10万円となっていて、遠征費や宿泊代もすべて込みというのが一般的です。そして選手がツアーで優勝すると賞金の10%、トップ5では賞金の5%、トップ10では賞金の3%といった、インセンティブ契約を結んでいるケースが多いのです。
持ち出しが多く取り戻すのはツアーで稼ぐしかない…
経費を節約するために、ゴルファーの泊まるホテルは一流どころではなく、一般客が泊まるようなビジネスホテルが多いのも特徴です。中には、「知名度もあり、あんなに稼いでいるプロゴルファーがあんな安いホテルに泊まっていた…」なんていうことは日常的な光景なのです。
また、意外と知られていないのですが、ツアーに参加するにもお金を払わなければならず、練習ラウンドにもお金が必要です。そのため、何をするにもお金を払わなければならないゴルファーに取って、ツアーで賞金を稼がなければ持ち出しだけが多くなって、財布はすっからかんになってしまうのです。
【スポーツ×ビジネス 記者コラム】プロゴルファーはやりくり大変 負ければ収入ゼロで経費持ち出しhttps://t.co/thd5FOW4Pi pic.twitter.com/MSap8EiZrA
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) 2017年6月22日
ゴルファーが1試合に出場するのに20万円から30万円の経費がかかるとされています。勝てなければそれがそのまま赤字になるということです。
女子ツアーで年間39試合、男子ツアーで年間24試合あるので、女子選手の場合、全ツアーに出場した場合、経費だけで、780万円から1,170万円の経費がかかることになるのです。
ですから、プロゴルファーは決して楽なスポーツではなく、稼いでいる選手は一握りということを考えると、多くの選手は金銭的にもぎりぎりの状態でツアーに参加しているということです。
もちろん、稼ぐ選手にはスポンサーが付いてくれるのですが、これももちろん一握りの勝てる選手のみなのです。
ネットの反応
「飛行機や新幹線を使える選手はまだ良い方だと思う。収入が少ない選手はワンボックスカーで何百キロも車で移動って聞いたことある。」
「ゴルフする為に借金してるプロが大半です。日本ではプロゴルファーは夢は無いと思います。」
「女子プロの場合、サイクルが早くなって20代後半ではもう活躍できなくなる。」
プロゴルフの世界は、お金を稼げる選手は強烈に稼ぐ印象です。いっぽうで、、お金を稼げない選手はツアーからの撤退を余儀なくされる…。そんな厳しい世界なのです。