他県民はビックリ!? 自分勝手が多い都道府県は? ご当地交通ルールが存在する理由

クルマを運転する場合「道路交通法」を守ることは大前提。

しかし、実際には日本各地に「ご当地ルール」と呼ばれる地域独特のローカルルールがあるのです。

なかには一般的に交通違反とされるようなものも…。

有名な「ご当地ルール」

新聞の報道によれば、

  • 長野県の「松本走り」
  • 茨城県の「茨城ダッシュ」
  • 山梨県の「山梨ルール」
  • 愛媛県の「伊代の早曲がり」
  • 愛知県の「名古屋走り」

以上のご当地ルールの存在が報告されています。

なかでも松本市では、2018年に「松本走り」に当てはまる右折時の交通事故が、松本市内で78件発生。

事故にも繋がるご当地ルールには、どのようなものがあるのでしょうか。

松本走り

松本走りは、左折する対向車に合わせるように右折するほか、ウインカーを出さずに進路変更をすることだといわれています。

「対向車に合わせて右折するだけなら問題ないのでは」と思われるかもしれませんが、左折する対向車と同時に右折をすると、直進してくるクルマやバイクと事故を起こす危険があります。

道路交通法第37条では、

「交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない」

と定められています。

よって、松本走りは明確な違反行為となるため注意が必要。

もちろん、ウインカーを出さずに進路変更を行うのは、道路交通法第53条に違反する行為です。

場合によっては、周囲のクルマを巻き込んだ事故に繋がるため大変危険です。

一方で「松本走り」が発生したことには、松本市ならではの事情もあるようです。

松本市は、もともと城下町として栄えてきた経緯があり、松本城を中心とした市街地には狭い道路や信号機が多いため、渋滞が発生します。

そのため、強引な右折が横行したともいわれています。

茨城ダッシュ

茨城ダッシュは、青信号に変わった瞬間、先頭のクルマが対向車よりも早く強引に右折をする行為だとされています。

これは「松本走り」と同様に、右折車と直進車が衝突する「右直事故」と呼ばれる事故の発生原因となるので、大変危険な行為といえます。

全国交通事故弁護士団によれば、右直事故は、交通事故の類型のなかでも、バイクが直進している場合の発生件数がことさら多くなっているといいます。

クルマの左をすり抜けて直進してくるバイクや、クルマの隣で停止しているバイクは、対向車の死角であるため発見できません。

そのため、青信号と共に交差点に進入したバイクと、「茨城ダッシュ」したクルマが衝突し、右直事故に至るケースが少なくないようです。

松本走りよりも、より過激になりました。

山梨ルール

山梨ルールは、

「対向車線の直進車のスキをついて強引に右折する」
「右折待ちのクルマを優先的に右折させる」


などの行為だとされています。

「右折するクルマを思いやる」とも感じられるルールとも言えますが、もちろんこのようなルールを知らない人も存在します。

そのため、ご当地ルールを「知っている人」と「知らない人」が交差点で衝突する事故が続発したようです。

山梨ルールに馴染みのある運転手のなかには、右折時に減速をしないで右折する人もいるといわれています。

山梨ルールには、信号機が設置されていない横断歩道で、右折や直進時に歩行者を無視するというものもあるようです。

横断歩道は、道路交通法第38条で歩行者優先と定められています。

「クルマは急に止まれないからしょうがない」

と思われるかもしれませんが、同法では、「停止することができるような速度で進行しなければならない」と定められています。

警察庁でも、交通局より「横断歩道は歩行者優先」というアナウンスを出しているように、横断歩道で歩行者を無視する山梨ルールは、違反行為といえます。

また、警察庁によれば、2014年から2019年までの5年間で、クルマと歩行者が衝突した交通死亡事故は6275件発生しています。

そのうち4599件が歩行者横断中の事故であり、横断歩道での事故は1439件とされているのです。

伊予の早曲がり

伊予の早曲がりは、「茨城ダッシュ」よりもさらに早く右折をする行為とされるようです。

信号が赤信号でも、じわじわと交差点に進入し、青になる直前や、青になった瞬間に右折を行い、対向車が動き出す前に右折してしまうもので、大変危険です。

また、同じ四国の徳島県にも「阿波の黄走り」というご当地ルールがあるようです。

これは、「信号が黄色になったら、アクセルを踏んで信号を渡りきってしまう」というもので、速度超過や信号無視はもちろん、衝突事故が起こった際に大けがに繋がる危険もあります。

名古屋走り

全国的にもっとも知名度のあるご当地ルールともいえる名古屋走り。

信号無視、車線変更禁止場所での車線変更、強引な割り込みなどさまざま行為をいい、愛知県名古屋市や近隣の自治体に見られるようです。

テレビや新聞などのメディアでも大々的に報じられることが多く、愛知県の交通事故件数の多さに関連付けられることが少なくありません。

警察庁によれば、2003年から2018年にかけて愛知県の交通事故死亡者数は全国でもっとも多かったとされています。

「信号無視」「スピード超過」「車線をまたいでの走行」を実際に目撃した人もおり、事故につながる運転は少なくありません。

なかには、クルマ1台分の車間距離があいていれば、強引に割り込んでくるものもあるようです。

「名古屋走り」は「強引な運転の代名詞」といえるのかもしれません。

まだまだ他にも…

地域によって呼び方はさまざまですが、ご当地ルールには共通する点も多くあります。

「松本走り」「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」は、どれも強引な右折という点が共通。

「名古屋走り」「阿波の黄走り」は共に信号無視を指しています。

岡山県では、車線変更や右左折時にウィンカーを出さない「岡山ルール」なるものも存在しているとのことです。

そのため、岡山県の道路にウィンカーを促す「★合図」と緑色で書かれた、路面標示が設置されているほどです。

名前の付いているご当地ルールがあるように、「名前がないご当地ルール」というものも存在します。

全国各地に点在する「ご当地交通ルール」。

とくに右折方法には独自ルールが多いのが特徴。

北海道から東京へ上京してきた会社員の男性は、北海道で見られたご当地ルールについて、以下のように話しています。

「高速道路で追い越し車線を走っている際に、後ろから来た車が右ウィンカーを出しっぱなしにして近づいてくることがあります。これは『煽っている』わけではなくて、『自分は追い越し車線を走りたいだけ』という意思表示らしいのです」

また、茨城県で会社員として働く男性は、茨城県のご当地ルールについて以下のように話します。

「夜中だと、信号に間に合うか間に合わないかという微妙なタイミングの際に、ヘッドライトを消して加速するクルマが時々います。自分も最初はどうしてそんなことをするのかわからなかったのですが、知っている人に聞いたら『信号無視対策』でした。茨城は関東平野なので、広くて、高低差がなく、見通しが良いところも多いのです。なので、夜だと遠くからでも『あの信号は赤だ』とか、『いま信号無視したよな?』というのが見えるのですよね。それを避けるためなのだと思います」

ご当地ルールには、相手への思いやりから発生したものもあれば、そうではないものもあります。

道路交通法の枠の外にある独自のルールは、互いに理解している人にとっては便利なものです。

しかし、それを知らない人にとっては危険なルールにもなってしまいます。

クルマで慣れない場所に行く際には、地域のルールを理解することで身を守れるかもしれません。

ネットの声

「長距離トラックドライバーです。地域によって運転が荒いとかは多少感じますが、ご当地ルールはは感じたことないですね。どこに行っても全部の行為を見かけます。この記事を見て「そんなのあるんだ」程度です。」

「若い頃、泉州で暮らしていたので少々の運転では驚きません。(昔は和泉ナンバーというだけで、みな寄って来ませんでしたから)ただ、信号無視やらウィンカーを出さないなどの危険行為を「ルール」と名付けるような捻じ曲がった根性のヤツはあまり見かけませんでしたねえ。」

「どれも違反なんだからさっさと取り締まってほしい。そもそも○○走りとか名前を付けるからいけない気がする。そんなことに名前付けてないで安全運転しろって思う。」

右左折時にウィンカーを出さないのは明らかに交通違反ですけどね。

おすすめの記事