グリーンランド首相、デンマークからの独立の必要性強調
デンマーク自治領グリーンランドのエーエデ自治政府首相は新年の演説で、デンマークからの独立を目指す意向を強調し、従来の姿勢を大きく転換した。
グリーンランド首相、デンマークからの独立の必要性強調。
目次
決して売らない
トランプ次期米大統領は昨年末、グリーンランドを購入することへの関心を再度表明し、エーエデ首相は「売り物ではなく、決して売らない」と拒否した経緯がある。
エーエデ氏は今回の演説ではトランプ氏に言及しなかった。
エーエデ氏は演説で「われわれ自身で行動を起こし、われわれの未来を形作っていくべき時だ。だれと緊密に協力するか、だれがわれわれの貿易相手なのかに関してもそうだ」と述べ、他国との協力を強化したい意向も示した。
トランプ大統領が繰り返しグリーンランドを購入しようとしたことを受け、グリーンランドがデンマークからの独立を求める動きが加速しています。ゴミメディアはトランプのいつもの妄言だと言ってますが事実は異なります。… pic.twitter.com/0iWirH3Uff
— トッポ (@w2skwn3) January 6, 2025
独立への機運も
デンマーク当局が1960年代にグリーンランドで強制産児制限を行うなど、20世紀に非道な行為を行っていた実態が明るみに出たことなどから、グリーンランドでは近年、独立の機運が高まっている。
グリーンランドは1953年までデンマークの植民地で、現在は自治領。
2009年に、投票を通じて独立を主張できる権利を獲得し、23年には自治政府が初めて作成した憲法草案を公表している。
「デンマーク国王、グリーンランドをめぐるトランプとのスキャンダルで500年前の紋章を変更」: コペンハーゲンは米国に島を売りたくないことを明確に示した
「🇩🇰国王は、グリーンランドとフェロー諸島を強調するために王室の紋章を変更した。 pic.twitter.com/3QxUpW6muj
— Miki (@AmbraBeni) January 7, 2025
住民の過半数が独立を支持
エーエデ首相は「歴史と現在の環境は、われわれのデンマーク王国への協力が完全な平等の創出につながらなかったことを示している」と指摘。
諸外国との協力に障害があるのは「植民地主義の手かせ」だとし、その障害を取り除くべく行動を起こす必要性を訴えた。
独立の是非を決めるのはグリーンランドの人々だとも述べたが、投票の時期には言及しなかった。
グリーンランド住民5万7000人の過半数が独立を支持しているが、独立の時期と、独立が生活水準に及ぼす影響を巡っては意見が分かれている。
トランプ大統領がグリーンランドを買いたいと主張する中、デンマークは王室の紋章を変更した。
グリーンランドとフェロー諸島の紋章であるホッキョクグマと雄羊がより強調されるようになった。 https://t.co/W2gqjwKnoI
— miru (@miru_DD101) January 7, 2025
ネットの声
「その可能性は有るんだろうね。
必ず歴史的な背景で、旧宗主国からの従属的な関係から抜け出したいと、デンマーク系の人口の割合が少ないなら可能性はある。
自然の流れだろが、やはり心配なのは、アメリカや西欧との交流以上に中国やロシア系の資本が金に糸目を付けずに浸透して来る可能性も高い。
中国は必ず莫大な資金を投資しようと考えるだろうし、必ず中国の政府や軍部の影響力も隠されている。
最初は中国系の観光客を増やし、ホテルや港湾施設や飛行路線を増やす事から始めるのは中国のやり方。
そうなると必ず親中の政治家がでて来てNATOに脅威になる。
それがパターン化している。」「独立と言えばかっこ良いが人口が6万弱では、独立のコストは大きい。アメリカや中国等に簡単に乗っ取られてしまう。デンマークの独立州に収まっていた方が無難だと思うがね。」
「グリーンランドってアイスランドやカナダの方が近いんですけどデンマーク領なんですよね。まあそれはそれとして、自治政府もデンマーク政府も互いに退かないでしょうね。豊富な石油や天然ガス資源がありますから。トランプ氏もそこに目をつけたんでしょう。」