配偶者が亡くなったときの手続きは…ひとり老後のための7つのNG

夫が死んだときの手続き…女ひとりの老後のための7つのNGとは

今年7月に厚生労働省が発表したデータでは、女性の平均寿命は87.45才。

一方の男性は81.41才と、女性は男性より6年も長生きします。

いつか夫に先立たれたとき、ひとりの生活を少しでも楽しく、後悔のないように過ごしたいもの。

幸せなひとりぐらしのためにしておくべきこと、女ひとりの老後にやってはいけないこととは…。

ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞きました。

1.夫の死亡届は7日以内、年金の支給停止手続きを忘れてはいけない

最愛の夫を亡くしたら、葬儀が終わるまで、悲しみに暮れる間もないほど忙しいものです。

病院で亡くなった場合は、病院側が用意した文書に必要事項を記入すればいいのですが、

それ以外の場合は、妻であるあなたや遺族が死亡届と死亡診断書を用意して、市区町村に届け出なければなりません。

期限は死亡の事実を知ってから7日以内。

また、すでに年金を受給している場合、支給停止の手続きをとる必要があります。

これを忘れると、夫の年金を不正受給することになるのです。

2.遺族年金の申請を忘れてはいけない

「支給停止の手続きが遅れて年金をもらい続けると、発覚したら一括で全額を返納しなければならなくなります。それと併せて、夫の死後にもらえる遺族年金の申請も忘れないようにしてください」

遺族年金は、自分で届け出をしないと受け取れないものばかり。

「夫が受け取るはずだった『未支給年金』は、死亡届の提出と同時に申請することで、1~3か月分を受け取れます。
また、夫が厚生年金受給者だった場合、年金事務所に申請して、『遺族年金』を受け取ることができます。夫の厚生年金の4分の3程度で、収入などの諸条件によりますが、自分の年金に毎月約5万円程度が加算されるイメージです。夫が国民年金加入者なら、12万~32万円までの『死亡一時金』が受け取れます」(風呂内さん・以下同)

3.保険証の返却を忘れてはいけない

ひとりになったときの手続きは、夫の死亡届の提出だけではありません。

健康保険や介護保険は、死亡届の提出で自動的に権利が喪失されるが、保険証は死亡から14日以内に市区町村に返却しなければならないのです。

「保険証の返却は、意外と忘れがちです。保険証を返すと葬儀代や埋葬費などに充てられるよう、5万~7万円程度の『葬祭費』などが出ます」

葬祭費は、亡くなってから2年を過ぎると受け取ることができないので、忘れずに請求しましょう。

4.クレジットカードは安易に解約してはいけない

高齢者は、クレジットカードの審査に通りにくい場合があります。

特に年金受給者となると、「収入が安定しない」と見なされやすいのです。

「年会費がもったいないからといって、若い頃に作ったステータスの高いカードを解約したら、もう一度カードが欲しいと思っても作ることができない場合があります」

新型コロナ感染予防の観点からも、レジでいちいちお金を数えて支払いをするのは避けたいもの。

クレジットカードは少なくとも1枚は手元に残しておきたいものです。

5.生前贈与は面倒なだけ…9割の人が相続税とは無縁

「子供に財産を残したい」と思ったとき、気になるのは相続税の問題。

年間110万円までなら贈与税が非課税になるため、財産を小分けにして毎年子供の口座に振り込むなど、

「生前贈与」を選んでいる人も少なくありません。

しかし、わざわざ手間をかける必要はないかもしれないのです。

「相続税の基礎控除額は『3000万円+(600万円×法定相続人の数)』。たとえば、妻と子供2人で相続する場合は、遺産が4800万円までなら、相続税がかかりません。また、来年3月末までは、手続きすれば直系の子や孫の結婚や子育てに関する費用を1000万円までなら贈与税非課税で一括で渡すことができます」

事実、2019年の実績では、相続税が課税された人は全体の8.5%。

9割以上の人は、相続税とは無縁なのです。

6.子供に金銭的援助をすると後で困るのは自分

「次男は東京の大きな企業で働いていますが、長男は零細ブラック企業勤め。かわいそうで、定期的に援助していたのですが、それを知った次男が“おれだってラクな暮らしをしているわけじゃない”と怒ってしまって。以来、兄弟仲がよくないみたいなんです」

― 親心のはずが、トラブルを招くことも少なくないのです。

そもそも、まだまだ働ける子供世代に、金銭的援助をすると、あとで自分が困るおそれもあります。

「老後は意外とお金がかかるもの。子供に援助する習慣ができてしまうと、いざ自分が入院やけがでお金が必要になったときに困窮することもあります。また、わが子とはいえ、いつもお金を渡していると、身の回りの世話などで頼りたいときに、見返りを求められることもある。いざというときに残しておいた方がいいでしょう」

大人になったわが子への援助は“お小遣い”程度にとどめるようにしましょう。

7.投資に手を出しても挽回できない

悠々自適なひとり暮らしに、充分なお金は不可欠。

もらえるお金はしっかりもらって、援助を控えても、不安はなかなか解消されません。

しかし、だからといって、老後になってから株などに投資して積極的に増やそうというのは避けるべき。

「株や投資信託にリスクはつきもの。若ければ失敗してもまた稼ぐことができますが、後がない状況で手を出すべきではありません。新たに証券口座や資産を把握する必要も出てくるので、もしそのまま亡くなったら、子供の知らないところに資産がばらけて、ずっと見つからない可能性さえあります」

投資は、「10年以上使わない予算」「いまあるお金で90才までは暮らせる」など、余剰資金がある人だけに許されるものだと心得ましょう。

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