ライセンス無期限停止処分が解けたボクシング元WBC世界フライ級王者比嘉大吾(24=白井・具志堅スポーツ)が2020年2月13日、東京・後楽園ホールで復帰戦に臨むことが12月19日発表されました。

ノンタイトル戦

スーパーバンタム級のウエートとなる119ポンド(約53・9キロ)契約体重のノンタイトル戦です。

対戦相手は未定。

所属ジムを通じて比嘉は

「約2年ぶりの試合が決まりました。応援してくださっている方、お世話になった方のためにも、今自分にできるすべてを出して頑張ります!」

とコメントしています。

比嘉は3度目の防衛戦となった2018年4月の前日計量で、国内世界戦としては日本人初の体重超過を喫しました。

と同時に王座剥奪となったのです。

日本ボクシングコミッション(JBC)からライセンス無期限停止処分を受けた際、1階級以上の転級、定期的なコンディション管理報告の義務づけなど解除条件が提示されました。

それから1年以上が経過。

今年9月27日、具志堅用高会長とともにJBCを訪れて処分解除を申請。

10月にライセンス復帰が発表されていました。

ボクサーの減量は過酷

世界フライ級チャンピオンだった比嘉大吾選手。

同時に計量失敗のニュースで焦点が当たるボクサーの「減量」…。

ボクサーは試合数週間前から食事制限を行い、水分までも絞って体重を落としていきます。

ボクシングは階級制のスポーツ。

全部で17階級あり、基本的に、それぞれの階級に合わせた体重で試合を行います。

その試合に合わせるために、体重を落とすことが「減量」と言えます。

現在の計量は、試合の前日に行われ、試合当日には、体重が大きく増えている選手もいます。

漫画の「明日のジョー」や「はじめの一歩」などのボクシング漫画で描かれるような減量は過酷ですが、決して現実とかけ離れたものではありません。

サウナスーツを着込み、水を飲むことを我慢しながら練習をして脱水症状が出てしまうほどの過酷な減量を行っているも選手もいます。

試合の計量が終われば、「試合の半分が終わった」と言われるほど減量は重要なのです。

ボクシング階級表

減量は体格を活かし試合に集中するため

なぜボクサーは減量をせずに今の体重に合った階級で試合をしないのでしょうか。

これは多くの人が持つ疑問です。

そこで、メキシコでタイトルマッチを行った三迫ジム所属の元日本スーパーフライ級チャンピオン戸部洋平選手。

輪島ジムの会長であり、元世界スーパーウェルター級チャンピオンの輪島功一氏の声があります。

戸部洋平選手
--どのくらい減量しますか?
普段が63キロほどあるので10キロ以上行います。
※スーパーフライ級は52.16キロ

--減量はどのように行っていますか?
一か月前から食事の量を減らし、脂質を減らすなど食事の内容にも気を付けます。
また、一日に20キロ以上走り、体脂肪を落とすために普段より運動量も増やしていき、計量の二日前ぐらいから6キロぐらいの水抜きをします。

ーー水抜きはどのように行うのですか?
メキシコでの試合ではジムで暖房をつけてもらい、サウナスーツを着て動きながら汗を出しました。その後は唾を出したりしながら体の水分を抜いていきます。アフリカで試合したときは前日の唾出しで1キロぐらい出しました。

ーー聞くからに過酷ですが、なぜ行うのですか?
僕はプロデビューからスーパーフライ級ですが、自分のパワーと体格が生かせる階級だと思っています。階級を上げてしまうとパワー負けしてしまいます。あとは、減量することで試合が近づいていると実感でき、試合に集中できるというプラスの面もあります。

元世界スーパーウェルター級チャンピオン 輪島ジム会長

--輪島さんが現役の時、どのように減量していましたか?

87キロ以上あったから食事をほとんどせずに練習して、水分も節制するから最後の一キロは唾も出なくて大変だった。
※スーパーウェルター級は69.85キロ

--なぜ減量を行うのですか?
はっきり言って減量しなくていい階級が選手にはある。でも、それでは勝つ可能性が低いから減量をするわけ。ボクシングは減量があるということで大変だと思われるかもしれないけど、しなくてもいいわけ。食事も好きなもの食べてもいい。でも、勝つ可能性を上げるために減量をする。だから、減量、減量言うなと。

なかなか皆は言わないけれど、減量っていうのは自分よりも小さい相手、やりやすい相手と戦うためにするもの。だから減量がつらいとかは言い訳になるから言うなと。自分が勝つために、僕はリーチがなかったから戦える相手とやるために減量した。減量というのは勝つためにやるもの。

減量の目的は勝つため

今回二人の日本、世界チャンピオンの話を聞く中で共通しているのは、自分が勝てる階級で試合をするために体重を落とすこと。

それが「減量」であるということです。

戸部選手は、自分の体格を活かし、輪島氏は、リーチの差を克服するために「減量」を行いました。

「減量」のつらさがクローズアップされますが、「減量」は勝つための手段であり、つらさ、過酷さを表明することは、負けた時の言い訳にしかならないという言葉が印象に強く残ります。

変わり始めている「減量」

「計量失敗」はボクシングでは、世界戦だけではなく日本ボクシングの試合でも「計量失敗」が多発し、大きな問題となっています。

「計量失敗」は、階級制のスポーツとしてあってはならないこと。

この問題に、日本ボクシング協会も動き始め、前日計量に合わせて、当日計量においても体重の増加を管理し、無理な減量をさせるのではなく、適正な階級を定めていくよう協議しているところです。

これからのボクシングは、今までのボクシングにあった「過酷な減量し、試合に臨む」のではなく、「選手自身のベストな体重で試合に臨む」という本来のあるべき形に変わり始めています。

「減量」は、選手がベストパフォーマンスで試合に臨むための手段であり、そのことをボクサーも観ている観客も理解しなければなりません。

ネットの反応

「魅力的な日本人ボクサーの1人です。ですが3階級アップとなると今まで通りにはいかないこともあるでしょう。復帰戦、注目したい。」

「パッキャオも減量苦で体重落とせず負けた事あるし、ネリなんて何の罰も受けてないのに等しかった。比嘉選手は反省されてると思うが、今度は周りが無理を言わずキチンと選手を見て選手に選択肢を与えてほしい。あれだけ本人が無理だと言い続けたのに、セコンド陣が無視した結果が最悪の事態を招いた。しかも二ヶ月おきに試合を組ませようとしてたし、ちゃんと選手の管理を行い無茶なスケジュール管理をしないでもらいたい。」

「体重さえクリアーしていれば間違いなく今でもチャンピオンだった。実力はあるんだからノンタイトル戦であってもタイトル戦のつもりで1Rから全てをぶっつけて闘って欲しい。」

「お願いです。もう無理です。」と訴えたのに試合を強行された理不尽が忘れられません…。

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