北極に生息する生き物の中でも特に有名なのが「ホッキョクグマ」ですが、南極に「ナンキョクグマ」はいません。
南極にクマが存在しない理由について、ホッキョクグマを40年近く研究し続けてきたアンドリュー・デロシェ教授が解説しています。
目次
ホッキョクグマの生態
ホッキョクグマはアラスカ・カナダ・グリーンランド・ノルウェー・ロシアなどの北極圏に広く分布するクマで、その毛皮はマイナス30度を下回るような極寒に最適化されています。
主食とするのはワモンアザラシやアゴヒゲアザラシなどのアザラシ科で、一生の大半を氷上で過ごします。
お母さ?んあたし上がれない。大きな大きな声で鳴く赤ちゃん。ピリカお母さんもどうしたら良いのか悩み中。最後まで様子見れず??
無事お母さんと屋内に帰宅出来てますように。#ホッキョクグマ #旭山動物園#polarbear pic.twitter.com/GnYxJLOUtL— ヨッシー (@yoshi_s05) April 29, 2022
そもそも南半球にクマがいない
以上のような生態を考えると、ホッキョクグマが生きるために必要な要素は「低気温」「流氷」「アザラシ」となりますが、これらは全て南極大陸にも存在します。
しかしながら南極大陸にはクマ科の生物は生息していません。
この点について、カナダ・アルバータ大学生物科学科のデロシェ教授は「南米に生息するメガネグマを除けば、クマは南半球に生息していません」と説明します。
デロシェ教授によるとクマがほぼ南半球にいないのは単なる偶然とのことですが、南極大陸にクマがいないのはどんなに海が凍っても南極大陸が他の大陸と氷でつながったことがないからだそうです。
飼育員さん用のドアに夢中になる赤ちゃんを、ピリカお母さんも不思議そうに見てました。 pic.twitter.com/hU7U0woXHR
— riku (@rikunow) April 30, 2022
ホッキョクグマにとって南極は楽園かも
「もしホッキョクグマが南極に行ったら生き残ることはできるのでしょうか?」という質問に対して、デロシェ教授は「むしろ楽しくやっていけるでしょうね」と回答。
南極大陸はホッキョクグマがよくエサとするアザラシやペンギンが豊富な上に、アザラシやペンギンにとっての捕食者が長らく存在しなかったことから、ホッキョクグマに対して警戒心が薄いと考えられるとのこと。
こうした状況から仮にホッキョクグマが南極に来たとしたら、南極はホッキョクグマにとって食べ放題のレストランのような状況で、むしろホッキョクグマに食べられすぎて生態系が崩壊するのではとデロシェ教授は語っています。
なお、ホッキョクグマは「世界最大の陸生動物」としばしば言われますが、実際にはほぼ一生を流氷の上で過ごし、陸地に上がるのは繁殖のタイミングのみであることから、「陸生」と言うには語弊があるとのことです。
おはようございます?? byピリカ&ピリ子
(20220429 旭山)#ホッキョクグマ #polarbear #旭山動物園 #asahiyamazoo pic.twitter.com/s4FgEWnNlb— moco (@1209moco) April 29, 2022
ネットの声
「クマがいなくて助かったペンギンたち。もしもいたらくまった事に..」
「そもそも南半球にほとんどクマがいないって事実に驚いた」
「そもそも南半球にクマはほとんどいないし、また陸地がつながったことがないためとのこと。ホッキョクグマを南極に放ったら食べ放題状態になるらしい」