『ホンダには脱帽だ』F1アストンマーティンと組むホンダには期待しかない!

新相棒に大きな期待。かつてメルセデスPU黄金時代築いた経験活かし陣営の効率化図る

2024年からアストンマーティンF1のチーム代表兼CEOを務めるアンディ・コーウェルは、来季からチームにパワーユニット(PU)のワークス供給を行なうホンダについて高い期待を示している。

2026年は次世代レギュレーション導入元年

コーウェル代表は2024年10月にアストンマーティンF1のCEOとして加入。今シーズン開幕を前に、チーム代表の責務もマイク・クラックから引き継ぐこととなった。

そのコーウェル代表は、2013年から2020年にかけてメルセデス・ハイパーフォーマンス・パワートレインズ(HPP)の主任を務めた人物。

F1にV6ターボエンジンにMGU-KとMGU-Hのハイブリッドシステムを組み合わせる現行PUが導入された2014年以降、メルセデスのタイトル連覇に貢献してきた。

そんなPUを知り尽くした男が率いるアストンマーティンは、2026年からホンダPUの供給を受けることになる。

来季は次世代レギュレーション導入元年となり、PUはV6ターボハイブリッドという構成こそ変わらないものの、高価かつ複雑なMGU-Hが廃止される一方で内燃エンジンと電動モーターの出力比率が50対50となる。

また100%持続可能燃料の使用が義務付けられる他、シャシーやタイヤも変更を受ける。

トップ5ではあるが…

新たな時代に幕開けまで1年を切り、2026年マシンの開発も進む中、PUの専門家としてホンダへの期待を訊かれたコーウェル代表は次のように答えた。

「ここ数年の優勝回数やタイトルの数を見れば、ホンダの能力は非常に高い。ホンダのパワートレインはここ数年、メルセデスのパワートレインよりも優勝回数が多い。彼らには脱帽だよ」

「私は彼らのファクトリーを訪れたことがある。彼らのグループには感心するばかりだ。野心や創造性、推進力、ユーモアのセンス、設備……とても、とても印象的だ。それはアラムコやバルボリンも同じだ」

またコーウェル代表は、メルセデスでの経験を活かし、イギリス・シルバーストンにあるアストンマーティンのファクトリーと、日本・栃木県さくら市にホンダが構えるPU開発拠点HRC Sakuraのチーム・エンジニア間の意思疎通の円滑化や効率化を図りたいと続けた。

「私は彼らが歩んできた道のりを分かっているし、彼らのやっていることに共感しサポートすることができる。シルバーストンのエンジニアとチームが、Sakuraのエンジニアやチームと手を取り合って仕事ができるように手助けすることができる」とコーウェル代表は言う。

「私はレースカーを作る環境について日々学んでいる。PUでの経験と相まって、チームを上手くまとめていくことができればと思っている。PUのエンジニアが『これはどうだ?』と言った時に、彼らの頭の中で何が起こっているのかを互いの立場から説明する」

「そして我々はひとつの集団として、本当に効率的なレーシングカーの創造を追い求めている。空力的に効率的で、PUも効率的……効率性を追求すれば、ストップウォッチに“よくやった”と表示される」

「我々はチームとして、組織として、あらゆる部門でそれを実践している」

アストンマーティンは2024年シーズンのF1でコンストラクターズランキング5位。

まだマクラーレン、フェラーリ、レッドブル、メルセデスといったトップ4チームとは大きな隔たりがある。

2026年に期待が高まる

しかしファクトリー新設やホンダPU供給、コーウェル代表の加入など、ローレンス・ストロール会長率いるアストンマーティンは基盤固めを続けている。

伝説的レーシングカーデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイの獲得もその一環だ。

そしてコーウェル代表は、2014年のメルセデスのように、2026年の大規模なレギュレーション変更を機に大きくランキングを駆け上がることも可能だとの考えを示した。

「レギュレーションが変わる時はいつも、他よりも上手くやるチャンスがある。リセットのようなモノだ」とコーウェル代表は言う。

「自然吸気から直噴ターボチャージャー付き、MGU-H、MGU-Kが機能していなければならない状況となった2013年から2014年にかけての、パワートレインにおけるレギュレーション変更はかなり劇的だった。機能していなければ話にならなかった」

「一方2025年から2026年にかけては、ターボラグ、より大きなバッテリー、より少ない燃料流量、より複雑なMGU-Hの廃止……燃料は大きなチャレンジになる。ただ、それほど劇的な変化だとは思えない。現在レースで使われているモノを適応させたモノだ。少し控えめな表現かもしれないがね」

「しかしPUやタイヤだけでなく、今回は空力レギュレーションの変更もあることが課題だと思う。全ての違いを合わせると、勢力図がもっと入れ替わる可能性がある」

ネットの声

「2026年の新レギュレーションに向けて最もチーム基盤をしっかり固めてきているのがアストンだと思う。一昨年よりホンダとの提携を固め、空力の鬼才ニューウェイを早くから獲得。コーウェルの口からもシャシーとPUの連携にしっかりとした意識が伝わることからしても物事が順調に進んでいる自信が窺える。後はドライバーさえしっかりすれば、新レギュレーションの台風の目になり得るかも。」

「なんでF1で活躍しているホンダが軽四とかミニバンとか大人しい車ばっかりつくってるのか不思議だ。F1ゆずりの何とかでスポーティーかつカッコ良さげな車を出せば売れそうだが。もったいない。」

「日本人はHONDAをもっと誇りに思うべき。TOYOTAなんて結果も残せず直ぐ撤退しちゃったのに…。」

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