HV用電池「40万台」供給へ…ホンダの決断に喝采!トヨタと組むのが最適解だと思う。」

ホンダ、トヨタとまさかの共闘!?

HV用電池「40万台」供給へ。

オールジャパンで反撃開始。

トランプ関税「7000億円の壁」を乗り越えられるか。

ホンダが米国市場向けハイブリッド車(HV)に必要な電池をトヨタ自動車から調達する方針を決定したと、日本経済新聞が2025年3月18日に報じた。

2025年度から年間40万台分の電池供給を確保し、トランプ関税のリスクを回避しながら、米国で伸び続けるHV需要を支える狙いがある。

ホンダ×トヨタ、HV電池提携

これまでホンダは、日本や中国のサプライヤーからHV用電池を輸入していた。

しかし、4月稼働を開始するトヨタのノースカロライナ電池工場から調達することで、安定的な電池供給を実現する。

トヨタからの電池調達は、企業の垣根を超えた“オールジャパン”として、グローバルなサプライチェーンの変化に対応する姿勢を示すものだ。

一方で、トランプ大統領による米国ファーストの政策にともなう。

「高関税の影響」を回避するため、ホンダとして苦渋の決断を下したともいえる。

ここでは、ホンダがトヨタからHV用電池を調達するに至った背景を掘り下げるとともに、オールジャパンでトランプ関税に立ち向かう日本の自動車産業の今後を考察する。

関税リスクと経営への影響

トランプ政権は、バイデン前政権が推進した電気自動車(EV)支援策の撤廃を示唆しており、HV需要のさらなる拡大が予測されている。

一方、米国政府は中国からの輸入品に対する追加関税を10%から20%に引き上げるとともに、メキシコやカナダからの輸入品にも25%の追加関税を適用し、日本車にも最大で25%の関税を課す方針を示している。

ホンダは、米国・カナダ・メキシコ間で25%の関税が適用された場合、年間の影響額を「約7000億円規模」と試算しており、トランプ関税への対応が喫緊の課題となっている。

日本に対してトランプ関税が発動されれば、完成車だけでなく自動車部品にも高関税が課されることになり、業界全体にとって大きな懸念材料となる。

特に、HV用電池のような重要コンポーネントに高関税が適用されれば、コスト競争力の大幅な低下は避けられない。

この状況を受け、ホンダはHV用電池の調達先を米国内へ移行せざるを得なくなり、トヨタのノースカロライナ電池工場からの調達を決定したとみられる。

米国市場のHV需要拡大

S&Pグローバル・モビリティによると、米国におけるHV販売台数は2024年比で2.5倍の412万台に達し、2030年には新車販売の約25%を占める見通しだ。

バイデン前政権のEV政策に対する不透明感に加え、EVの高価格や充電インフラ不足への懸念が根強く、HV市場の拡大は今後も続くと予測されている。

この状況下で、日本の自動車メーカーにとってHV戦略の強化は喫緊の課題となっている。

EV市場の成長には充電インフラの整備が不可欠だが、米国では特に地方での普及が遅れている。

さらに、電池に使用される原材料の供給不足や価格高騰といった問題も深刻で、EVの生産コストを抜本的に引き下げる見通しは立っていない。

一方、ガソリン車で培った技術を活用しながら環境負荷を低減できるHVは、コスト面でも利便性の面でも消費者にとって魅力的な選択肢となり、需要が拡大している。

トヨタは北米初となるノースカロライナ電池工場に約140億ドル(約2兆円)を投資し、2025年4月からHV用電池の供給を開始する。

2030年までに全ての生産ラインを立ち上げる計画だ。

トヨタが生産するHV用電池の供給先にホンダが加わることで、以下の2点を図る狙いがある。

・生産コストの分散
・規模の経済を活かしたコスト削減

一方、ホンダにとっては、米国内外の供給リスクを低減し、安定した電池調達を確保できるメリットがある。

ホンダとトヨタの連携は、さらなる電動化技術の進展につながる可能性がある。

トヨタは自社の電池技術を活用し、ホンダとともにHV市場を拡大させることで、競争優位性を確保しようとしている。

一方、ホンダにとっては、EV市場での競争を見据えつつ、短期的な利益確保のためにHV戦略を強化する狙いがある。

ホンダの戦略と今後の展望

2024年のホンダの米国市場におけるHV販売台数は30万8000台に達し、全販売台数の約22%を占める。

2025年度以降、ホンダはHV販売に必要なHV用電池を全量トヨタから調達する見通しだ。

さらに、2030年までにHVの世界販売を130万台(2024年比50%増)まで拡大する計画を掲げており、米国市場でのHV需要の拡大を取り込むことが、この目標達成のカギとなる。

一方、ホンダのEV戦略は見直しが進んでいる。

現在、GMと共同開発した「プロローグ」などのEVが主力だが、HV市場の拡大を受け、米国向けの電動車ラインナップを柔軟に調整する可能性がある。

また、カナダやメキシコの生産体制を見直し、米国での生産比率を増やすことで、トランプ関税のリスク回避を図る検討も進めている。

自動車メーカー各社も、トランプ関税リスクや市場環境の変化に対応するため、サプライチェーンの再構築を進めている。

GMは2025年1月からメキシコ工場で人員削減を実施し、生産を縮小。

ステランティスも、2026年からカナダ工場で予定していた電動車「ジープ・コンパス」の生産準備を一時停止するなど、対応を迫られている。

トランプ関税の影響を避けるため、今後も米国内での生産拡大が加速する可能性が高い。

また、テスラをはじめとするEV専業メーカーも、HV市場の動向を注視している。

市場環境の変化に応じてEV戦略を柔軟に見直す可能性があり、特にバッテリー技術の進展がHVとEVの競争環境を左右する要因となる。

各社の動向が今後の市場の行方を左右することになりそうだ。

オールジャパン連携、HV市場で攻勢

ホンダとトヨタの電池調達に関する今回の連携は、トランプ関税リスクを回避しつつ、HV市場の成長に対応する戦略的かつ俊敏な動きと捉えられる。

日本の自動車産業全体としても、米政権の政策にタイムリーに適応しながら、サプライチェーンの柔軟性を高め、オールジャパンとしての競争力を維持する方向に進んでいる。

マツダも3月18日に「ライトアセット戦略」を発表し、自動車用電池の自前調達方針を見直した。

協業などを活用することで7500億円規模の電池投資を半減する見通しを示しており、その一環として「長安汽車(中国)との共同開発車」の活用が挙げられている。

さらに、マツダの電池調達先としてトヨタが加わる可能性も十分に考えられる。

こうした自動車メーカー間の新たな協業が進むことで、北米市場における生産体制の変革が加速する可能性が高まっている。

ホンダとトヨタのように、かつてない連携が強化されることで、オールジャパンがこの難局をどう乗り越えていくのか、今後の動向が注目される。

ネットの声

「自動車産業の裾野は広く、400万人以上の人が携わり生計を立てている一大産業だ。企業間で切磋琢磨することで国際競争力は向上するが、これからの不確実な時代を迎え、国内企業同士の競争を超え、大きな塊を作り、人・モノ・カネを集約することが大事になって来たと思う。トヨタとホンダが主要部品で協力することで、日本の自動車産業の基礎体力が強くなってくれることを期待したい。」

「ホンダがトヨタから電池を仕入れれば、電池の規格が同グループのスバルとマツダとスズキとダイハツも同じになり、日産と三菱には申し訳ないが、オールジャパンと言っても過言ではない。日本国内ではEV車の電池が規格統一されたようなもので、生産コスト上やメンテナンス上では、メリットでしかない。逆に輸入車の電池の規格が国内と違えば、電池交換が高額になり、日本では売りにくくなるでしょうね。日本車の海外輸出は日本製の電池のアフターサービス強化で、販売に支障が無いようにしたいですね。EV車は電池が燃えないという事が、命ですから。」

「この流れは良いと思う。
フォルクスワーゲンもアウディ、ポルシェ等のドイツのプレミアムメーカーや欧州の大衆車メーカーを傘下にし、オールドイツ、オール欧州という感じだ。
トヨタアライアンスにホンダが加わることはないと思うけど、ホンダも協業する形となればお互いに心強いと思う。」

おすすめの記事