ホンダが満を持して投入したEV「Honda e」が残念な理由…。

ホンダが同社初となる量産電気自動車(EV)の「Honda e」を、2020年10月に日本で発売します。

世界初という5枚のスクリーンを水平に配置した「ワイドビジョンインストルメントパネル」や「OK、Honda!」と声をかけるとAIで質問に答える音声認識アプリ「Honda パーソナルアシスタント」といった「新機能」が盛りだくさん。

しかし、スペック面では今ひとつのモデルと言わざるを得ないのです。

高級EVに匹敵する高価格だが性能は…

最大の問題は451万円からという価格設定でしょう。

EVとしては法外な価格ではありません。

高級EVメーカー米テスラの入門車「モデル3」や独高級車メーカーBMWのEV「i3」との日本国内での価格差が、それぞれ60万円、48万円と、それほど大きくはないのです。

しかし、性能面では両車に後れを取るのは否めません。

とりわけ「モデル3」との格差は大きいといっていいでしょう。

「Honda e」の航続距離は「モデル3」の半分程度です。

バッテリー保護のためにスピードリミッターが働くとはいえ最高速度は100km/h以上も離され、定員も1人少ない…。

スペックは「惨敗」で、ブランドイメージも低いのです。

「Honda e」に451万円を出せるユーザーなら、よほど道が狭い場所を移動するのでない限り、あと60万円追加して「モデル3」を購入するでしょう。

先発の国産EVと比べても「Honda e」は分が悪い…。

日産自動車の「リーフ」は「Honda e」よりも128万3600円安いのですが、航続距離は逆に39km長く、定員も1人多いのです。

三菱自動車の軽EV「iMiEV」と比べれば「Honda e」のスペックは大きく上回るのですが、相手は11年前の2009年7月に発売した古いモデルだけに当然といえます。

しかも、「iMiEV」の価格は「Honda e」の約3分の2なのです。

車種名 Honda e テスラ モデル3 BMW i3 日産 リーフ 三菱 iMiEV
最低価格(税込) 451万円 511万円 499万円 332万6400円 300万3000円
航続距離(WLTC) 283km 530km 360km 322km 164km(JC08)
最高速度 145km/h 261km/h 150km/h 140km/h* 130km/h
定員 4人 5人 4人 5人 4人

高級車でも普及モデルでもなく

「Honda e」の価格が高くなったのは、国内販売目標が年間1000台と少ないためです。

一般に自動車生産で利益を出すには、年間20万台(月産約1万7000台)が必要といわれています。

これよりも少ない台数で採算をとろうとすれば、高級車へシフトするしかありません。

イタリアの「フェラーリ」や独「ポルシェ」などが、少ない生産台数で利益をあげているのは高級車メーカーだから。

テスラが1000万円を超える高級車「テスラ・ロードスター」からEVに参入したのも、当初は大量生産が見込めなかったからです。

つまり、ホンダが年間1000台程度の生産・販売しか見込めないのであれば、

価格が1000万円近くても高級スポーツカー「NSX」のEV版を投入した方が商業的に成功した可能性は高いといっていいでしょう。

反対に年間20万台の販売を実現して「EVのデファクトスタンダード(事実上の標準)」を奪い、世界最大のEVメーカーを目指すのであれば、

性能が「Honda e」より低くても車両価格を100万円前後に抑えるべきでした。

一言でいえば「Honda e」は高級志向でも普及志向でもないのです。

2020 Honda e

何を狙っているのか全く分からない「中途半端なモデル」に映ります。

中国では上海GM五菱汽車の「宏光MINI EV」が、航続距離120kmという低スペックにもかかわらず、

2万8800元(約44万円)という低価格で人気を集めています。

2020年7月24日の発売からわずか20日間で1万5000台を販売し、5万台の受注残を抱えているということです。

同社は「宏光MINI EV」の生産能力を、ガソリン車並みの年間24万台に引き上げる計画です。

価格設定は大切

「50万円以下のEVなど、おもちゃみたいなものだ」との評価もあります。

家庭用掃除ロボットとして普及している米iRobotの「ルンバ」も、第1世代の発売直後は大手家電メーカーから「ロボットとは名ばかりのおもちゃ」と酷評されました。

しかし、現在では酷評した大手家電メーカーが似たような製品を生産して追随する家庭用掃除ロボットの「業界標準」になっています。

EVでも同じことが起こらないとは言えないのです。

ネットの声

「ホンダeに期待してる人はいるんだろうけど…バッテリーの供給が間に合わないのにはパナソニック側の都合もあるよ。
生産台数増やしてと筆者のように言いたい人はいるだろうけども現状の生産台数以上を無理矢理販売しても納品待ちにどれだけの時間を費やすことになるの?それこそ信用がなくなっていくでしょ。」

「honda eの年間の国内の計画数は1,000台という。それだけに稀に見る珍しい存在となる。人によっては高額となるかもしれない。それでもどうしても乗りたいというならば、好みのボディカラーやタイプが選べるのも今だけとも言える。そのチャンスを逃さず欲しい入手したいという方々へはどうぞお早めに、という事だろう。」

「販売店への配車枠はディーラーの規模によって異なるらしく、弱小ディーラーでは年間数台しか入荷しないのでかなり入手困難なクルマになる可能性あります。メーカーに沢山注文入れても断られてしまうらしい。」

EV車はまだまだ価格が高いので、どこかが突破口を開くような価格破壊を起こしてほしいものです。

とはいってもバッテリーの価格次第ということでしょうか。

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