自前主義のホンダが日産を見限りGMを選んだ正しい理由

ホンダが自前主義から決別し、米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を決断しました。

ホンダをめぐっては、経済産業省が経営危機に陥った日産を救済するため同社に経営統合を要請したと一部で報じられていました。

ホンダ側は拒否したとされるのですが、GMとの本格提携はこの問題に対する同社の最終回答と解釈してよいでしょう。

EV化に対応

本田技研工業が9月3日に発表したGMとの戦略的な提携は、かなり本格的な内容で、

ガソリン車および電気自動車(EV)について、プラットフォームの共有化や部品の共同購入、さらにはサービス事業での協業なども検討されています。

資本提携は行わないとしていますが、ホンダの主戦場は北米市場であり、製品構成の点でもGMとは相互補完的であります。

今後の主力製品をGMと共同開発していくという現実を考えた場合、将来的な資本提携も視野に入っていると考えたほうが自然です。

自動車業界では100年に1度といわれるパラダイム・シフトが発生しており、近い将来、多くがEV化されるのはほぼ確実といわれています。

EVは基本的にコモディティ化された部品で構成されるので、

EV化が進むと自動車の価格が急落するとともに、産業構造そのものが変化すると予想されています。

メーカーは薄利多売を余儀なくされ、最終的にはシェア上位の会社しか生き残れないというのが業界の一致した見方といってよいでしょう。

中堅メーカーにすぎないホンダにとって、規模のメリットが追求できないことは死活問題となりつつあるのです。

過去にも国主導の業界再編に反発

規模が小さいという問題は、ルノーとの経営統合が事実上、頓挫した日産にとっても同じで、

業績悪化が著しい同社については経済産業省が水面下で救済に動いていたとされています。

しかし、ホンダが日産と経営統合した場合、共倒れになるリスクが高く、ホンダにとっては日産との統合だけは何としても避けたかったのは容易に想像できます。

実は同省がホンダの経営に介入したのはこれが2度目。

1960年代に同省の前身である旧通産省は、日本の技術力が低いことを理由に、ホンダの四輪事業進出を阻止しようと試みたのです。

そのとき創業者の本田宗一郎氏が猛反発。

同省の意向を無視して四輪事業進出を強行したという過去があります。

ホンダイズムを失っていたホンダ

どちらが正しかったのかについて今さら説明する必要はないでしょう。

もしホンダが同省の意向に従っていたら、今の日本の自動車産業は存在していなかったはずだからです。

近年、ホンダは明確な戦略を打ち出すことができず、かつてのホンダらしさをすっかり失ってしまったとの評価がもっぱらです。

しかし非主流派出身の八郷隆弘氏がトップに就任したことで状況は大きく変わりつつあります。

世界最大手の車載電池メーカー「寧徳時代新能源科技(CATL)」とリチウムイオン電池の開発・生産について戦略的パートナーシップ契約を締結。

EV化と中国市場攻略に向けた準備を着々と進める一方、欧州市場からの事実上の撤退を決断するなど、矢継ぎ早に次世代戦略を打ち出しています。

自前主義にこだわってきたホンダにとって、GMとの本格提携は大きな方向転換ですが、

自動車産業が向かう先を考えれば、これは正しい決断といってよいでしょう。

今回、ホンダは政府の要請をはねのけ、技術の趨勢に沿った決断を行ったわけですが、

本田宗一郎がつくり上げたかつてのホンダイズムがようやく戻ってきたともいえます。

ネットの声

「ただでさえ政治介入を嫌がるホンダが、日本政府とフランス政府のヒモがついてる日産と組むなんてあり得ないことだったでしょう」

「フランスにコントロールされる、顔色を窺わないといけない日産とホンダの組み合わせはうまくいかないと思っていました。過去の動きを見ると、ヨーロッパのメーカーは支配したがるように感じますので、米国メーカーの方が上手くいくでしょう。」

「経産省が言うことを蹴ったということは、その判断はおそらく正解だろう。
役所は企業に対して本当にロクなことしない。政府や役所主導で再建を目指した数々の企業が結局どうなったかを見れば一目瞭然よね。」

ホンダが組むとしたら米国市場を意識したものになるので、シンプルに「GMと…」となったのでしょう。

それでもホンダにとっては将来を見据えた英断になるのは間違いありません。

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