富士山写真の最優秀賞に「合成」指摘 「満月撮れない」

富士山など地元の景観を全国に発信しようと山梨県忍野村が1989年に始めた「富士忍野グランプリフォトコンテスト」。

今年の第30回グランプリ(最優秀)賞に輝いた作品が「合成写真だ」との指摘が相次いだのです。

村によると、受賞者は「多重露光で撮影し、カメラ内の技術で作った作品」などと説明したということです。

デジタル技術が進歩し、写真のあり方を問う声も出ています。

↓合成写真

指摘があったのはパール富士と呼ばれる構図の写真

神奈川県の男性が応募した「紅富士輝」と題する写真。

朝焼けの富士山の背後に満月が沈む「パール富士」と呼ばれる構図です。

撮影日時は2019年11月15日午前6時25分、撮影場所は村の忍野中学校近くと申告されています。

写真愛好家から指摘を受ける

村が3月半ばにホームページに掲載。

すると、富士山を撮影してきた富士北麓(ほくろく)の写真愛好家ら十数人からの指摘を受けたのです。

合成だと村に訴えたり、SNSに投稿したりしたのです。

「申告の日時に、忍野村から朝焼けの富士山頂と満月が絡む風景は撮れない」というのが指摘内容です。

そうした構図で撮影できるのは3年後までないということです。

稚拙な合成写真という声も

地元の介護福祉士、天野秀光さん(66)は写真歴50年の「富士山マニア」。

忍野村のコンテストでも入賞歴があり、「グランプリ作品は極めて稚拙な合成写真だ。満月の背景に雲が写るはずがなく、富士山頂の高さにある月は赤くならない」と憤っています。

東京都内の画商で、趣味の写真ではパール富士が一番の撮影対象だという本庄俊男さん(79)も「撮影できる場所には毎回、大勢が集まる。申告の日時に写真の構図はなかった」と断言。

別の写真愛好家の男性(63)が天体の軌道を調べるアプリで調べると、申告された時間の月は富士山と逆の方角にあったということでした。

ネットの声

「風景写真が趣味であるけれど人が集まる撮影スポットに行くことはほとんどない。人と同じ写真撮ったって楽しくない。目の前に広がる光景を自分なりの切り取り方で写真に落とし込むのが醍醐味だと思っている。多重露光に賛否はあるだろうけどそこに無いものをあるように撮るのは自分は虚飾に感じてしまうのでやらない。」

「これはもう選考する主催者のさじ加減ひとつなのでは。主催者がどんな写真を求めているか。村の景観をテーマにした写真美術作品を、ということならなんでもアリではないかな。この景色を見にきてもらいたい、という趣旨なら実際見られない景色の写真ではダメでしょう。」

「正直どこまでがOKか基準が不明瞭なのも問題だと思う。栗林慧さんの昆虫写真展に昨年伺ったら、NHKでも取り上げられた何百もの蛍が映る写真は数多くの写真(蛍の軌道)を合成して作って時間かかって大変だったと、ご本人から説明受けました。最近の写真は皆そうなのだよと言われて、そういうものなのだと当時納得しました。プロが合成して作られているので、アマチュアの方もどこまでが許容範囲なのかわからない。」

プロの世界では、合成写真を許容するところもあるようです。しかし、一般の人が参加する写真展はご法度にしてほしいです。

合成OKというのなら別ですが、そもそも合成なし…ということで写真展が開かれてるように思います。

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