アイドリングストップはこのまま廃れる?電気自動車では…

火付け役のトヨタがやめる!! 

アイドリングストップ機能はこのまま廃れるのか? 残した功績はかなりデカかった

トヨタをはじめ、多くのメーカーで採用されたアイドリングストップ。

信号待ちなどの際に、意図的にエンジンを切ることで燃費を稼ぐものです。

じつはひそかにその存在が無くなりつつあるのをご存じでしょうか。

確かに燃費には一定の効果があったものの、エンジンの再始動の振動や音などに悩むユーザーも少なくなかったのも事実。

そして専用バッテリーの値段も高いうえに、機能オフにしているユーザーも少なくなかったのです。

果たしてこの世からアイドリングストップ機能は無くなるのでしょうか。

そしてこの機能が残した功績はあるのでしょうか。

燃費悪化の可能性も!!しかも専用バッテリーは高額というネガ

まず最初に、今回取り上げるのは、純ガソリンエンジン車のアイドリングストップ機能であり、ハイブリッド車に搭載されるアイドリングストップ機能ではないことをお伝えしておく。

「CO2削減」という目的のもと、2000年初頭に普及を始めたアイドリングストップですが、それから20年以上が経ったいまでも、満場一致で受け入れるまでには至っていません。

その理由のひとつが「動作のもたつき」だ。信号待ちはいいとしても、交差点の右左折待ち、交差点や踏切の一時停止など、スムーズに発進したいときには、アイドリングストップが煩わしく感じてしまうのです。

さらに、エンジン再始動時の音が嫌だという人も少なくありません。

遮音性能の向上によってエンジンの再始動音は小さくなってはいるのですが、再始動時の振動は、微妙ながらも体に伝わるのです。

停車の度に、これが繰り返されるのを「不快」と感じる人も少なくないようです。

アイドリングストップの効果については、JAFによると、10分間のアイドリングストップで、燃料は133g削減できるとのこと。

しかし、停止と発進を頻繁に繰り返すような渋滞だと不利になる場合もあり、一般的には5秒以上停車する場合だと、アイドリングストップした方が燃料消費は少ないのですが、それ以下の間隔では、かえって燃料を消費してしまうそうです。

また、交差点の右左折待ち、踏切の一時停止など、スムーズに発進したいときにアイドリングがストップしてしまうと、急いで再発進しようとするため、アクセルペダルを必要以上に踏み込んでしまい、余計に燃料消費する、という事態も招いてしまいます。

さらには、冒頭で触れたように、アイドリングストップ車用のバッテリーは、アイドリングストップ非装着車用のバッテリーよりも、1.5倍ほど高価であり、寿命も短い傾向にあります。

高性能バッテリーの消耗が早まることは、環境負荷にもつながり、アイドリングストップは、「絶対的な正義」とは言い切れないのです。

トヨタが採用停止!!ユーザーはあまり使いたがらなかった……

発進時のもたつきを不快に感じながらも、「地球環境のためならば!!」と、ユーザー側もガマンしてきたわけだが、アイドリングストップを率先して採用していたトヨタが、アイドリングストップがついていない新型車を出すようになりました(ついているクルマもあります)。

ヤリスの1.5Lガソリン車をはじめとして、カローラ1.8Lガソリン車やRAV4、ハリアーの2.0Lガソリン車などが当てはまります(※ハイブリッド車にはもちろんアイドリングストップはついています)。

20年間採用を推してきたトヨタが方針変更してきたのだから、気になった人も多いでしょう。

その理由について、トヨタ広報担当は、「(燃費やCO2といった環境性能で)充分に競合性があり、今後も採用しない方向で進めている」としています。

また、アイドリングストップ搭載車であっても、ユーザーが機能を停止させているケースが多いということも、採用をやめた理由のひとつのようです。

★アイドリングストップを採用していないトヨタの純ガソリン車
ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、RAV4、ハリアー、ノア/ヴォクシー、カローラ、カローラツーリング、カローラクロス、ヤリス、ヤリスクロス、C-HR、ハイエース、GR86

★アイドリングストップがついているトヨタの純ガソリン車
ハイラックス、カローラスポーツ、GRヤリス(RSは除く)、パッソ、ルーミー、シエンタ、アルファード/ヴェルファイア、グランエース、カローラアクシオ、クラウン2.0Lターボ、ライズ、GRスープラ

こうして、いま純ガソリン車のアイドリングストップは消えゆく存在となっているわけですが、アイドリングストップ機能が、比較的簡易なシステムであったことで急速に普及したことを考えれば、「CO2排出量を減らす」といった目的のために編み出された技術としては秀逸であり、「人々に環境問題を認知させる」という功績をあげたことは間違いないでしょう。

一方電動モデルは標準装備が当たり前に!!

昨今は、ストロングハイブリッド車の普及がすすみ、純ガソリンエンジン車は数をへらしつつあります。

純ガソリン車自体が少なくなることで、本稿でとりあげた純ガソリン車のアイドリングストップ機能も役目を終えていくと考えられますが、電動化されたすべてのクルマたちには、アイドリングストップ機能は標準搭載となっていくでしょう。

GRスープラRZやフェアレディZ、GT-Rといった、純ガソリンでアイドリングストップを搭載していないクルマは、あと数年で見納めになるはずです。

その瞬間がいつなのか、メーカー各社とも頭を悩ませているところなのかもしれません。

ネットの声

「アイドリングストップは燃費数値改善の為の力技という印象。僅かでも燃料消費量やCO2排出量が減らせるなら取り組む意味はあるのかもしれません。ただ、バッテリー問題等総合的な環境負荷で見た時にどうなのかというのは議論の余地がある気がするし、なにより「クルマという商品として」それでいいのかと思います。」

「他の車はどうなのか知らないけど、会社で使っている営業車はアイドルストップのキャンセルスイッチ、一度エンジン切ると次に始動する時はまたやり直し。面倒くさい。
「秀逸」というほど良い思い付きとは思えない。渋滞した道路の信号待ちからの発進、矢印信号の出る右折レーンなど、アイドルストップのせいで発進がもたつき、渋滞に拍車をかけてるような気がする。累積するとそれで失われるガソリンが多いんじゃ?
それから、自分の認識相違かもしれないが、アイドルストップ機能はCO2排出量削減ではなく燃費節約の為と世間一般的には思われてるんじゃ?どのメーカーもそんなPRしていたような。」

「本気の渋滞と言うか都心部の渋滞や大型連休中に見られる渋滞でアイドリングストップ機能をOFFにしないと車内のモワッとした空気、夏場のエアコンの効きの悪さ、発進時のもたつき、どれを取っても煩わしい。
それで燃費が0.05伸びようがCO2排出量が減ろうが個人的にはどーでも良いと思う人が圧倒的に多いと思う。
そんなことよりアイドリングストップ機能を外した分だけ価格を安くするなり他の機能を付ける方が良い。」



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