営業マンの「JAF+保険+クレジットローン」コンボはお得なの?

断っていい? やっぱりなんか損しそう!? ディーラーマンの「JAF+保険+クレジットローン」コンボに得はあるのか

クルマの商談の入り口や、契約手続きを行っている際、営業マンから「自動車保険はどこで加入していますか」「JAFには既にご加入済みですか」などと聞かれることがあります。

営業トークの一つですが、このお誘いに乗った場合、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ノルマもあるが、営業マンの安心のため加入を勧める一面も

クルマの契約よりも、ローンや保険、そしてJAFへの加入は、何倍も契約がとりにくいようです。

それでも金融商品に対して、年間に何件の契約をできるようにと、目標値が与えられ、車両販売と同様に、自身の査定に大きく響きます。

これらの商品は、ディーラーやユーザーにとって「価値の連鎖」をもたらすことから、バリューチェーン分野と呼ばれることもあります。

ディーラーは手数料などの利益収入が得られますし、営業マンとしては万が一の事故や故障の際に、ユーザーが自社の自動車保険やJAFに加入してもらっている方が、対応しやすいのです。

特に事故の際には、ユーザーが自身で選んだ自動車保険会社が、具体的な対応をしてくれない(事故現場へ駆けつけない、代車などの対応が遅い)とわかると、怒りの矛先が普段利用しているカーディーラーに向くことが多くなります。

「担当客が事故に遭ったのだから、営業マンは当然現場に来るよな?」
「代車はもちろんディーラーが提供するよな」

と迫られ、場合によってはクレームとなり、大事に発展するのです。(これらの要求はお門違いであり、本来ディーラーに向けられるものではありません。)

営業マンは、自分が代理店となっている保険なら、いくらでも駆けつけるし、必ず保険に代車をセットするから、代車の心配も必要ありません。

こちらの提案を蹴って、他社で保険に加入し、JAFにも入らなかった人の面倒までは正直見切れないのが本音です。

ユーザーが自己責任で起こした事故で、営業マンが理不尽な思いをしないように、自身の防衛のためバリューチェーン商品に加入してもらいたいという側面もあるのです。

ユーザーが受けるメリット・デメリットは

JAFに加入する場合は、入会金2,000円と年会費4,000円がかかります。

ローンを組めば利息がかかるし、自動車保険の保険料もダイレクト系(ネット保険)と比べれば、決して安いものではありません。

こうした会費・利息・保険料差は、ユーザーが受けるデメリットになり得るでしょう。

対して、故障や事故などでJAFのサービスを年間1回でも使うことがあれば、年会費4,000円の元は取れます。

また、ローンと自動車保険を一体化させたクレジット一体型保険という、ディーラーでしか加入できない自動車保険も、事故で保険を利用した際のメリットは大きいのです。

ローンの利用期間と同じ期間で、自動車保険の契約が可能となるクレジット一体型保険は、保険料が単年契約よりも若干安く、さらに契約期間中の保険料変動がありません。

社会情勢による保険料改定や、事故の際の保険利用で翌年の保険料が上昇するというリスクを、契約期間中は抑えることができます。(契約期間中の中途解約については、割引された保険料差額の精算が必要。)

手出しのお金と事故リスクをどう推し量るかが、ユーザーのメリットとデメリットを考える上で大切な部分でしょう。

値引きと直接の関係はないとしつつも

保険やローンの金融商品を、車両値引きと抱き合わせて販売することは禁じられています。

つまり「ローンにしてくれたら(保険に入ってくれたら)、あと10万円値引きできます」と営業するのはNGなのです。

こうした商法は、保険業法第300条1項5号で禁止されている「特別利益の提供」にあたります。

また、クルマと保険がセットで販売されていると誤認させることは、独占禁止法第19条(抱き合わせ販売の禁止)に抵触するものです。

営業マンから直接「入ってくれたら値引き」と言われたらアウト。

法令順守の出来ない営業マンは、一発レッドカードで商談テーブルから退場させてほしいものです。

ただし、「ローンを組んでくれそうかな」「保険の契約が入りそうだな」と営業マンが思い、このお客さんを逃してなるものかと値引きを拡大して、車両契約につなげるケースはあるようです。

契約がとりにくい自動車保険に入り、支払いがローンとなれば、営業マンは頑張るし、上司(店長)などへも値引きの相談をしやすい。

「バリューチェーンの契約もとれそうなら」と、上司の決裁も大きくなりがちです。

ケースバイケースですが、数万円程度の値引き効果は出るでしょう。

ないよりはあったほうが好条件は出やすいので、営業マンが頑張る力の源として、JAF・保険・ローンの検討をしてみてもいいのではないでしょうか。

保険やJAFの加入を、自らへの信頼の証と理解する営業マンは多い。

気持ちの良い取引はもちろんですが、車両保有中の関係性も考慮しながら、サービスへの加入を選択してみましょう。

ネットの声

「同じメーカーの車をずっと乗り続けている人もいるが、色々なメーカーの車を次々と乗り換えている人もいる。車をかえると任意保険も変更するが、ディーラーで保険をかけていると他のメーカーの車にして店も変わった時に保険だけ前の店に残して来るのも変だし、保険の代理店だけ固定しておいた方が色々なメーカーの車を次々と乗り換えていく人にはいいと思います。同じメーカーの車でずっと何十年も乗り続けて行くならディーラーで保険に入っていた方が便利かも知れない。」

「JAFに入ってますが、ロードサービスにお世話にならなくても、割引券とか使えたら得だと思います。一昔前はフェリーの値引も大きかったけど、最近は割引率減りました。ロードサービスだけのためなら、自動車保険の付帯サービスだけでもいいと思います。」

「JAFはバッテリー上がりや脱輪、パンクなど1回でもお世話になれば元は取れるし、人にかかるのでレンタカーや仕事でトラブっても利用できるので安心感があります。あと施設や飲食のJAF割もあるので出かけることが多い方はそれだけでもかなり元が取れます。」

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