
日本のスポーツカーは、性能と信頼性、そして手頃な価格を完璧にバランスさせたことで、自動車の歴史において相応の特別な地位を確立してきた。
高額な価格が付けられたり、単純にパワーのみを追求した欧州や米国のスポーツカーとは異なり、
日本のスポーツカーは、精緻なエンジニアリング、革新的なテクノロジー、そしてチューニングする人にやさしい性質で愛されている。
特に1990年代は、現代のスポーツカーに今なお影響を与える高性能モデルが爆発的に誕生した時代だった。
目次
日本のスポーツカー略史
1960年代はトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル(富士重工業)などの自動車会社が、スポーツカーの開発に取り組み始めたことから、日本における高性能車の歴史が幕を開けた時代として強く印象付けられている。
そして1980年代から90年代にかけて、日本のスポーツカーは黄金期を迎える。
手頃な価格と高性能、革新性を併せ持つ数々のモデルがエンスージアスト(情熱的なクルマ好き)に歓迎された。
多くの自動車会社が日本のスポーツカーの遺産に貢献してきたものの、日産とトヨタはその分野で最も認知されているメーカーだ。
日産の「フェアレディZ」シリーズと「スカイライン」は何十年もの間、ドライバーを魅了し続けている。
トヨタの「スープラ」は象徴的な存在となった。
1990年代は日本のスポーツカーが頂点を迎えた時代だと考える人は多い。
ここ記事では、高性能、革新性、文化的影響、そしてファンたちの評価を基に選んだ5台の偉大な日本製スポーツカーにスポットライトを当てた。
日産 スカイライン GT-R(1999年発表)
特徴:ツインターボエンジン、「ATTESA(アテーサ) E-TS PRO」四輪駆動システム、高度な空力性能
最高の1台である理由:R34スカイラインGT-Rは、歴史上最も尊敬を集めるスポーツカーの1つだ。
強力な2.6リッター直列6気筒エンジンが「少なくとも」280馬力を発生する(しばしば実際の数値はもっと高かった)R34 GT-Rは技術の驚異だ。
リアルタイムで車両の性能数値を表示するマルチファンクションディスプレイ(MFD)や、スーパーHICASと呼ばれる電子制御四輪操舵システムなどの先進的な機能を備え、公道とサーキットの両方で愛用された。
その伝説的な地位は、映画やテレビゲーム、モータースポーツでの活躍によって、さらに確固たるものとなった。
今年2月のオークションでは、その1台が22万2000ドル(約3200万円)という価格で販売されている。
トヨタ スープラ(1993年発表)
特徴:直列6気筒ターボ「2JZ-GTE」エンジン、チューニングに対する強靭な潜在能力、バランスの優れたシャシー
最高の1台である理由:4代目(日本国内では2代目)スープラの特にツインターボ仕様は、自動車の世界における象徴的存在だ。
その3.0リッター直列6気筒エンジンの最高出力は公称280馬力(それ以上であることも多い)だが、適切な改造によって1000馬力を超えるパワーにも対処できる能力を備えている。
ゲトラグ製「V160」型6速マニュアル・トランスミッション(「RZ」グレードに搭載)、流麗なデザイン、傑出した性能から、A80型スープラは時代を越えて人々を魅了する日本製スポーツカーの1台となった。
マツダ RX-7(1991年発表)
特徴:排気量1.3リッターのツインローター「13B-REW」ヴァンケル型ロータリーエンジン、軽量設計、ほぼ完璧な前後重量配分
最高の1台である理由:FD型RX-7は、高回転型ロータリーエンジンと、軽量で空気力学的に優れたボディの組み合わせにより、俊敏でスリルに満ちた運転体験が得られるクルマとなった。
大小2基のターボチャージャーを備えたシーケンシャルツインターボは、スムーズでレスポンスに優れたパワーを発揮する。
独特のスタイリングと正確なハンドリングは情熱的な運転好きの人々を魅了した。
RX-7のロータリーエンジンは、細心なメンテナンスを必要とするものの、スポーツカーの世界で唯一無二の存在であり、類まれなスムーズさと高回転の興奮を提供する。
ホンダ NSX(1990年発表)
特徴:オールアルミニウム製ボディ、ミドシップ・レイアウト、VTEC搭載自然吸気V6エンジン
最高の1台である理由:フェラーリに匹敵する性能とホンダの伝説的な信頼性を併せ持つホンダNSXは、欧州のスーパーカーに対する日本からの返答だ。
量産車として世界で初めてオールアルミニウム製モノコックボディを採用し、大幅な軽量化を達成。
排気量3.0リッター(NA1型)または3.2リッター(NA2型)のV型6気筒エンジンには、ホンダのVTEC(可変バルブタイミング&リフト量)テクノロジーが使われており、直線的なパワーバンドと高回転域の興奮を実現した。
伝説的なF1ドライバー、アイルトン・セナからの意見を取り入れて開発されたNSXは、精密工学における新たな基準を確立し、後年のスーパーカーの開発に多大な影響を与えた。
スバル インプレッサ WRX STi(1994年発表)
特徴:「EJ20」型水平対向4気筒ターボエンジン、ラリーで実証されたAWD(全輪駆動)システム、攻撃的なスタイリング
最高の1台である理由:元来ラリー競技のために設計されたWRX STiは、スバルの世界ラリー選手権における成功を公道に持ち込んだ。
水平対向4気筒ターボ「EJ」型エンジンは、軽量で高出力、耐久性も高い。
その一方で、左右対称に配置されたシンメトリカルAWDシステムは、卓越したグリップとハンドリングを実現。
第2世代のGD型(2000?2007年)では米国市場向けに2.5リッターのEJ25型エンジンを導入し、パフォーマンスをさらに向上させた。
鮮烈で魅力的なドライビング体験と、独特なボクサー(水平対向)エンジンの排気音により、WRX STiはエンスージアストの間でカルト的な人気を博した。
ネットの声
「ハイパワーなクラスだわな。90年代は軽量級も輝いていた。シビックやインテやレビトレやスターレットやミラージュやパルサーなどなど小さくて速いやつや、シルビアや180やMR2やセリカや非Rスカイラインやマーク2 3兄弟などなど楽しい車がたくさんあったよ。中古で100万以下200万以下で買えて超楽しかった。」
「本当に90年代スポ車は黄金時代でしたね。
各メーカーからま280馬力の個性的な車がラインナップされ、そんな車たちを道でよく見られるのが普通でしたね。ガソリンもハイオク110円程で、負担感も今と比べると比較的楽だったと思う。2000年代は10年落ちの中古車が100万以内で何でも買えた。例えば80スープラRZも100万以内で選べたよ。当時の若者はアルバイト代でシルビアやスカイラインタイプM維持できてた記憶。」「日本人でも納得の5台でしょう。敢えて言うならランエボとロードスターまで加えたら完璧ですね。」