【Kカー】日本独自の軽自動車って世界ですごく注目されてるよ!

軽自動車が日本車の勢いを取り戻す!

世界で注目を浴びる「Kカー」こそニッポンの最終兵器だ

日本の軽自動車が世界的にもトレンドとなっていることは、クルマに関する情報について感度の高い人を中心に広く知られるようになっている。

Kカーが海外で大人気

まずは軽トラック。

もともとアメリカでは私有地、たとえば農場内の移動や作業用に重宝されていた経緯があった。

首都圏にある某米軍基地の友好祭(基地開放)にかつて出かけたときには、大柄なアメリカ兵がおもにスバル・サンバー(スバルオリジナル)トラックを運転している光景を基地内でよく目にした。

最近ではプライベートユースで注目するアメリカ人も多いようで、ロサンゼルス市内でも意外なほど見かけるようになってきた。ちなみに北米では正規販売はされていない。

東南アジア、タイやマレーシアでは正規販売はされていないものの、日本から専門業者が個人輸入した軽自動車が販売されている。

タイでは数年前にダイハツ・ムーヴキャンバスが富裕層の「お嬢さま」の間で人気となり、1000万円近い価格で取り引きされていたとのこと。

ホンダN-BOXも人気が高く、かなり高額で取り引きされ、バンコク市内でも見かける。

マレーシアで確認したところでは、ホンダS660やN-BOXが販売されており、モーターショーに出展していたカスタマイズショップも、デモカーとしてS660とN-BOXを使用していた。

ニュース映像で見る限りだが、スリランカではスズキ・ワゴンR(現行型)の走っている姿をよく見かける。

港に軽バンや軽トラックがたくさん陸揚げされている映像も見たことがある。

海外仕様の軽自動車も

2025年2月20日にスズキは都内で「スズキ新中期経営計画(2025~2030年度)」を発表した。

その際のプレゼンテーション資料において、四輪車のアジア地域の具体的な戦略・取り組みというところで、パキスタン市場についての説明資料に「軽自動車のグローバル化の1拠点として商品ラインアップを充実」という項目があった。

たとえばインドでも「ワゴンR」というものが日本のワゴンRをベースとしてラインアップされているが、日本仕様の全長3395×全幅1475×全高1650mmを超え、全長3655×全幅1620×全高1675mmとなり、搭載エンジンも660㏄ではなく、1リッターと1.2リッターとなっている。

デリー地区の価格では最上級仕様が73万5500ルピー(約127万円)となっている。

ウーバー(ライドシェア)車両でもワゴンRは多いと思っていたら、これは「ツアーH3」という営業専用車となっており、一般向けとなるワゴンRは結構ぜいたくな仕様となっていた。

ほかに「アルトK10」というモデルもあるが、日本仕様のアルトとは見た目も大きく異なっており、ボディサイズ、排気量ともに日本の軽自動車規格を超えている。

軽自動車を世界で販売するためには現地化が不可欠

パキスタンでは、アルト(日本での先代)とエブリイがラインアップされているが、いずれもボディサイズ、排気量ともに日本の軽自動車規格となっていた。

前述したタイやマレーシア、スリランカでは、正規販売ではなく日本仕様を個人的に輸入し販売している。

また、インドのワゴンRのように、ボディサイズや排気量を拡大して正規販売するといったケースもある。

しかしパキスタンでは、日本規格の軽自動車が正規販売されているのである。

タイを例にすれば、タイの富豪(東南アジア全般にいえるが)のレベルは日本では想像できないほどスケールが大きい(とてつもなくお金もちということ)。

タイで富裕層の子弟が乗るような高級コンパクトカーとしてはBMWミニなども正規輸入販売されているが、それと同額レベルとなっても、日本の軽自動車に乗りたいというニーズが存在するのである。

消費者の価値観が多様化するなか、既存の各メーカーのラインアップでは飽き足らず(誰も乗っていないようなクルマに乗りたい)、「金に糸目をつけずに他人と差を付けたい」というニーズが、おもに新興国となるが、形成されようとしているのである。

日本で軽自動車といえば、節約志向の高い人や、年金生活となり維持費を抑えたいなど、まさに「日常生活の足」的イメージが強いのだが、どうも東南アジアで見ていると、客筋も明らかに日本と異なるし、そもそも軽自動車に求めている部分も大きく異なるように見える。

ボディサイズは極端に小さく、排気量も660ccなのに、ADAS(安全運転支援装置)やオートエアコンが装備され、CVT(自動変速機)となるだけではなく、4輪駆動まで選ぶことができる。

そしてジャパンメイドというプレミアムイメージに十分な質感も兼ね備えている。

市場としては日本に比べると限定的かもしれないが、「日本的クルマ作りの真骨頂」ともいうべき日本の軽自動車は、けっして他国の自動車メーカーには真似することができないものであり、そこに世界が注目しはじめ、高付加価値があることを感じているのである。

これは日本を訪れたインバウンド(訪日外国人観光客)が実際に日本で軽自動車を見て、それをSNSなどで発信する機会が多くなったことも影響しているのではないかと考えている。

もちろん現状では、軽自動車が正規販売されている日本以外の地域はほとんど存在しない。

大々的に海外で正規販売するとなると、越えなければならない課題も大きいようなのだ。

いまはスズキが熱心にマイルドハイブリッドユニットを搭載しているが、今後BEV(バッテリー電気自動車)などが充実すれば、ますます注目されることは間違いないだろう。

スズキのいうところの「軽自動車のグローバル化」というものがどういうものなのか、今後の展開がおおいに気になってしまった。

日本車にとっての「最終兵器」のような存在となり、新たな日本車旋風を世界に巻き起こす可能性を軽自動車は秘めているように感じている。

ネットの声

「こういう小型の車は一般的に都市部のコミューターとして考えられていることが多い。ところが軽自動車は地方在住の方の生活の足としての進化をしてきた。丈夫で廉価で沢山ものが積める。四駆やトラック、ダンプもある。車ってこれで良いよね。」

「日本車のホントの凄さは、レクサスみたいな大きな高級車を作ることではなく、軽自動車のような『小さな車』を作れる技術だと思う。あんなにも小さいのに、しっかり走り、止まり、燃費も良い。ホント凄い技術力だと思う。」

「他メーカーは年々大型化する車種ばかりですから、対比として軽自動車の規格がより受け入れられているというのは想像に難くない。日常の使いやすさはピカイチですから。
それぞれの国の規準さえ確保できれば、十分需要はあるんじゃないかと思う。日本国内だけじゃもったいない。」

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