ガソリン代高騰の中“格安ガソリンスタンド”の不思議

「格安ガソリンスタンド」はなぜ安い?安く仕入れたガソリンを混ぜて販売?

あなたの住む街に、ガソリン価格が他店と比べてかなり安いガソリンスタンドはないでしょうか。

リッターあたり10~15円も安いことがあるのですが、なぜこのような価格差が生まれるのでしょうか。

格安ガソリンスタンドの謎に迫ります。

安く仕入れたガソリンを混ぜて販売

最近はガソリン価格が高騰したこともあり、こうした格安スタンドを利用する人が増えた印象です。

ガソリンスタンドは「石油元売り系スタンド」と「プライベート系スタンド」に分けられるが、格安スタンドは後者に該当します。

石油元売り系ブランドは、「シェル」や「出光」というように石油元売り会社の看板を掲げており、ガソリンの仕入れもその石油元売り会社から行います。

一方、プライベート系スタンドはさまざまな石油元売り会社からガソリンを買う。この違いが価格の差に表れています。

プライベート系スタンドはどの石油元売り会社からもガソリンを購入することができるため、価格が安い元売り会社を選んで購入することができます。

そして元売り会社が余剰に生産してしまったガソリンであれば、かなり安値で仕入れることができるのです。

仕入れ先が違っても、混ぜても問題なし

プライベートブランド系のスタンドは、こうして安く仕入れたガソリンを混ぜて一般ドライバーに販売しています。

「え、混ぜちゃって問題ないの?」と疑問を持つかもしれないが、JIS(日本産業規格)に合ったガソリンであれば、トラブルにはなりません。

よく考えてみれば、トラブルが起きないことは明らかです。

例えば、あなたが異なる元売り系ブランドのスタンドでガソリンを入れると、タンクの中でガソリンが混ざってしまうことになりますが、そのことが原因で問題が発生するでしょうか。

かつては格安スタンドについて「水を混ぜているのでは?」「軽油が混ざっているのでは?」と噂されることもありましたが、少なくとも現代においてはさまざまなガソリンを混ぜて販売しているだけで、問題は起きないのです。

格安スタンドは姿を消していくかも

格安スタンドは「庶民の味方」とも言えます。

しかしそんな庶民の味方が、今後は姿を消していくかもしれないのです。

元売り会社の統合が進んでいることでスタンド事業の効率性が上がり、余剰生産によって余ってしまうガソリンが減りつつあるからです。

こうした状況が加速すると、格安スタンドは安いガソリンを仕入れにくくなり、元売り系スタンドと差別化するのが難しくなるでしょう。

価格がほとんど変わらなければ、一般ドライバーの多くがブランドの信頼性から、元売り系スタンドに行くはずです。

あなたの街に格安スタンドが1つもなくなってしまう未来がやってくるかも…。

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