韓日歌王戦が大人気!韓国では御法度だった日本語の歌も解禁されてる!

日本のあの名曲が日本語のまま韓国のテレビで…「韓日歌王戦」に韓国ネット民が思わず「反日コメント」を封印した理由とは!

韓国と日本の女性ソロ歌手らが「善意の競争」を繰り広げる「韓日歌王戦」という歌番組が、韓国のケーブルチャンネルMBNで放送され、話題になっています。

韓国の視聴者の心を鷲掴みに

注目すべき点は、日本人歌手が歌う日本語の曲が、予想外にも韓国の視聴者から大きな反響を得ているということ。

これまで「国民情緒」を理由に日本語の曲を放送することをタブー視していた韓国放送界からも「意外」という反応が出ているのです。

番組の内容を簡単に説明すると、日韓両国のオーディションで選ばれた14人のソロ歌手が、国別に分かれて歌の競演を行い、審査委員と視聴者の評価を総合して勝ち負けを決める、という仕組み。

言ってみれば「紅白歌合戦」と類似した形式なのですが、男女の対決ではなく韓日の対決という点が異なり、両チームのメンバー構成も若干違っています。

韓国の出演者たちはすでに大衆的に人気を得ている現役歌手が多い反面、日本の出演者たちは「トロット・ガールズ・ジャパン」というオーディションを通じて発掘された無名に近い「中古」新人たちなのです。

そのため、すでに多くのファンを獲得している韓国チームが圧倒的に有利だった面もあり、計6回にわたる歌の競演の最終結果は韓国側の勝利で終わりました。

ただ、YouTubeの再生回数などで見ると、日本チームに対する韓国視聴者の反応は総じて韓国チームより熱かったのです。

「歌に感動するというのはこういうことか」

中でも、歌心りえさんは、30年以上にわたるライブ活動で鍛えられた歌唱力と舞台マナーで韓国の視聴者の心を完全に鷲掴みにした。

MBN放送局の公式YouTubeアカウント「MBN MUSIC」にアップされた彼女の歌唱動画は、6月26日時点で、416万ビューを記録した「雪の華」(中島美嘉)をはじめ、

「道化師のソネット」(さだまさし)が277万ビュー、「最初から今まで」(冬のソナタ主題歌・日本語バージョン)が150万ビュー、「川の流れのように」(美空ひばり)が121万ビューと、ほとんどが100万ビュー以上を記録しています。

動画のコメント欄には、

「歌に感動するというのはこういうことなんだね」
「まるで話すように自然な感情を載せる歌い方がとても美しい」
「お母さんの胸に抱かれている気分になった」
「聞くだけで心が安らかになる」

等々、彼女の歌唱力を絶賛する感想が数多く書き込まれています。

広島の現役ご当地アイドル「SPL∞ASH(スプラッシュ)」のメンバー住田愛子さんが歌う「ギンギラギンにさりげなく」(近藤真彦)の動画は423万ビューで、

同番組の中でも最高ビューを記録し、3万7千個にも上る絶賛のコメントが書き込まれました。

他にも沖縄の演歌「童神」(古謝美佐子)を歌った東亜樹さんの動画も100万ビューを超えるなど、関連動画全体でなんと「3,000万ビュー」を突破し、同番組の人気を証明しました。

また、視聴率でも、放送当時の6週間、地上波とケーブルTVを合わせて「同時間帯1位」を達成しました。

最高視聴率が11.9%、平均視聴率10.1%で、MBNの開局13年にして初の2桁視聴率となったのです。

このため、同局だけでなく他の放送局でも続々とスピンオフ番組や亜流番組の制作が進められている。

歌心りえさんをはじめとする日本チームのベスト7は、韓国のプロダクションに所属し、今後も韓国での活動を活発化すると予告しています。

日韓間の複雑な感情を越えて

同番組がこれほど韓国人に愛される理由について、大衆音楽評論家のファン・ソノプさんは、「歌手一人ひとりの力量も優れているが、何よりも選曲の勝利」と評価しています。

「MBN放送局の主な視聴者層は中高年層で、ターゲット層を考慮してかなり戦略的に選曲したものと見られる。80,90年代に人気を集めたJ-POPの名曲が多数選曲されたが、これらは暗々裏に同時代の韓国の若者たちもよく耳にした曲ばかりだ。かつてJ-POPを好んで聞いていた彼らの思い出に触れられたことが成功のカギだと思われる」

番組で披露されたJ-POPが韓国の中高年層だけでなく、若い世代の感性にも触れたという評価もあります。

大衆文化評論家のハ・ジェグンは「日刊スポーツ」のインタビューで、

「表向きはトロット競演だが、実際にふたを開けてみたらJ-POP中心になっていて、反応が出てきた」とし、

「ちょうど今、若い世代が(G)I-DLEの『私は痛いのは大嫌いだから』のようにJ-POPの雰囲気に似ているK-POPを好んでいるが、タイミング的にもよく、若い視聴者の流入に成功した」

と評価したのです。

実際、同番組では、

「ギンギラギンにさりげなく」、「First Love」(宇多田ヒカル)、「エンドレスレイン」(X JAPAN)、「恋人よ」(五輪真弓)、「さくらんぼ」(大塚愛)など、かつて韓国で人気を博した曲だけでなく、

「雪の華」、「ジュリアに傷心」(チェッカーズ)、「I LOVE YOU」(尾崎豊)、「瞳を閉じて」(平井堅)などなど、韓国人歌手が韓国語でカバーしてヒットした曲の原曲も日本語で放送されました。

こられの動画には、

「ギンギラギンを韓国の放送で聞くなんて感動だわ」
「ジュリアに傷心は80年代のナイトクラブで最人気曲だったな」
「I LOVE YOUは日本語の歌詞のほうがいいね」
「日本のウォーホルの時にいつも聞いていたFirst Love…本当に大好き!」

等のコメントがついていました。

日本のあの名曲が日本語のままで

韓国の視聴者たちの反応を見ていく中で、いちばん驚いたことは、ネットの世界に溢れる反日感情がもりこまれた「悪質コメント」が全く見当たらなかったという点です。

逆にむしろ、

「多くの韓国人はあなたの歌を聴いて魂が癒された!」
「日本語がこんなに美しく聞こえたのは初めてだ」
「一生日本を憎みながら生きてきたのに、この歌を聴いて泣いてしまった。感動的な歌をありがとう」
「日本語はわからないけどなぜか涙が出るほど美しい」

など、

日韓間の複雑な感情を越えて音楽が与える感動を素直に表現するコメントが主となっているのです。

「倭色」という理由で日本の大衆文化に対して厚い扉を閉めていた韓国が、日本文化に対して門戸を開放し始めたのは、1998年金大中政権時代。

その後、3回の段階的な開放を経て、2004年には「全面開放」しました。

ただ、地上波放送局ではいまだに「国民感情」を考慮し、

日本語の歌については自主審議を行っていて、国際歌謡祭などの実況中継でなければ、韓国の地上波テレビで日本語の曲を放送することを極度に控えているのが実情です。

2018年、宮脇咲良など3人の日本人メンバーが含まれるガールズグループ「IZ*ONE」の新曲「好きになっちゃうだろう?」が「日本語歌詞」を理由にKBSとMBC、SBSで放送不適格判定を受けたことがあり、

「SHINee」のメンバーの故ジョンヒョンの遺作である「リワインド」も日本語の歌詞が含まれているという理由でKBSから放送不可判定を受けました。

それが、今や、日本のあの名曲が日本語のままで歌われ、韓国の視聴者から熱いエールを受けているのです。

素晴らしい音楽は国境も越え、国民感情も越え、聞く人々に感動を伝えるという真理を改めて感じている今日この頃です。

ネットの声

「韓国出張行ったときにケーブルテレビでおそ松くんが放送されていたので見たのですが、看板など背景にある日本語表記が作画に合わせてうまくハングルに変えられていました。ユンソナがドラえもんについて韓国のアニメかと思っていたと発言していましたが、日本語禁止で、スラムダンクなんかでもあるように、地名や学校名、登場人物名まですべて韓国風に変えてるんなら、子供が日本のアニメを韓国アニメと思うのも仕方ないのかもと思いました。ランドセルとかどう思ってんのか気になりますが。
韓国ではケーブルテレビの歌番組YOASOBIが出たように、日本語が解禁されつつありますが、地上波では実質的にまだ日本語禁止であるようで、テレビでの日本隠しには違和感しか感じません。」

「「韓日歌王戦」に出場した歌手の中でも、歌 心りえさんを始めとする日本人歌手の抜群の歌唱力が、韓国国民の心に届いたと言っても過言ではないでしょう。
また、歌心りえさんが歌っている韓国の番組を見ましたが、複数の韓国人出演者が涙している様子も映し出されており、日本語を理解できないにしても韓国人の心に響いた、つまり日韓友好に貢献したことは間違いないと思います。しかし、残念なことは、表題にも「…歌王戦」とあるとおり、獲得点数によって勝敗が決したという事実ではないでしょうか。言い換えれば、歌心りえさんと韓国側の対戦歌手の歌唱力は拮抗している、もしくは 歌心りえさんのほうが勝っている、と感じたのですが、結果は数十点という大差で歌心りえさんが敗れたこと、他の日本人歌手も同様に敗北したことは残念としか言いようがありません。

いずれにしても、勝敗の「結論ありき」の 企画だったのではないでしょうか。」

「先日たまたまこの番組をWOWOWで見た。
最初は韓国の歌番組でなぜ日本語の歌が歌われるのか不思議だったが、途中からはその出演者の歌唱力に魅了された。
特に歌心りえさんの歌には感動さえ覚えた。「この人韓国人?」「それにしても日本語がうますぎる!」「どこの国の人であろうが歌唱がやばい!」と家族で盛り上がりました。
その後日本人という事が分かったが、なぜ今まで知らなかったのか?
こういう人こそ日本の紅白歌合戦に出てほしいと切に思った。」

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