日本を代表するリゾート、長野県軽井沢の別荘地で異変が起きているそうです。

政財界の著名人の別荘なども建ち軽井沢のなかで最も地価が高いとされる旧軽井沢やその隣接地域の超一等地でも売り物件が目立ち、なかなか買い手がつかないというのです。

高級別荘地の代名詞、軽井沢でいま何が起きているのでしょうか。

700坪余りの土地が3.8億円で売りに

11月上旬の土日ともなると旧軽井沢銀座通りは紅葉狩りとお土産目当ての訪日外国人でにぎわいます。

ここから徒歩圏にある別荘地に向かうと、「売物件」と書かれた看板が点在するのです。

地元の不動産会社の店長は

「最近は旧軽井沢エリアなどの超一等地でも売り物件が目立ってきた」

と語っています。

売り物件の中には看板を立てずに売られているものもあります。

「700坪(1坪=3.3平方メートル)余りの土地が3億8000万円で売りに出されている」(不動産会社の営業担当者)

前出の不動産会社の店長によると、旧軽井沢で信託銀行系列の不動産会社の紹介で坪単価70万円、総額5億円にのぼる別荘地が売りに出されたということです。

1部上場の創業家や旧財閥系、内々で売れず

売りに出ている超一等地の坪単価は60万~70万円程度。

別荘地の動向に詳しい不動産会社の社長は

「一等地の言い値とはいえ軽井沢で70万円もの坪単価は高い。実勢価格は半額程度ではないか」

と指摘します。


超一等地の売り手は、「東証1部上場企業の創業家や、日本を代表する旧財閥の家筋」(地元の不動産会社の営業担当者)ということです。

東京・田園調布の一等地と同様に相続や世代交代の影響が大きいようです。

従来なら、超一等地の売り手は名前とともに物件情報が表に出ることを嫌い、内々で買い手を探して売却してきました。

ところが、3億、5億円といったまとまった資金を用意できる買い手が不在となり、内々では売れず、売り物件として表に出るようになったというのです。

軽井沢のブランド力も低下

別荘はお金がかかります。

古い建物がある場合、解体したり再利用したりする違いはあっても、敷地内を整備して調度品などをそろえると、別荘地の購入費の2倍はかかるといわれています。

5億円で買えば10億円必要ということですね。

これだけの資金力のある買い手はいるのでしょうか。

2000年のIT(情報技術)バブルのころ、新規株式公開(IPO)で莫大な利益を手にした創業者のなかには軽井沢に別荘地を購入したり、検討するケースは多かったということです。

しかし、最近のIPOは小粒になったうえ、

「軽井沢のブランド力低下もあって創業者による別荘地の需要は以前に比べ激減している」(大手不動産会社の社長)

のが現状です。

以前から軽井沢で別荘を求める中心層は医師だそうです。

「建物が築5年、古くても10年以内で、土地と合わせて7000万円程度、高くても1億円まで」(地元の不動産会社の店長)

というニーズが多い状況では、3億~5億円の物件には手が届きません。

海外からの引き合いも少なく

地元の不動産会社に海外投資家からの引き合いについて水を向けると、

「リーマン・ショックの後ほど目立たない。不良債権処理の一環で複数の物件をまとめて売るバルクセールの中に軽井沢の別荘地が入っていて取引される程度」

と語ります。


超一等地の物件は果たして売れるのでしょうか。

どの不動産会社に聞いても

「売り手は倒産したりお金に困ったりしているわけではないので、言い値を下げない。現状の値段では売れないだろう」

と話します。

バブルのころは旧軽井沢近辺で坪当たり200万円台、旧軽井沢では同300万円台で取引が成立した物件もあるといいます。

その後の景気悪化に伴い軽井沢の別荘地の値段は一気に下落。

「値段の底は2004年ごろ。最高値の10分の1にあたる坪25万円程度で成約(取引が成立)した。当時は競売でも物件が落ちないこともあった」

と地元の不動産会社の店長は振り返ります。

超一等地が売りに出るのは、

「さらなる地価上昇は見込めないという売り手の相場観を反映するため、不動産市況で価格がピークから下落に転じる転換点を示唆している」(外国証券の不動産アナリスト)

といわれています。

東京・銀座やその周辺の商業地では海外の不動産ファンドが大型商業ビルの売り時を探っているという話が聞こえてきます。

軽井沢の別荘地も例外ではなく、潮目の変化を示しているといえるでしょう。

ネットの反応

「軽井沢の別荘地に限らず、首都圏の田園調布でも、近畿圏の芦屋でも敷地の大きな一戸建てはなかなか買い手がつきません。数億円になるお金を自由に動かせる人が減ってしまったこと、そして購入によって節税効果が生まれず、むしろ払う税金が増えてしまうことなどが原因。そして、別荘は、維持する手間とお金がかかることが広く知られたことも、人気下落の理由でしょう。今、日本でリゾート利用のセカンドハウス人気が高いのは、札幌、京都、那覇の3箇所。その共通点は、夫も妻も子どもも楽しめる場所であること。そして、スポーツ、買い物、グルメ、散策など楽しむ要素が多いことです。アクティブに遊び回ることができる場所が、リゾート地として人気を高めているわけです。軽井沢の場合、それらの要素が不足していることも、少々残念な点となります。」

「「別荘を持つ」”夢”を抱く人は今でもけっこう大勢いると思う。でも「別荘を持つ」”現実”を知ると、ほとんどの人はホテルのほうが快適かつ合理的と判断するだろう。永住するならまだしも、せっかくの休日を掃除と草刈り落ち葉掃きなどの労働で費やし、ヘトヘトになって帰る・・・。それをせず放ったらかしにしていればどんどん汚れて傷んでしまい、ますます足は遠のく。メンテナンスを業者に頼める余裕がある人でも、その土地へよほどの愛着がなければ場所も様々選べるホテルのほうが良いと思うだろう。永住するにしても、買い物や病気治療などで遠くの街まで出かけなければならない。周辺は山坂道ばかりでちょっとの外出も徒歩では辛い。晴れた温かい季節の昼間でも辛い。寒い雨雪の夜など車でも外出はきつい。若いうちならともかく、高齢になればなるほど辛さは増していく。快適な別荘ライフなんて所詮は夢でしかない。」

「避暑地は、今や「エアコンきかせた自分の部屋」になったから…
行ったことはあるけどリピしたい、長期滞在したいと思うほどの魅力はなかった。もう別荘なんてもの自体役目を終えた遺物だと感じます。」

別荘はとにかくお金がかかります。単にお金持ちが減ったのか…。ライフスタイルの変化も大きいでしょうね。

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