Jリーグもプロ野球に負けず劣らず盛り上がっていますが、サッカーの世界特有の「期限付き移籍」や「レンタル移籍」という言葉に「??」と思う人も少なくないでしょう。なんとなくわかったようなわからないような…そんなサッカーの疑問を解消します。

期限付き移籍の仕組みって?

読んで字のごとく、「期限付き」なので「あらかじめ期限の設けられた移籍」といった意味になります。レンタル移籍も同じ意味ですよ。

ここではこの期限付き移籍(レンタル移籍)の仕組みや給料の支払い、期限付き移籍のメリット、デメリットについて基本的な部分について説明します。


そもそも、期限付き移籍というのはどういったものでしょうか。例をあげて説明します。

ある選手が「A」というクラブに所属しているとします。

サッカー選手はプロ野球選手と同様で、個人事業主ですから、一人ひとりがサッカークラブと契約します。その契約には所属機関なども明記されていて、「A」というクラブとの契約期間は2020年までとします。

現在2019年ですから、「A」クラブとの契約はそのままに、「B」というクラブと契約を締結して、例えば2019年のシーズン終了までの期限の終わりを設けて「B」クラブに移籍することをいいます。

移籍期間に制限があるため、「期限付き移籍」と呼んでいるのです。

元々契約している「A」クラブから、1年あるいは6ヵ月という決められた期間だけ「B」クラブの一員としてプレーしてきてもいいよ、というものです。

完全移籍とは

いっぽうで完全移籍というのは、上の例を流用すると、2020年まで残っている「A」クラブとの契約を解除して、「B」クラブに新たな契約を結んだ上で移籍することです。

このとき、「A」クラブとは契約途中での解約となるので、移籍金と呼ばれる違約金が発生することになります。

これが完全移籍です。

これによって、完全に「B」クラブ所属の選手になったということです。

期限付き移籍にもメリット・デメリットがある

日本のJリーグに限らず欧州のクラブ他、世界中で広く期限付き移籍は行われています。

そのような中で期限付き移籍のメリット・デメリットを考えます。

メリット

○移籍金が発生しない

特に資金力のないクラブにとって、移籍金が発生せずに選手を獲得することができるので、それが大きなメリットとなります。

ただし、移籍先クラブがレンタル料金を移籍元クラブに支払う場合がほとんどです。それでも、完全移籍と比べて期限付き移籍のほうが経済的なメリットが大きいのです。

J2クラブなどは特に資金力がないので、J1の若手有望選手を期限付き移籍で獲得しているクラブは少なくありません。

○育成の機械を提供できる

これは移籍元クラブのメリットとなるのですが、選手の給料を負担することなく、選手に試合出場の機会を提供できます。考え方を変えると、人のお金(移籍先)で選手の育成ができるということになります。

J1の強豪クラブでは、若手を育てたいがポジションを確保できない(試合に出ることができない)選手をこうやって、外に出して試合感を養ってもらうメリットがあるのです。

○プレーする機会が増える

これは選手側のメリットになるのですが、特に若い選手にとって実践野庭が何よりも貴重な体験となります。

そのため、出場機会を求めて、期限付き移籍を直談判する選手もいます。

それによって、大きく成長し日本代表選手に育った選手も少なくありません。

選手にとっては、試合に出場することがなによりもアピールの場になりますし、それによって代表選手に選ばれる可能性も大きく膨らむのです。

デメリット

○選手の保有権は移籍元クラブにある

移籍先クラブで大活躍したとしても、期限が切れれば移籍元クラブに戻らなくてはいけません。

そのため、移籍先クラブとしては戦力が安定しない、その場限りの戦力(助っ人)としての扱いとなってしまうのです。

○移籍元クラブとの試合には出場できない

絶対というわけではないようですが、多くの場合、移籍元クラブとの試合には出場できないといった制約を設ける場合があります。

この場合は、そういった条件を公表しなくてはいけません。(FAのプロサッカー選手の契約、登録及び移籍に関する規則より)

○移籍先クラブでは出場できない大会がある

期限付き移籍に限った話ではないのですが、欧州のCL(チャンピオンズリーグ)やEL(ヨーロッパリーグ)では、移籍元クラブですでにCLの本戦に出場している場合、移籍先クラブでは出場できません。

レンタル移籍という言葉

期限付き移籍とレンタル移籍は同じ意味なのですが、ニュースによっては、レンタル移籍と報道されることもあります。

海外のニュースサイトなどを見ると、期限付き移籍は「LoanDeal」あるいは単に「Loan」と表記されることが多いようです。

本来は、ローン移籍というほうが正確なのかもしれませんが、日本ではローンよりもレンタルのほうが意味が通りやすいのでこちらの表記を用いることが多くなっています。

買取りオプションについて

期限付き移籍の場合、たまに移籍先クラブが「買取りオプション」を使って、選手を買い取ったというニュースを聞くことがあります。


期限付き移籍の契約の中に織り込まれているものですが、期限付き移籍の期限が来たときにこの「買取りオプション」が付いていると、移籍先クラブの意思によって、選手を完全に買い取る(完全移籍)するかどうかの選択肢を持つ事ができるのです。

移籍先クラブで、選手が期待以上の活躍をした場合に選択されるオプションであり、これには選手の意向が大いに反映されるようです。

また、移籍元クラブが武者修行的に期限付き移籍を選択する場合は、将来的に成長して戻ってきてほしいと思っているので、「買取りオプション」を付けることは基本的にはありません。

ネットの声

「柿谷曜一朗や斎藤学なんかはレンタル移籍で活躍して日本代表になってブラジルワールドカップのメンバーになったからね」

「サッカーに限って、移籍は負のイメージはまったくない」

「選手のステップアップには必要な仕組みだと思う」

プロ野球以上に選手の移籍が多いサッカー界ですが、国内国外に関係なく選手が移籍する場合は、期限付きなのか完全なのかはまったく別の意味となるので、注意深く観察したいものです。

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