キングダムは秦の始皇帝の時代の物語。実写版のキングダムもゴールデンウィークに公開されて大人気となりました。原作は2006年から始まり、すでに13年の長期にわたって連載されているのです。

人気の秘密その1 キャラが大事にされている

キングダムは週刊誌のヤングジャンプに連載されています。週刊であるため、スピード感が求められるのは当然で、速いテンポでストーリーが展開していきます。そうなると、一般的な漫画では、一人ひとりのキャラクターを描ききれず、展開がおろそかになってしまうことも多々あるのです。

そのような中で、キングダムは原作者である原泰久が、キャラクターを大切にしているのが読者にわかるのです。ですから、一人ひとりのキャラクターを丁寧に描き、決して見捨てることなくしっかりと背景や人物を描いています。そういった原作者の姿勢が読者に伝わるので、より一層愛着を感じることができ、読者は安心して読み進めることができるのです。

その上で展開が速いですから、ぐいぐいと引っ張られてしまい、古代中国の世界にどっぷりと浸ることができるというわけですね。

そして、キングダムの世界では、物語が失速しません。2006年に連載がスタートしていますが、これまで中だるみすることなく、振り返ってみても「ここがイマイチだったな」といったシーンがないのです。失速がないどころか「王騎の死」や「対合従軍」といった爆発的な盛り上がりを見せたエピソードの後も、変わらぬテンションで物語が進んでいきます。この点については驚異的ですらありますよ。

歴史とファンタジーの融合

歴史は事実のかたまりです。事実が存在している以上嘘は書けません。しかし、春秋戦国時代は歴史的な資料が残っていないのです。そこを逆手にとって、オリジナリティあふれるキングダムを生み出したのです。歴史というかっちりと決まった世界の中で、原泰久が生んだ歴史とファンタジーの融合こそがキングダムの魅力といっていいでしょう。

もちろん、主立った人物は実在しています。だからこそ、リアリティがあるのです。人間離れした人物がたくさん登場しますが、ある程度の脚色をすることで、読みやすさを前面に押し出しているのです。

歴史ものであるので、読者はしっかりと結末が見えています。そのため主人公はどんなに窮地に陥っても死ぬことはありません。そういった安心感があるのもキングダムの魅力といっていいでしょう。そして、原泰久の中には、連載を始めてからすぐに、最終回までの道筋をしっかりと見据えているのだそうです。

もちろん、中華統一、天下の大将軍になることが目的であり、それが達成されることもわかっているので、「えいせい」がどうやって権力を手中に収めていくのか、信がどのようにして大将軍への道を駆け上がっていくのか…といったところが大いに気になるところです。さらに、「かりょうてん」や「きょうかい」と信はどのように絡んでいくのか、恋のロマンスはあるのか…といったところにも興味がわいてきます。そして飛信隊の活躍は?読者の興味が尽きることなく、最後まで突き進んでいくことができます。

画力やストーリーが秀逸

当時の10万人とか20万人とかの軍勢は眉唾ものですが、それでも大軍勢の戦いは鳥肌ものです。漫画でこれだけの表現ができる画力はやはり素晴らしいといっていいでしょう。

また、単なるエピソードでも、原作者なりの味付けがしてあり、初期のエピソードでも、「王弟の乱」を例にとってみます。ここでは、弟が反乱を起こしたとあれば、死罪になるのは当然なのですが、そこで悪人として死なせることはなく、さらに弟に最後の活躍の場を後で与えています。そういったキャラクターを大切にする姿勢はキングダムの中で随所に見られるのです。

そして、キャラが立っているのはもちろんのこと、一つ一つの言葉が素晴らしく、読み手の胸を打つのです。中でも心をふるわせるシーンとして多くの人が第一位にあげているのが、桓騎(かんき)将軍の一言です。80人という少数の兵で、敵大軍3万の兵の中に潜り込むシーンです。不安がる部下に(笑いながら)「全部上手くいく」とさらっと言ってのけるのです。これに心が震えない人はいないでしょう。

このような読み手の胸を打つシーンの宝庫がキングダムなのです。もちろん主人公である信も負けていません。100人隊の隊長になった信が、敵陣に打って出るときに「生きてる奴も死んでる奴も褒美はきっちり100等分だ!」というのです。上も下もないその言葉に奮い立たない兵士はいないでしょう。

ネットの反応

「とにかく、登場人物が魅力的で悪人ですらかっこいい!」

「やっぱり「おうき」将軍が一番好きだったけど、早くに死んだなあ」

「まだまだキングタムが楽しめる。できることなら終わってほしくない」

といった熱狂的なファンが多いのもキングダムならではでしょう。

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