禁酒で手に入る幸せ…7つのメリット

「もう、僕たちにお酒は必要ない!」禁酒で手に入る7つのメリット

人類とアルコールは古代エジプト時代からの長いおつき合い。

お酒を飲むと「気分がよくなる」などの短期的なメリットはあるものの、健康面でのメリットは実はゼロ。アルコールをとりまく世界は急速に変わろうとしています。

そしてお酒を手放すと、健康やお金、時間などいくつものメリットを得られます。

「なんとなく」で飲んでいる人も、お酒をやめることの利点が多いことに驚くかもしれません。

若者の約半数はアルコールをほぼ飲まない

厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告(平成30年)」によると、今の日本では55.6%の人に「飲酒習慣がない」ことがわかりました。

このうち、「飲まない(飲めない)」が38.0%、「ほとんど飲まない」が15.8%、「やめた」が1.8%で、お酒を飲む人のほうがマイノリティ、つまり少数派になりつつあることがわかります。

年齢層ごとに見ると、やはり若い層ほど飲酒者の割合が少なくなっていますが、

中高年の飲み方も少しずつ変わってきており、“オジサンたちの飲み会”も景気低迷や自粛生活の影響などで減る傾向にあるのです。

また、2008年に開始した特定健診(特定健康診査)をきっかけに健康志向が高まり、飲酒の仕方を考え直す機会も以前より増えています。

「飲まない選択」をする人は、世界的にも増加しています。

アメリカの若者の間では「酒を飲まないこと」がムーブメントになりつつあり、「ソーバーキュリアス(Sober Curious)」という動きが見られます。

日本ではまだ耳慣れない言葉ですが、Soberは「シラフの、普段酒を飲まない」、Curiousは「好奇心の強い、したがる」といった意味で、

日本語に訳すと「シラフでいたがる人」「あえて飲まない人」というニュアンスになります。

シラフでも人生を謳歌していることをSNS上でアピールする人、ノンアルコール・カクテルしか提供しないバーの誕生――。こうした動きが顕著です。

日本の若者の場合、調査データによると4分の1程度の人にソーバーキュリアスの傾向があり、若者のおよそ半数は日ごろほとんどアルコールを口にしません。

平成生まれ以前の人がお酒を飲んでコミュニケーションをしていたのに対して、これからの令和生まれは、シラフでのつながりを楽しむのが当たり前になるのかもしれません。

かつてはハードボイルド小説の世界さながら、無頼派で豪快に酒を飲む人が圧倒的に賞賛されていました。

しかし、「飲めるのがカッコイイ」から、これからは「シラフでいるのがカッコイイ」という価値観に変わろうとしているのです。

お酒を手放す7つのメリット

でも、これまでお酒を飲み続けてきた昭和世代の人にとっては、“お酒を飲まないこと”の意義が見い出しづらいかもしれません。

そこで、お酒を手放すことで得られるメリットを7つ紹介していきましょう。

きっと、あなたの現在の悩みを解決してくれるものがあるはずです。

ぐっすり眠れるようになる

「目覚めがスッキリ爽快になった」
「朝のだるさがなくなり、体が軽い」
「トイレに起きなくなって安眠できるので、日中の眠気がなくなった」

これらは禁酒をした体験者の多くが証言する体の変化で、「睡眠の質が上がる」ことは、早い時期にわかる「お酒をやめるメリット」です。

お酒を大量に飲んだとき、倒れ込むようにバタンキューと寝てしまった、寝つきが悪いときに睡眠薬代わりにお酒を飲んだらすぐ眠れた、ということがあるでしょう。

たしかに、アルコールには鎮静作用があるので飲むと入眠しやすくなります。

しかし、酔いがまわった状態の睡眠は質がよくありません。

さらに、連日のように飲んでいると1週間程度で耐性ができ、寝つきが悪くなります。

寝酒が習慣化して睡眠の質が落ち、耐性が生じると、さらに大量のアルコールに頼るという悪循環に陥ります。

飲酒すると睡眠の質が悪くなるのは、脳が興奮するためです。

アルコールが体内で分解されるとき、有害性の高い「アセトアルデヒド」が発生することは解説しましたが、

これは交感神経への刺激作用が強く、飲み続けると脳が興奮して中途覚醒しやすくなります。

夕食の量と体重が減る

「毎日晩酌していたら、数か月でまさかの5キロ増。体がどんどん重くなってきた……」
「お酒をやめたとたんにみるみるヤセて、健康診断の数値も格段によくなった!」

これらはよく耳にする両極端の変化で、大量飲酒を続けた人とやめた人の差は、体重や体型に面白いほど表れます。

理由は、飲酒時の摂取カロリーをざっくり計算しただけでもすぐわかります。

考えてみてください。

成人の1日の所要カロリーが1800kcalだとすると、60gのアルコールは420kcalなので、残りは1380kcal。

このカロリーで必要な栄養をとる食生活をするのは残念ながらほぼ不可能です。

しかも、酒の肴は脂肪やたんぱく質が多い食材が多く、「お酒だけ飲むのは体に悪い」とバランスのとれた食生活を実践しようとすると、どうしてもカロリー過多になります。

しかも、アルコールが入ると味覚が鈍くなるので、淡泊な味では物足りず、味が濃い刺激的なものが欲しくなります。

飲みながらフライドポテトや鶏のから揚げなどのこってりしたものをつまめば、摂取カロリーはみるみる増えます。

おまけに「シメはやっぱりラーメン。炭水化物を食べないと終わった気がしない」と、

こってりしたとんこつラーメンなどを食べると、たった一回の食事で一日の摂取カロリーを超える2000程度をとることになります。

それでは太って当然で、習慣化すれば生活習慣病のリスクが大きくなるのも仕方がありません。

大量飲酒とバランスのとれた食生活を両立させるのは至難の業で、飲めば太り、体を悪くするというのが、誰もがうなずく「お酒を飲むデメリット」です。



肌の調子がよくなる

「肌」が若々しくなることも禁酒の大きなメリットです。お酒をやめることは、それだけでかなり有効な「アンチエイジング」だと言えます。

変化のスピードには個人差がありますが、私の勤務する病院で3か月の教育入院をした方は、退院時には驚くほど肌ツヤがよくなっています。

では、禁酒をするとなぜ肌の調子がよくなるのでしょうか。

アルコールが体に入ると利尿作用で水分がどんどん奪われ、肌も水分不足でカサカサになり、そのため肌荒れしやすいのです。

また、ビタミンB群は肌の調子を整えるのに必須の栄養素ですが、

飲酒をするとアルコールの分解のためにビタミンB群が大量に消費されてしまうため、肌のメンテナンスが追いつかなくなります。

また、分解しきれなかった脂肪や余った脂質がニキビをつくるため、肌が見た目に荒れてくるのです。

出費が抑えられる

飲酒をやめると、当然のことながら出費は減ります。

いったいどれくらい抑えられるのか?

まずは、生活習慣病のリスクを増やさないギリギリの適量でざっくり計算してみると、次のようになります。

一度の飲酒でビール500を2本(純アルコール40g)
→300円×2本=600円

それを260日(週5日)飲むと
→600円×260日=15・6万円(一年間)

50年間飲み続けると
→15・6万円×50年間=780万円

つまり、50年で「780万円」節約できる計算です。

このようにデメリットをリアルに感じると、飲酒をコントロールしやすくなります。言うまでもありませんが、

飲酒量が増え、依存症のリスクが高い人ほど出費は膨らんでいるので、「見える化」の効果も大きいです。

私の患者さんには、教育の一環として、その時点で飲酒によってどれだけ出費してきたかを計算してもらいます。

「見える化」して自分が使った額を知ると、「これじゃ、家一軒建つくらい飲んだことになりますね……」と頭を抱えてしまう人もいます。

多量飲酒者のなかには、50年の総計が数千万円、なかには1億円を超える方もいますから、家一軒どころではありません。

それほどの金額がいったいどこから捻出されるのか、と思うかもしれませんが、飲みたい人は他の出費を削ってでも飲みますし、

重度の依存症者などはカードローンなども駆使してできる限りの方法でお酒を入手します。

生活習慣病やがんのリスクが低くなる

飲酒は万病のもとであり健康にいいことは一つもありません。

これこそ飲酒の最大のデメリットです。禁酒をすると、これを「万病を遠ざける」という最大のメリットに逆転できます。

飲酒はあらゆる病の引き金になりますが、ここで注目したいのが飲酒とがんの密接なつながりです。

そもそも、アルコールの代謝物質であるアセトアルデヒドは、細胞のDNAを損傷して強い発がん性を示します。

そのため、飲酒量が増えれば全身にがんを発症しやすくなりますが、特に注意したいのが「食道がん」です。

これまでの研究から食道がんと飲酒の関係を遺伝子型で見ると、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いC型とD型の人が飲酒を継続すると、特にがんのリスクが上がることがわかっています。

また、喫煙も食道がんのリスクを上げる要因となるので、「喫煙+飲酒」は食道がんにかかりやすくなる最悪の組み合わせだと言えます。

C型で飲酒量が多く、しかも喫煙習慣もある人は、B型で非喫煙かつ少量飲酒の人と比べ、発症リスクはなんと189・3倍にも跳ね上がるとされています。ケタ違いのデメリットです。

もう一つ、知っていただきたいのが飲酒と循環器系疾患の関係です。

アルコールは脱水症状をもたらしますが、体の水分量が減ると血液の粘性が上がり、それによって動脈に血の塊ができるとあちこちが詰まりやすくなります。

さらに、脳梗塞や心筋梗塞、静脈血栓、あるいは血の塊が肺に飛ぶ肺梗塞のリスクも高まります。

急性だと命の危険にさらされ、マヒなどの後遺症も残る可能性もあるので要注意です。

お酒によって引き起こされる病気

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思考がクリアになる

「朝から頭がクリアで、仕事へのモチベーションが上がる」
「目覚めがいいので、〝さあ、やるぞ!〟という気持ちになれる」

これは、減酒や禁酒に成功した多くのビジネスパーソンが実感する「お酒を飲まないメリット」です。

飲酒をしなかった翌朝はアルコールの分解で体が疲弊することも、飲んでしまったことの後悔もなく、睡眠の質も上がるので目覚めがよくなったと感じるのです。

朝起きたときから元気な状態で職場に行けば作業効率は上がり、集中力も増し、仕事がテキパキこなせるでしょう。

機嫌よく人とコミュニケーションでき、食事も美味しく食べられるなど、二次的なメリットも見逃せません。

時間にゆとりができる

誰しもやりたいことの優先順位があると思いますが、その上位に「飲酒」があると、そのために多くの時間を費やすことになってしまいます。

飲まない人生を選択すれば、そのぶんの時間が自分のものになります。

「飲酒をやめたら時間に追われなくなり、生活にゆとりができた」

これは、減酒外来を訪れた軽度の患者さんからよく聞く話です。

健康診断の数値がひっかかってお酒をやめざるを得なかったとしても、必要に迫られてやってみたら、意外と多くの副産物があることに気づくのです。

飲み会の時間や晩酌の時間がカットされると、平日は仕事と飲むことでいっぱいだった日常が変わります。

生まれた余裕時間を運動や趣味、語学の勉強、仕事に生かせる専門的な学び、家族とすごすことに使うなど、選択肢はいくらでもあります。

創造的なことに使っていけば、これからの人生がより充実したものになるでしょう。

昨今はテレワークの増加なども影響して、必要だと思っていた時間が、実は時間の使い方次第で節約できると気づいた方も多いでしょう。

世の中は、本当は不要だったもの、健康を害するものが急速に淘汰される方向に動き出しています。

気が乗らないまましていたことを潔くカットし、選び取ったことに集中して時間も心も投資するなど、発想をガラッと変えて能動的に動くことが必要です。

スマートな生き方の一環として、「飲まない人生」を選択してみてはいかがでしょう。



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