レジなし店舗でレジ決済時間の40秒の壁を打破できるか…。

コンビニ大手ではレジ混雑の解消、人件費の削減を狙ってレジなし店舗の実験が行われています。

しかし、広く普及させるまでに乗り越えなければならないハードルも少なくありません。

レジの集中化…40秒の壁は破れるのか

最近のコンビニは、料金の振り込み、ファストフード、おでんとあれこれサービスや物販が増えていて、レジの待ち時間は長くなる傾向にあります。

平均すると40秒時間がかかっているのです。

わずか40秒ですが、客が多い昼食時間帯にレジの列に並ぶのは何とも煩わしく、毎回「どうにかできないものかね」と思わせるのです。

コンビニ本部にとっても、加盟店にとっても、まさにこの40秒という時間が曲者。

レジ業務はセルフスタイルのスーパーが誕生して約60年、またコンビニが誕生して以来約50年、連綿と続いてきた決済のスタイルです。

手打ちスタイルのレジからバーコード読み取りというレジの機械の進歩はありましたが、基本的に、お客がレジまで商品を運び店員が決済業務を済ますというスタイルは変わっていません。

レジを何台並べようとも買い物が集中する時間帯には混雑が起こるという現象は避けられないのです。

コンビニ本部も加盟店も、この「レジの集中化」という現象が悩みの種といっていいでしょう。

レジ待ちの列は品切れと並ぶ「損失の温床」

「3人以上レジを待っている客がいると、商品を買わずに店を出ていく人が少なくない」

あるコンビニ本部の幹部はこう話します。

まさにレジ待ちの列は品切れによる販売機会の損失と並んで、顧客満足度を低下させる「損失の温床」になっているのです。

品切れによる販売機会の損失について「なんだそれ」という人ももいるでしょう。

例えば、お客が買い物に来て、ツナのおにぎりや梅のおにぎりを買いたかったのに品切れしていて、ツナおにぎりも梅おにぎりも買えなかったことを示している。

「そんなこといったって、ツナがなければ、鮭でもこんぶでも買っていくのではないか」という声もあるでしょうし「機会損失なんていうのは本部が加盟店から発注を増やすために考えた方便だ」という指摘もあります。

しかし、商品を切らしてばかりいる店に行くモチベーションが働かないのは、消費者の心理でしょう。

競合店が近くにあれば、そちらに流れていくことは十分に考えられるのです。

この販売機会の無形の損失は定量化できません。

だから、「そんなこともあるかもな」と軽視されてきたのです。

売上高が1兆円超ある某スーパーが、販売機会の損失額を推計したことがあります。

その時は年間、衣料品や食品を含めて500億円以上だったというのです。

品切れしていたために、そこの店で買うのをあきらめたり、ライバルのスーパーに流れたりしたと考えられます。

レジなしで夢の店舗運営が実現

コンビニ本部が言うように商品をビシッとそろえておけばいいのでしょうか。

そうするに越したことはないのですが、多量の発注は廃棄ロスと表裏の関係にあります。

コンビニでは廃棄分は加盟店の負担。

本部は品切れによる販売機会の損失を防ぐために、発注を多めにしましょうと指導しています。

これと並ぶコンビニの2大損失が、レジ待ちによる販売機会の損失。

品切れによる販売機会の損失ほど、ストアロイヤリティ(消費者の店舗に対する信頼度)の低下には直結しませんし、発生している機会損失額は大きくないとみられています。

それでも売上高が大きく増えないコンビニの本部、加盟店にとって減らしたい損失であることは確かでしょう。

現在、大手コンビニチェーンの1店あたり1日の入店客数は800~1000人が平均です。

仮に客1000人に対しレジ精算業務を実施するとなると、ざっと1日あたり延べで11時間程度、コンビニの場合、レジ業務は誰でもやれるようになっているので、レジに誰かしらが張り付いて精算業務を行っていることになります。

加盟店にはさまざまな業務がありますが、アルバイトやパートのメイン業務はレジ対応。

いわばレジ精算に人件費を割いているといっても過言ではありません。

つまり、レジなし店舗が実用化すれば加盟店は、人件費とレジ待ちによる機会損失の両方を減らせるのです。

セブンやローソンで始まったレジなし店舗の実験

コンビニ本部、加盟店にとって待望のレジなし店舗ですが、現在、ようやく実験が始まったという段階です。

セブン-イレブン・ジャパン、ローソンが実験を開始しています。

セブン-イレブンはNTTデータ、NECと組み、またローソンは富士通と組んで実験店を運営しています。

両社ともに、天井に複数のカメラを設置して顧客の動きを捕捉、さらに商品棚に設置された重量センサーで、どのお客がどこの商品を取ったかが分かるようになっているのです。

セキュリティー面では、セブンがNECと組んで実施しているのが顔認証、NTTデータとやっているのがQRコード方式。

ローソンは富士通の顔認証と静脈認証を組み合わせたマルチ生体認証方式です。

両社ともに、今のところ、それぞれ組んだ相手の社員向けの実験にとどめていて、まだ一般消費者向けではありません。

「セブンでは実験の期間を切っていない」ということですし、ローソンでも「今夏に都内に一般消費者向け店舗を出店する」とソロリと動き始める格好です。

というのも、まだクリアすべき課題が少なくないからです。

セブンイレブンでは袋の形状が変わったりする商品についてはAI(人工知能)に種々学習させなければならず、正答率は100%に近いというのですが、改善の余地があることを示唆しています。

ローソンも商品が軽重で識別できないことや、同時に類似した形状の商品を手にとって、どちらかを棚に戻した時に100%識別できないこと、決済結果が専用のアプリに届けられるまで時間を要することなどもあるといいます。

レジなしコンビニの元年

それでもこうした課題も克服して、今年か来年くらいが「レジなしコンビニの元年」になるとみられています。

しかし、問題はそれからでしょう。

コンビニ大手がレジなし店舗の開発を急がないのも、既存店に導入するとなると多額の投資が必要となるからです。

それに見合うリターンが見込めるかどうかという根本的な問題が横たわっています。

米アマゾン・ドット・コムはレジなしコンビニで先行、2018年の立ち上げ当初、21年までに3000店を展開するとぶち上げたのですが現在はまだ約200店どまりとなっています。

これは、投資額に対するリターンが見合わないからだという指摘もあります。

しかし、人手不足に直面するコンビニにとって、レジなしコンビニくらいしか、その解決策は見当たらないのが実情です。

コンビニ本部にとって、もはや悠長に構えている時間はないといっていいでしょう。

ネットの反応

「宅急便でレジで伝票書いてる人いると待つの嫌だから他のコンビニ行くな。いろんなサービス多すぎて店員かわいそう。料金収納はコンビニ全体で手数料上げる交渉すべき。」

「コンビニ本部のお偉いさんに接客や発注の手本を示して貰いましょう。それとついでに物流も体験して頂いたら如何でしょうかね?全国各地からリアルタイムに販売や在庫状況を集約できるようですが、現場は千差万別だということを理解できないのでしょうね。」

「昔は3人並んだら2つ目のレジ解放されてたのが今では環境が厳しくなりお店の利益では必要な頭数を雇えなくつつある。人がいない以上は並ぶのは仕方ないのかも知れない。」

レジが2つ3つあっても1つしか開放していないコンビニが少なくありません。人員の確保ができていないのかもしれません。そういったコンビニって客が少なくなるんですよね。

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