新型コロナウイルスの大規模な流行を受けて、世界経済への悪影響が深刻化しています。

WHO(世界保健機関)もパンデミックを認めました。

当初は感染の拡大が見られなかった欧米でもコロナウイルスの感染者が急増。

景気の面では、早くもコロナショックはリーマンショックより厄介…という声が出ています。

パンデミックに対応が後手に回る各国政府

今後も感染者数の増加は続くと見込まれています。

各国で検査体制が整えば、それだけ感染者数の発見が進むと考えられるからです。

これまでの世界的な流行の経緯を振り返ると、局所的なホットスポットがあるにせよ、かなり前から新型コロナウイルスは世界的に拡散していたと考える方が自然な見方となっています。

感染が発覚した11万人のうち死者は4000人程度…その多くが発症元とされる中国の武漢での惨事です。

中国の場合、地方都市では医療へのアクセスがいまだ悪く、気がついた頃には重篤化していた事例が多いようです。

言い換えれば、新型コロナウイルスは、発症しても適切な対処療法が行われれば十分に完治が見込めるということでしょう。

新型コロナウイルスの予防対策も、従来のインフルエンザなどと同様に、手洗いの徹底などオーソドックスなものであるようです。

適切に対処できていればそれほど恐れる必要はなさそうですが、近年まれに見るウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)に、各国とも対応が後手に回ってしまっているというのが実情と言えるでしょう。

国土の全面封鎖でイタリア景気は腰折れ

欧州の場合、代表的なホットスポットは北イタリアです。

感染者はすでに1万2,462人、死者は827人(3月13日現在)。

連立与党の一翼を担う民主党のジンガレッリ党首も新型コロナウイルスに感染したようですが、幸いなことに容態は安定しており、自宅静養に努めているそうです。

イタリア政府は3月8日、コロナウイルスの封じ込め対策として商業都市ミラノを含むロンバルディア州や世界的な観光都市ベネツィアをはじめとする14県を封鎖しました。

さらに10日には、封鎖の対象をイタリア全土に拡大する措置に踏み切ったのです。

イタリア経済は実質的に機能不全に陥り、景気は腰折れを余儀なくされた模様です。

もともとイタリア経済は、北部の製造業が米中貿易摩擦にともなう世界景気の減速や自動車産業の不調を受けて低調で、最新19年10~12月期の実質GDPが前期比0.4%減とほかのEU諸国と比べても景気停滞が顕著でした。

それに今回のコロナウイルス流行による悪影響が加わって、1~3月期の成長率は記録的なマイナス成長になると予想されています。

こうした状況を受けて、イタリア政府による財政拡張観測もくすぶりはじめています。

今財政を拡張したところで、経済の中心である北イタリアの経済が動かなければ望ましい効果など得られないのですが、生活費の補償なども不可欠です。

欧州連合(EU)の執行部である欧州委員会も、理由が理由なだけにイタリアの財政赤字拡大を容認する方向です。

ヒトとモノが回らなくなった経済危機

新型コロナウイルスの流行が経済に与える悪影響を2008年秋に生じた米投資銀行大手リーマンブラザーズの経営破綻にともなう世界的な金融危機となぞらえる向きもあります。

しかし、あの危機はカネが回らないことによる現象でした。

しかし今回の場合は、イタリアのケースが端的に物語るように、ヒトとモノが回らなくなった経済危機です。

そのため、金融緩和や財政拡張でカネ回りを良くしても、ヒトとモノが動かない限り経済が息を吹き返すことが見込みにくいのです。

米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が3月に政策金利であるFFレートを0.5%も引き下げ、金融緩和を強化したものの相場が好転しなかったことは、ある意味当然だったと言えるでしょう。

新型コロナウイルスのパンデミックという非常時の危機管理を行う上で、ヒトとモノの流れをある程度制限することは致し方がないことでしょう。

とはいえ、それで経済活動そのものがクラッシュしてしまえば元も子もありません。

収束の時期が見えないことは確かですが、言い換えればコロナウイルスの存在を前提に経済を回す必要もあるのではないでしょうか。

最も重要なことは正確な情報の提供です。

日本ではトイレットペーパーがなくなったように、ドイツではパスタがパニック買いの対象になりました。

緊急事態に直面した人々は、世の東西を問わず根も葉もない情報に踊らされがちです。

各国政府や企業、それに報道機関は正しい情報提供に努め、そうした人々の不安心理を和らげる必要があります。

求められる徹底的な検証

欧州でもパニック買いが生じたという事実は、ある意味で新鮮に映りました。

今回の新型コロナウイルスの流行のような経験を欧州があまり経験してこなかったことの証左と言えるでしょう。

またドイツ人は合理的であり冷静沈着であるというイメージを持つ人々にとっても、衝撃的だったかもしれません。

日々情勢は変わりますが、小中学校の閉鎖や国境をまたぐ移動の制限などの諸政策がどの程度の医療的メリットをもたらし、一方で経済的デメリットをもたらしているのかという分析も、可能な限り同時進行で進めていく必要があるのではないでしょうか。

さしたる医療的メリットがなく経済的デメリットが顕著となった対応策もあると考えられます。

たとえばイベント自粛の要請を考えると、閉鎖的な屋内でのイベントは中止でも、開放的な屋外でのイベントは継続しても良いのかもしれません。

観光施設についても同様のことが言えるのではないか、そうしたことを検証すべきなのでしょう。

一律に自粛を要請するようでは、それこそマインドがいたずらに悪化し、景気の命取りとなります。

株安と円高に歯止めをかける条件

現在生じている世界的な株価の暴落や円高は、世界経済の停滞がいつまで続くか分からないことへの不安を反映した現象です。

逆を言えば、世界経済が再び回りはじめそうだという認識が広がって初めて、株安と円高に歯止めがかかるのです。

金融市場の動揺を鎮めるためにも、過度な行動制限を見直し経済への負荷を解いていく必要があります。

医療面と経済面のバランスをどうとるかは難しい話ですが、経済も重視しなければ、われわれの日々の生活が回らなくなってしまいます。

今回のコロナウイルスの流行は、総合的な便益(ベネフィット)と費用(コスト)の観点から、今後も生じる世界規模での感染症予防対策のあり方を考える良いきっかけかもしれません。

世界経済が持続的に成長するうえでは、ヒトモノカネの自由な移動は不可欠です。

感染症のパンデミックが意識されても、それらの流れを完全にシャットアウトすることはできません。

新型コロナウイルスの流行もいつかは収束し、経済も平常運転を取り戻します。

根拠なき楽観と同様に、過度な悲観もまた禁物ではないでしょうか。

ネットの声

「イタリアは、もともと財政難で医療機関や医師や看護婦の数を減らしていたところに新型コロナが直撃し、医療崩壊を起こした。イタリア国内の人の移動の制限や、国境封鎖も起きており、EUの「人、物、金」が自由に動けず、もし、EU第3位の経済規模を持つイタリアがギリシャ化したらEUはどうなるのか。」

「リーマンショックは不況・大手が潰れた。投資してた人が損した・住宅ローンが払えない、日本のバブル崩壊とよく似た不況の構造。通常、先進国が不景気でも発展途上国は好景気とか、各国の事情で不況でも差がある。今回のコロナは人の活動が制限されてるから経済活動に大打撃。無理やり経済活動が止まるから、世界全体がガックっと生産能力が落ちて不況になる。需要はあるからといって無理に活動すれば、コロナリスク。かなりドン詰まり感。飲食 / サービス で人雇ってる所は、かなり早くに倒産になりそう。」

「確かに命が一番です。が、そこで止まると話は終わってしまう。このままだと失業者が世界中で溢れかえる。犯罪も多発するだろう。コロナは今のところ死亡率が極端に高いわけではない。高齢者はともかく神経質にならずに普通に行動するように政府が批判覚悟で言うべきだ。」

米国以外の経済の縮小が言われていますが、米国も感染者が爆発的に増えているので今後どうなるかわかりません。

今を乗り切っても後世に名を残すようなパンデミックになるでしょうね。

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