すでに答えが出ている…「人へのアドバイス」が無駄な理由

「人へのアドバイス」はなぜしてはいけないのか。

「聞き疲れ」を感じている人に伝えたいこと。

親しい人の相談を聞きながら、「またその話?」と思ったり、「どう反応したらいいのかな?」と悩んだりしたことはないでしょうか。

頑張って話を聞いて、別れてからどっと疲れたり……。

最近、そんな「聞き疲れ」をしている人が増えていると感じます。

とくに、相手を思いやる気持ちの強い聞き上手な人ほど、頑張りすぎて心身をすり減らしがちです。

この、話を聞くときの「モヤモヤ」や「イライラ」は、何が原因なのでしょうか。

「どうしたらいいと思う?」と聞かれたら

「これってどう思う?」「どっちがいいと思う?」と聞かれることは、よくありますよね。

とくに、聞き上手な人は、人から相談されることが多いと思います。

例えば、「恋人と別れたほうがいいと思っているけれど、別れられない。どうしたらいいと思う?」と相談を受けたとしましょう。

あなた自身は「別れたほうがよさそうだな」と思うけれど、「本当は別れたくない」という相手の気持ちも察すると、返答に迷うのではないでしょうか。

関係性にもよりますが、それでも相手のためをと思って「私にも同じような経験があるけど、別れたほうがいいと思う」「気持ちはわかるけど、そろそろハッキリさせなきゃ」などと、アドバイスをするかもしれません。

実は、この「アドバイスをする」という行為が、聞き疲れの原因になっていることがあるのです。

その理由は主に2つあります。

1つは、「頭を使っていること」です。

アドバイスをする人は、話を聞きながらも「どんなアドバイスをするか」ということに意識が向いています。

自分の経験を思い出したり、相手を傷つけない言葉を考えたりして、頭を使いすぎるのです。この「考えすぎ」が疲れの原因になります。

もう1つの理由は、悩みに対してアドバイスをした後に、「ああ言ったけれど、よかったのかな」と悩んだり、「いいことを言えたはず!」と得意になったりすること。

話を聞いた後も感情が揺れ動き、疲れにつながります。

また、この後で詳しくお話ししますが、アドバイスで他人を変えるというのはとても難しいことです。

「いいアドバイスをした」と思っていたのに、実行もされず、また同じような相談をされる……ということが起きるのはこのため。

何のために親身に相談に乗ったのかと、疲れの原因になります。

答えは必ず本人の中にある

アドバイスはしなくていい

そもそも、相談をしてきた人というのは、本当に意見やアドバイスを求めているのでしょうか。

例えば、友だちとのショッピングを例に挙げてみましょう。

AとBのどちらを買えばいいか相談されたとします。

よくあるのが、自分がAをすすめたとしても、「Bがいいと思うんだよね」と、結局は本人が決める、というケース。

アドバイスしたほうは「悩んで損した」「決まってるなら聞かないでよ」と思いますよね。

この場合、友だちが求めていたのはアドバイスではなく、自分と同じ「B」という答えです。

このように、答えは、必ず本人の中にあります。

深刻に思える相談でも基本的には同じで、本当に求めているのは、自分の決断を後押ししてもらうことなのです。

それでも、なかには、「自分の経験を伝えて参考にしてもらえたら」と思う人もいるかもしれませんね。

ですが、本当の意味で役に立つアドバイスをする、というのは、カウンセラーでも難しいこと。

なぜなら、悩みを抱えている相手と自分は別の人間で、価値観も考え方も違うからです。

そのため、一生懸命考えてアドバイスしたとしても、相手にとっては的外れだったりします。

そんなアドバイスは相手に響きませんし、もちろん相手が変わることもないのです。

そして、こうしたことが、1回や2回ならまだしも、何度も何度も続くと、いつかはあなたも限界を迎えます。

「あなたのために、我慢して聞いてアドバイスしてあげたのに」と感じるわけです。

一方のために、他方が我慢して尽くす関係というのは危ういもので、どちらか一方の心境や環境の変化ですぐに崩れてしまうものです。

大事な人の話なのに聞きたくないと思ったり、相手のことを嫌いになったりするかもしれません。

「友達のために」と一生懸命聞いてアドバイスを考えたのに、相手のためにならないどころか、友人関係がダメになってしまっては、悲しいですよね。

もう1つ、ここで知っておいていただきたいのが、アドバイスというのは、する側の「承認欲求」の表れでもあるということです。

承認欲求とは、「人から好かれたい」「すごい人だと思われたい」といった気持ちのことで、誰にでもあります。満たされれば幸福感やモチベーションにもつながる、大切な感情です。

ただ、この承認欲求は、人の話を聞いているときにもしばしば頭をもたげ、相手を評価したり、本来必要のないアドバイスをしたりする原因にもなります。

「相手が感動するような、すごいことを言いたい」「自分の知識や経験を示したい」という考えがもとになっているもので、結局は自己満足なのだということを理解しておきましょう。

アドバイスを求めているわけではない

「ただ聞く」だけでいい

では、アドバイスを求められたときは、どのようにしたらいいのでしょうか。

答えは簡単で、「ただ聞くだけ」です。

相手の気持ちを、「あなたはそう感じているんだね」とそのまま受け止めてあげるだけでいいのです。

繰り返しになりますが、相談という形をとっていても、本当にアドバイスを求めているわけではありません。

つらい感情を吐き出して楽になりたい、あるいは迷っている自分を後押しする言葉をかけてほしい、という場合がほとんどです。

あなたにも、「心が苦しくてやりきれなくて、ただ聞いてほしかった」という経験があるのではないでしょうか。

ですから、「どう思う?」「どうしたらいいと思う?」と相談されたら、悩んでいる気持ちを受け止めた後に、このように返してみてください。

「あなたはどう思うの?」
「あなたはどうしたいの?」

このフレーズをきっかけに、相手が本心を打ち明けてくれることもあります。

この本心こそが、相手が本当に聞いてもらいたいことです。相手が話し始めたら、相手の気持ちを受け止めつつ、ただ話を聞くことに集中してください。

頑張ってアドバイスを考えたり、「相手にどうしたら伝わるかな」と悩んだりしなくて大丈夫です。

「今、この瞬間」を共有することが大切

人は、自分の気持ちをそのまま受け止めてもらえたと感じると、それだけで心が浄化され、「聞いてもらえて楽になった」と思うものです。

「ただ聞くこと」には、それだけ大きな力があります。

人は皆、悩みを自分で解決する力を持っています。黙って話を聞くというのは、相手のその力を引き出すことであり、相手を信頼することでもあります。

また、話を聞く楽しさとは、相手の「今、ここ」を理解し、共有することです。

聞き手としては、相手の過去や未来に関わることができません。

唯一できるのは、「今、この瞬間」に相手に起こっていることをそのまま受け止め、分かち合うことだけです。

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  • グチを聞きながら「また同じ話だ」と思ってしまう
  • 相談や悩みを聞いた後に、どっと疲れてしまう
  • 相手のためにアドバイスしているのに、届かなくてモヤモヤする
  • 重い話を打ち明けられると、どう反応したらいいか悩む

そんなこと、ありませんか?

一つでも当てはまったあなたは「聞き疲れ」しているのかもしれません。

相手のことを思いやる気持ちが強い「聞き上手さん」は、親身に聞いてあげたり、一生懸命アドバイスしてあげたりして、
しんどい思いをしがちです。

その原因は、聞くこと以外にエネルギーを使っているから。

話を聞くときに、無理をしたり、頑張ったりする必要はないんです。

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