高速で飛ばしまくっても時間稼ぎはトイレ休憩1回分!?

必死に飛ばしても「トイレ休憩」1回分レベル!? 高速で追い越しまくったクルマがどのぐらい得するのか考えてみました。

高い通行料を払って高速道路に乗った以上、少しでも早く目的地に着かなければ損。

新幹線だって時間を買うために乗車券に加え特急料金を支払うわけだし、「こだま」より「のぞみ」が混んでいるのも同じ理由でしょう(新幹線は自由席の料金は、全列車同じ料金)。

だから高速道路でも先を急ぐ人は尽きなくて、積極的に追い越しを繰り返している人を見かけます。

それでどれぐらい到着時間に差が出るのでしょうか。

短距離では飛ばしてもそれほど時間短縮にならない

2017年に東名高速 神奈川エリアの下り線で調べた、非渋滞時の車線別速度を比較した資料を見ると、追い越し車線の平均速度は107~108km/hぐらい。

中央車線は92~93km/h、一番左の走行車線は80km/h程度でした。

こうした現状を踏まえて、仮に平均110km/hで、東京インターから御殿場インター(82.8km)を走ったとすると、所要時間は45分。同じように平均100km/hで走ったとすると、所要時間は49分で、東京・御殿場間ぐらいだと、アベレージ速度を10km/h上げても到着時間は4分しか変わらないのです。

がんばって休憩1回分

もう少し、距離を伸ばして、制限速度が120km/h区間もある新東名で比較してみましょう。

新東名の御殿場JCTから豊田東JCTの200km(正確には199.9km)を平均120km/hで走ったとすれば、所要時間1時間40分。平均速度100km/hなら2時間ちょうどなので、その差は20分とそれなりに大きい。

さらに大阪・広島間の300kmを100km/h平均と90km/h平均で比較すると、100km/hなら3時間ジャスト。

90km/hなら3時間20分になります。

日本の高速道路は深夜であってもなかなかガラガラということはないので、制限速度を無視して飛ばそうとしたとしても、そうそうペースが上げられるものではありません。

単純な話、100km/h前後で流れている道で、追い越しを繰り返して、10km/hぐらい平均速度を上げたとしても、所要時間は10%ぐらいしか短縮できないのです。

そのぐらいの差だと、一回でもトイレ休憩をするとすぐにチャラになってしまうので、頑張った割には、休憩一回分ぐらいしか時間は稼げないと思っていい。

速度一定が一番良い

また、自分の前方が開けていたら加速して、前に詰まると減速という走り方は、じつはけっこう疲れやすいのです。

高速道路で、疲れずに早く目的地に着く秘訣は、100km/hなら100km/hで、ずっと同じペースをキープすること。

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などを積極的に利用して、速度一定で走ることが、最小のストレスでもっとも早く目的地に到着できる方法だと覚えておくといいでしょう。

ネットの声

「高性能車でも車検通過やっとの車でも、そして運転技量の差も含め理論上安全走行の限度として制限速度があるのだから、愛車の良さや自分の運転技量を試す行為なら止めた方が良いと思う。
急ぐ目的なら記事にある様に大きな意味は無い。
昔、とある企業で安全運転管理者をしてた頃のセミナーで、飛ばし癖のある運転者指導の方法として幹線道路沿いに1分間立たせ通過車数を数えさせ1分間短縮する為に何台抜かさないとならないか実感させる方法を聞いた。
無意味に急ぐより適正な運転だと思う。」

「「追い越しまくる」の気持ちもわからなくはないですが、関東から九州まで運転した時に、一定速度で走る方が結果として疲れず休憩スパンが長くなり、結果として到着時間は早くなり、追い越しまくる運転がばかばかしくなりました。
それ以来クルーズコントロールで90Km/h設定や、ACC100Km/h設定で極端に遅い車が居ない限りは第1レーンを巡行が当たり前になっています。

長距離トラックも、リミッター作動の僅かな速度差で追い越ししても、到着時刻が早くなるよりも、乗用車にブレーキを踏ませることで結果として速度のムラを発生させ、それが自分たちにも跳ね返ってくる反作用があることに気づき、無理な追い越しで長時間並走することをやめれば全体的にスムーズに流れると思う今日この頃です。」

「この手の話、かつては(今でも?)免許更新の講習のテキストにも載っていたけど、
他の方も言われている通り、実際に「飛ばす」車のスピードは次元が違う。
東京大阪間を、5時間で走ったとかいうレベル。
このケースなら、平均速度は140キロ以上。
眉唾ではあるが、これを超える話も聞いたことがある。
飛ばし、追い越しを繰り返す事の無意味さを説くより、過剰な速度で事故を起こした歳の悲惨さを紹介する方が意味があると思う。」

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