
世界三大SF作家の一人として名高い、アイザック・アシモフの傑作SFミステリ小説『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫)が映画化されることがわかった。
米Deadlineが報じている。
目次
監督・脚本はジョン・リドリー
『鋼鉄都市』はアシモフが初めて執筆したロボット長編小説。
人類が地球上の各地にドーム状の“鋼鉄都市”を建設し、そのなかで暮らすようになった世界で、“スペーサー”と呼ばれる宇宙人の科学者が殺害された。
かつて、銀河系の他惑星に移民した地球人たちの子孫であるスペーサーは、いまや地球を事実上支配する存在。
刑事イライジャ・ベイリは、スペーサー側のロボットであるR・ダニール・オリヴォーと協力しながら事件の解決に挑むが、都市には宇宙人やロボットへの憎悪が渦巻いていた……。
監督・脚本は、『それでも夜は明ける』(2013)でアカデミー賞の脚色賞に輝いたジョン・リドリー。
近年は伝記映画『チャーリー・チザム』(2024)やSFラブストーリー『時間層の中の針』(2021)などを手がけてきた俊英が、今回は20世紀スタジオとタッグを組んで傑作SF小説の映像化に挑む。
共同脚本は「Marvel ルーク・ケイジ」(2016-2018)のチェオ・ホダリ・コーカー。
今日1/2はアイザック・アシモフのお誕生日🎂アメリカSF黄金時代を代表するSF作家のひとりで、ノンフィクションを含め生涯に500冊以上の著作を残しました。早川書房では《ファウンデーション》シリーズ、『われはロボット』、『鋼鉄都市』などの作品を刊行しています。 pic.twitter.com/JH9tWYFQvo
— 早川書房 翻訳SFファンタジイ編集部 (@hykw_SF) January 1, 2025
ロボット長編3部作の一つ
アシモフは“ロボット工学三原則”の提唱者であり、これは現実のロボット工学でもしばしば議論の対象となってきた。
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」
「ロボットは人間の命令に従わねばならない」
「ロボットは上記に反しないかぎりは自己を守らねばならない」。
本作『鋼鉄都市』は、アシモフ自らがこの三原則の盲点を突いたともいわれる作品だ。
なお、アシモフは『鋼鉄都市』ののち、続編『はだかの太陽』『夜明けのロボット』を“ロボット長編3部作”として執筆。
今回の映画化は『鋼鉄都市』だけでなく、これら3部作からインスピレーションを得たものになるという。
恥ずかしながらSFジャンルを「難しそう」と敬遠気味に何十年と生きておりまして、映像はともかく小説の履修量が余りにも少ないので重い腰を上げてアイザック・アシモフの「鋼鉄都市」読んでみました。1954年刊行、このジャンルの古典なんですが身構えてたよりずっと読みやすく続きが気になって(続 pic.twitter.com/6ru0LN3Y6M
— 神楽坂ナイト (@K_Kagurazaka) April 19, 2024
『アイロボット』などが有名
これまで、アシモフの小説を映像化した作品には、ロビン・ウィリアムズ主演『アンドリューNDR114』(1999)やウィル・スミス主演『アイロボット』(2004)、シャイア・ラブーフ主演『イーグル・アイ』(2008)などがある。
Apple TV+では代表作シリーズをテレビドラマ化した「ファウンデーション」(2021-)が好調で、シーズン3が2025年内にも配信される見込みだ。
映画『鋼鉄都市(原題:The Caves of Steel)』の製作・公開時期は未定。
キャスティングの続報も待たれる。
#読んだ本
アイザック・アシモフ
『鋼鉄都市』高校生くらいのとき初めて読んで以来だから、30年ぶりくらいの再読になります。
「誰が犯人か」以外、内容をほぼ忘れてたのでw十分楽しめました。
( ๑´艸`๑)📖
↓ pic.twitter.com/JgxpxjgQ02— よなよな (@creep48018412) July 31, 2024
ネットの声
「アシモフについて何らかの知見を持ち合わせている方が、ここのレビューを見に来られたと想像します。私もファウンデーションシリーズを完読後に次はと思い、ロボット長編4部作の本作品から読み始めました。ヒューマンフォーム・ロボット(ダニール)との再会に期待が膨らみました。彼?はここでも助演男優賞で、主人公である刑事(ベイリ)の捜査を引き立てていきます。
超長編が好きな方には、アシモフ作品はうってつけで長いこと楽しめることが醍醐味です。おなじみの登場人物とストーリーに安心感を抱かせつつも、要所要所で「ロボット工学三原則」の解釈を巡っての展開に一喜一憂できます。
ただ、残念ながら本作品に続く『はだかの太陽』、『夜明けのロボット』、『ロボットと帝国』は文庫の新品は入手できません。」「アシモフの「ロボット三原則」に則っているものの、同著者の「われはロボット」とは世界観が異なり、宇宙人によって制限を加えられた世界が舞台。地球人の刑事とロボットがコンビを組み、ある宇宙人が殺害された事件の謎を解く。
SFであることは間違いないが、登場人物のセリフやアクション、文体も含め、ほぼハードボイルド・ミステリを読んでいるかのよう。
主人公の刑事はフィリップ・マーロウのように格好良いし、この世界ならではの特質を生かした凶器消失のトリックもとてもよい出来栄え。映像を使い犯人に証拠を突きつけるシーンもとても鮮やかだ。
ロボットSFとして傑作であることはもちろん、2012年刊行の「東西ミステリーベスト100」において海外部門100位に選出されているように、ミステリとしても傑作である。」「このシリーズは、人類が宇宙を開拓し宇宙国家が形成されている世界。
地球では、人間がドームのような「鋼鉄都市」で生活しており、宇宙人が監視しながら支配されているというもの。
人口爆発で80億人になる地球・・。うちに篭り、変化を毛嫌いし、思いは懐古主義へ・・。この小説は1953年に出版されたもの。今になってより一層リアリティを増してきている世界観に驚愕しました。
現代の人口爆発する地球、脱酸素社会に向けたテクノロジーの活用、その中で現代の人間の思想は断絶の時代を迎えている・・・などなど、今の時代と似ているところが多いですね。そんなSFベースの世界で繰り広げられるストーリーは、ミステリー推理小説そのもの。最初から最後まで24-TWENTY FOURばり進行は、主人公ベイリになったかのようでハラハラ・ドキドキしっぱなし。いっぱい推理してしまいました。本当に最終ページの最終行まで目が離せない展開だったのがすごかったです。」
|