脚力が強いとがんに負けない…長生きとの関連性も

がんに負けない人は「脚力」が強い? 長生きとの関連を海外研究が報告

自分自身ががんを経験したり、身近にがんを患っている人がいたりするのは珍しくはありません。

早期発見や治療の進歩により生存率が上昇。治療後の生活やリハビリを経て、長生きするのが当たり前になりました。

海外研究では、がんサバイバー(がん体験者)となった人で死亡リスクが高い人に特徴があったといいます。どうやら脚力が関係するようです。

3万人のがんサバイバーを調査

がんになると診断や治療を経て心身の負担は大きく、日常生活やその後の生き方にも大きな影響が及んできます。

また医療の進歩で、病気がまったく問題なく治癒していく人が増えており、がんになってからの生き方をはじめ、追加の診断や治療は大きな関心事になっています。

若い年代であっても、がんになる人は少なくなく、ごく身近な問題になっているといっていいでしょう。

今回、米国ワシントン大学などの研究グループは、がんになってからの生活に影響を与える要素として、歩き方に着目しました。

歩くペースが早い人は健康であると研究から徐々にわかってきています。

今回は、50歳以上の人を対象に食事と健康について追跡調査した米国のデータを用いて、歩行能力と14種類のがんおよび死亡リスクとの関連を分析しています。

追跡調査の参加者23万人以上のうち、がんサバイバーはおよそ3万人。

全員が健康状態と歩行機能に問題があるかどうか(歩けない、歩く速度がとても遅い)について回答。

アンケート後の数年間にわたる追跡データから、死亡リスクを算定しました。

遅く歩く人では死亡リスクが高い

こうして判明したのは、歩く速度と治療後の状態が密接に関係してくるということです。

まず、健康な人に比べると、がんサバイバーの場合、歩く速度が遅い人が42%多く、歩けないと報告した人が24%多く見られることがわかりました。

そのうえで、がんサバイバーのなかで比べてみると、歩く速度が遅かったグループは、速かったグループに比べて、死亡率が2倍以上高いという結果になったのです。

歩く速度が遅いと死亡リスクが高いという関係は、乳がん、大腸がん、前立腺がん、リンパ腫など9種類のがんで同様に見られました。

また、歩けないことも、この9種類に加えてさらに胃がん、卵巣がんなど4種類のがんで関連が見られました。

脚力をつけることに心がける

がんではなかったグループでも、歩く速度が遅いと死亡リスクが高いこともわかったのですが、がんサバイバーの死亡リスクはその2倍以上。

また、がんサバイバーで歩けなかった人は、健康な人に比べて死亡リスクが5倍以上に。がんサバイバーの人は、診断・治療から5年以上経っても、歩行困難を報告していたため、診断・治療の影響はがんの種類を問わず長く続くと研究グループは結論。

関連の原因を探るとともに、リハビリでも歩行機能や速度の改善に目を向ける必要があるのではないかと指摘しています。

健康な人であっても歩行速度と死亡リスクに関連があるだけに、ふだんから脚力をつけることなどを心がけることは、引いては健康全般にメリットをもたらしてくれる可能性もありそうです。

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