介護の話だけではくくれない『長いお別れ』のおもしろさとせつなさ

長いお別れ…アルツハイマー型認知症を患ってゆっくりと、そして確実に記憶を失っていく父であり夫。それを妻と娘たちが支えていくお別れまでの7年間を描いた映画です。

蒼井優を検索してヒット!!

実は最初から『長いお別れ』を観たかったわけではなく、蒼井優を検索してヒットしたからです。蒼井優と言えば、先日南海キャンディーズの山里亮太と結婚。

綺麗な女優ではあったけど、これまで特に興味がなく…しかし結婚会見の優しそうな人柄と山ちゃんを選択した選球眼の良さなどから、自分の中で蒼井優の好感度がダダ上がり…

そんな中で、蒼井優の出ている映画って何があったかな…そう思って検索したら、まさに今公開中の『長いお別れ』がヒットした…じゃあ観に行ってみようかな…なんて人もたくさんいたことでしょう(いたかもしれない)。

『長いお別れ』の監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督

『長いお別れ』は『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督の作品。「湯を沸かすほどの熱い愛」は第40回(2017年)の日本アカデミー賞の優秀作品賞を受賞しています。このときの最優秀作品賞は「シン・ゴジラ」でした。

「湯を沸かすほどの熱い愛」は、末期ガンで余命3ヵ月の診断を受けた主人公(宮沢りえ)が、残された余命の中でやることの多さを悟り、前向きにそして淡々とやるべきことをこなしていきます。

やるべきことはいじめにあっている愛娘を立ち直らせること、実母に会わせること、失踪した夫を連れ戻し銭湯を復活させること、さらに夫の連れ子も引き取ります。関係する人すべての生き方を諭し見守る心が最後に煙となって煙突から立ち上り…。

感動的なシーンが次から次へと出てくる「湯を沸かすほどの熱い愛」ですが、それと比べると「長いお別れ」は淡々とストーリーが進んでいきます

それはゆっくりと、主人公(山崎努)の認知症の進行とリンクしているかのように…。それでも、帰る場所が過去の子どもたちとの出来事と重なる下りは感動必至です。

演じる人が全て良い!

蒼井優は当然として、演じている人が全て良い味を出しています山崎努をはじめとして、竹内結子、松原智恵子といった実績のある人たちですから当然といえるでしょう。松原智恵子は久しぶりに見た印象ですが、いつまでも若い姿が印象的で、ときにコミカルな演技を見せるところはさすがといえます。

山崎努ですが、どうしたらこんな演技ができるのか、まさに山崎努のための映画といってよく、演じているのは当然なのですが、まさに迫真の名演技と言えますよ。

物語は、山崎努の認知症の症状を中心に進んでいきますが、蒼井優の仕事のこと、竹内結子の家庭のことも同時進行していきます。それぞれが問題を抱えながら、最後は親子が腹をくくり一体となって介護をしていくのです。

この頃ね…いろんなことが遠いんだよ…」山崎努が孫に言った言葉です。

蒼井優は「つながらないって切ないね…」と、認知症が進む山崎努を見てそう言います。

認知症はその人がその人ではなくなるものですが、過去の記憶は残っていて、その記憶だけが鮮明になっていくのかもしれません。

そこに、残された人は救いを見るのです。

ネットの反応

「重いテーマですが、あたたかい気持ちで観ることができました。」

「誰もがいとおしい」という気持ちがにじみ出ているよい映画でした。」

「湯を沸かすほどの…はドンとくる感動。こっちはジワッときます。」

重いテーマを扱っていながら最後はさわやかな感動が生まれる不思議な作品です。

おすすめの記事