
残り1枠の東京五輪代表切符を争うMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジ女子最終戦の名古屋ウィメンズマラソンは8日、ナゴヤドーム発着の42・195キロで行われました。
そして、増田明美の細かすぎる選手紹介がレース前に炸裂したのです。
増田明美ってどんな人?
増田明美は1964年生まれ。
元マラソン選手です。
1984年、ロサンゼルスオリンピックの女子マラソン代表でもあり、1980年代の女子マラソン界をリードする一人でした。
解説者になってからは、非常に綿密な情報収集を行うことで話題を呼び、リオデジャネイロオリンピックでは、マラソン競技以外にも5000mの解説などで、選手のキーホルダー収集の趣味と言った競技に関する部分の詳細な情報を披露。
アナウンサーとの攻防も話題になっていました。
福士加代子、マラソンの探求者
「マラソンの探求者みたいなランナーですよね。前傾の角度や接地、腕振りまで、ロスのないようにものすごくこだわっている。大阪国際では15キロまで、今までにないぐらい理想のフォームで走れたみたいなの。だから欲が出たというか、ポジティブに判断して名古屋に合わせてきた。本人も『ラストチャンス』と言っていましたから、ものすごく集中していると思います」
安藤友香、昔からおてんば娘
「(世陸で)日の丸も背負ってますし、初マラソンを2時間21分台で走ってますから、素質は十分ありますよね。でね、なんて言うんだろう、“おてんば力”がすごいの。3人兄妹で3つ上と2つ上にお兄さんがいるんだけど、一緒にサッカーとか野球とかして追いかけていたから、男の子に負けないおてんばさがある。こういう活発で積極的な選手がうまく流れに乗ったら、怖いですよ」
一山麻緒、かわいいおひな様
「鹿児島の出水(いずみ)出身でね、鶴の渡来地として有名なんですよね。だから、鶴のように大きな翼を広げて羽ばたくんじゃないかと思っています。肌つやも良くって、おひな様みたいにかわいらしい見た目だから、私は勝手に『プリンセス』って名付けてるんですけど、オーラは野性児みたい。暑さや寒さなんて関係なく、ベストパフォーマンスを見せてくれる強さを持っていると思います」
大阪女子国際マラソンでの一幕
「怒り新党」が放送された直後の2013年1月27日、大阪国際マラソンが行われました。
選手とは別のプレッシャーも増田さんにはかかっていたはずですが、
「なので、すでに小﨑まりさん、先頭を走っているけれども、今日も1歳6ヶ月の学叶くんに母乳をあげてからの出場なので。ママさん頑張ってる!」
という通常では中々入手しにくい情報を見事に披露し、視聴者を喜ばせたのです。
リオデジャネイロオリンピックでは
リオデジャネイロオリンピックでも、増田さんの解説は期待に見事に応えるものでした。
三つ子の選手については、1cmずつその身長が違う、といった情報や、選手がヒップホップを趣味でやっている等の情報が披露されました。
また、マラソン以外…とくに女子5000m予選では、増田さんが選手のキーホルダー収集の趣味を披露しているところに、アナウンサーの実況がカットインする結果となり、ネット上を中心に、増田さんvsアナウンサーという構図で盛り上がったのです。
増田明美の取材方法
これだけ選手のマイナーな情報を仕入れるのは並大抵のことではないでしょう。
では、どうやって取材しているのだろうか? 増田さんが取材で絶対に行う3つの方法とは…
・自腹で単独取材を行うこと
・選手やコーチと食事を共にすること
・母親の電話番号を入手すること
だそうです。
食事レベルなら思いつくかもしれませんが、母親の電話番号までは入手している解説者というのはなかなかいないのではないでしょうか。
これをオリンピックのような大規模な大会だけではなく、地方大会においても実践。
地方大会でも素晴らしい小ネタを披露するのですから、その取材力は圧巻というほかありません。
ネットの反応
「増田さんの解説を批判する方も居るが、あれはあれで良いと思う。あの解説は本当に唯一無二、増田さんだから出来ることだと思う。」
「こういう部分が取り上げられがちだけど、膨大な取材量があるからできるわけで普通にマラソンの解説も素晴らしいと思います。」
「レースに関係ない情報だと批判する人もいるけど、結局選手そのものの情報だし、2時間ずっと走る競技だから展開だけ解説されるよりたまにそんな情報を入れてくれるくらいでちょうどいいと思うがな。増田さんがちゃんと取材はしてるというのは間違いないし。」
増田明美は読売新聞朝刊の人生相談もやっているのですが、相談者に寄り添った的確なアドバイスがすごいです。
専門的な解説は有森さんやQちゃんにまかせたらいいと思うので、副音声で増田明美というスタンスがいいと思いますね。