
フリーマーケットアプリ大手メルカリは1月23日、スマートフォン決済「OrigamiPay(オリガミペイ)」の運営会社オリガミの全株式を取得。
子会社化すると発表しました。
スマホ決済を巡っては通信大手などとの競争が激化していて、買収によってシェア(市場占有率)拡大を目指すということです。
地方で存在感
メルカリ傘下のメルペイが2月25日に、オリガミの発行済み株式の約34%を持つ創業者や、約15%を保有するクレディセゾンなどから全株式を取得します。
取得額は非公表。
一定の周知期間を経て、オリガミペイをメルペイに統合します。
メルカリはフリマアプリで若者を中心に顧客を広げ、2019年にスマホ決済に参入しました。
メルペイの利用者数は昨年10月時点で約500万人に上るということです。
一方、オリガミは2016年からオリガミペイを本格展開。
スマホ決済の草分け的存在です。
全国の信用金庫200以上の口座と連携し、地方での利便性に強みがあります。
メルカリは23日、
「両社の強みを融合し、単なるスケールメリット(規模拡大効果)の実現にとどまらない独自の価値を提供する」
と説明しています。
生き残りをかけて
メルカリが買収を決断したのは、規模拡大が進まなければ生き残りが難しいとの危機感が強かったためとみられます。
利用者数ではZホールディングス(旧ヤフー)が主導するペイペイ(約2300万人)などに比べて大きく出遅れているからです。
さらに、Zホールディングスと、「LINEペイ」を運営する無料通信アプリ大手LINEは今年10月に経営統合する予定。
利用者数は合計で約6000万人となります。
NTTドコモはネット通販サイトなどと連携しており、「d払い」の利用者数は約2000万人に上っています。
具体的には、Origami Payのサービス・ブランドを、ユーザー・加盟店に対して一定の周知期間を経た後にメルペイに統合。
メルペイとメルカリ、Origami、および2020年1月23日付でメルペイおよびメルカリとの間で業務提携契約を締結した信金中金の4社共同で、地域の中小事業者へのメルペイ導入を推進するということです。
さらに、信金中金が有する全国のネットワークを通じて、メルペイを活用した地域イベントや、メルカリの使い方などが学べる「メルカリ教室」の運営。
利用促進キャンペーンなどを展開していきます。
Origamiが他の事業者向けに提供している決済サービスについては、現在該当のサービスを利用しているユーザー・加盟店の保護を最優先に、各事業者と別途協議のうえ今後の対応を検討するということです。
スタートアップとして
オリガミは16年にいち早くスマホ決済を開始しました。
しかし「ペイペイ」やLINE(ライン)の「LINEペイ」など、大手の知名度に押され、伸び悩んでいたのです。
一方、メルペイも、ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEの経営統合により、LINEペイ、NTTドコモの「d払い」、KDDI(au)の「auペイ」と組んだ4社連合が瓦解し、新たな連携先を模索していました。
今回、両者の思惑が合致しての買収ということになります。
スマホ決済
スマホ決済は、買い物をする際に、スマホのアプリを使って支払う決済手段。
店舗でスマホの画面に表示されるバーコードを読み取ってもらったり、店のQRコードを読み込んだりして利用します。
代金は銀行口座やクレジットカード経由で支払うというものです。
IT企業や携帯電話会社などが参入し、消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度を追い風に利用者が伸びています。
ネットの反応
「Origamiはスタートアップ企業かも知れないですが、うちの会社(店舗)では加入後利用ゼロ、無料だから加盟店は続けていますが、有料ならもう既に切ってます。メルペイとの合併は賢明な選択でしょう。」
「チャージ式は嫌いだからPaypay、LINE Pay、メルペイは利用せず、チャージ式ではないQRコード決済(楽天ペイ、d払い、Origami Pay)の中では、即通知、即値引きのわかりやすさ、支払い元の登録したクレカ、デビットカード、ブランドプリペイド側も
キャッシュバックやポイントバックの還元対象になり、近場のドラッグストア複数店で使えてたから、一番使ってただけに、チャージ式のメルペイに買収とはちょっとショック。統合っていっても、Origami Pay の特長だったカード登録可能、支払い登録からチャージ不要で直接請求(引き落とし)、請求額直接割引特典あたりは、メルペイに実装されないんだろうなー。両方銀行口座の登録と出金(振込)はできるけど、メルペイは銀行口座からメルペイ残高へチャージのための口座登録っぽいし。」「オリガミはチャージしなくても使えるのは便利だけどクーポン配布時しか結局使わなかったな。使える店少ないし。」
スマホ決済事業のほとんどは赤字のようです。
消耗戦が始まって久しいのですが、体力のある親企業を持つ「PAYPAY」と「d払い」以外は厳しい状況かもしれません。