月と地球の距離が現在の半分になるとどうなるの?

月と地球との距離が半分になると一体何が起こるのか?

地球は月の引力によって自転軸の傾きを23度に保っており、地軸の傾きが1度変わるだけで地球の気候は大きく変動するといわれています。

このように地球の存在に大きな影響を与える月について、科学系ニュースサイトのLive Scienceが「月と地球の距離が2分の1になったら何が起こるのか?」を解説しています。

海の満ち引きに影響

「地球と月の距離が半分になる」という事態はSF映画の設定のようですが、巨大な物体が月に近づいた場合は「物体が排水溝で押し出されるように、月も地球に向かって押し出される可能性がある」とメーン大学の物理学者であるNeil Comins氏は述べました。

月が地球に与える影響としてまず挙げられるのが、潮の満ち引きです。

月には引力があるため、月と面した側の海は引力で「満潮」となり、これに対し月と直角の方向では海水が低くなり「干潮」となります。

潮の高さは8倍に

Comins氏によると、月と地球との距離が半分になった場合、月の引力は潮に対してより強く作用するようになり、潮の高さは8倍になるとのこと。

これにより、ほとんどの時間で海面下に消えてしまう島や、高潮によって住めなくなる海岸地帯が増加すると考えられます。

加えて、月は潮汐だけでなく、大地にも影響します。

月の引力が急激に増加すると、地球のエネルギー状態に混乱が生じ、地震や火山噴火が発生する可能性があるとロンドン大学クィーン・メアリー校の歴史および社会火山学者のJazmin Scarlett氏はコメント。

地球に月という衛星があるように、木星にもイオという衛星がありますが、イオの激しい火山活動は木星とその他2つの衛星の影響を受けているとみられています。

月と地球の距離が突然半分になれば、イオのように地球の火山活動も活発化すると考えられます。

また、海水が月に引っぱられた結果、海底と水との摩擦によって時間と共に自転が遅くなります。

2021年時点で地球の自転は「1世紀に1000分の1秒」という速度で低速化していますが、月と地球の距離が半分になるとさらに低速化が進み、1日の時間が長引くとのこと。

さらに、月が空を覆うエリアが大きくなるため、日食が頻繁に起こります。

適応の可能性も

月と地球との距離が突然半分になるのではなく、ゆっくりと時間をかけて半分になった場合、潮や地殻の変動はよりゆっくり起こるため、地球上の生命体はそれに適応していくと考えられます。

例えば動物はより明るくなった月の光に適応し、肉食動物に狙われる被食者はより隠れる力を高める可能性があるとのことです。



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