モノキュラーとナイフ

ツーリングの持ち物にはその人なりのバイクライフが反映される。特に小物に注目するとおもしろい。バイク乗りの持ち物に注目してみるのもいいだろう。

モノキュラー

モノキュラーは野鳥観察などに使う8倍の単眼鏡だ。

野山を歩くときはケースから出して、首からぶらさげる。こうしておけば、野鳥を見たいときにすぐに手にできる。


シャツの胸ポケットに入る薄さの『新山の鳥』(財団法人日本野鳥の会編集・発行)を持つ。モノキュラーもこの図鑑も本格的なバードウォッチングには物足りないかもしれない。

しかし、荷物にならないので気軽に持ち歩ける。必要にして十分な装備だ。

双眼鏡も単眼鏡も使い方・選び方は同じだ。メガネをかけている人は、ゴムのアイピースをたためば、いちいちメガネを外さなくてもいい。

倍率はあまり高いと画像がぶれるので使いづらい。手持ちでの実用範囲は10倍までだそうだ。

逆さにすると高倍率のルーペになることは以外と知られていない。接眼レンズを見たい物に1センチくらいまで近づけ、対物レンズから目を2、30センチほど離してから見る。

レンズはカメラと同じで、明るいほうがいい

ナイフ

キャンプ・ツーリング以外でナイフを使う機会はほとんどないのだが、バイク乗りにはナイフにこだわりを持っている人は少なくない。

目に見えたり、手で触れたりできることの向こう側にある世界を、ナイフが見せてくれることを知っているからだ。そういった意味でバイクとナイフはよく似ている。

いろいろ持っているナイフの中で、実際に使用頻度が高いのはスイス・アーミー・ナイフだ。これにもたくさんの種類があるが、大小のブレード、缶切り、栓抜き、ワインのコルク抜き、マイナスドライバー、穴開け、それにトゲ抜きとプラスチック製の爪楊枝を内蔵している。

キャンプのときはもちろん、普段も実用品としてナイフを使っている。

したがって、ナイフというよりも道具といったほうがいいだろう。しかも、道具としてかなりの優れものだ。

それなりの工夫として、小さいブレードの先を鋭く研ぎ、首からぶらさげるように紐をつける。

これだけ手をかけて、しっかり使い込んでいるにもかかわらず、なぜか愛着のわかない品でもある

おそらく、紛失しても痛さを感じないだろう。同じものを買って平然と使い続けるはずだ。

工業製品というのは、本来そういう物だ。目立たない優等生というのはクラスに1人くらいいたものだ。

スイス・アーミー・ナイフはそれに近い。

試験前にノートを見せてもらったりしたのに、今でも名前すら思い出せない…。身もふたもない言い方だが、便利だけれどもありがたみが薄いのだ。

スイス・アーミー・ナイフに50ものツールを収めたモデルもある。

いかにも万能という感じがするけれど、これは使いにくく、期待外れに終わる。もっとも、どうせ趣味の品なのだと割り切ってしまえば、実用に適さないのを承知で持ち歩くのもいいだろう。


スイス・アーミー・ナイフのヘビー・デューティ版がガーバー・マルチプライヤーやレザーマン・スーパーツールなどだ。

これらも人気が高く、ベルトに革ケースを付けて持ち歩いているバイク乗りをよく見かける。

これも実用品としてはあまり期待せず、趣味のものと思ったほうがいい。

1万円や2万円もの出費でマルチプライヤーを買うよりも、バイクに常備している工具の中身を充実させたほうが遙かに役に立つ。

しかし、マルチプライヤーが1つあれば、ほとんどの修理をこなせるという腕を身につけるのもバイク乗りの道かもしれない。

モノキュラーもナイフも趣味で

あると便利だがなくても何の問題もない。もっとも野鳥を見るのが好きでツーリングの目的がバードウォッチングというのなら話は別だ。

それなら単眼鏡ではなくもっと良い物を揃えたほうがいいだろう。

筋金入りのキャンパーだったら数万円どころかもっといいナイフセットを用意していることだろう。

ここは、あくまでもバイク乗りが持っていて暇つぶしになる程度のものでいい。

バイクで走ってもモノキュラーもナイフも使わないことのほうが多い。

だから、たまの暇つぶしで十分だ。

それでいて持っていかないで無いことに気がつくと途端に寂しくなる。

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