無免許運転の摘発者は年間2万人…どれだけ無免許で運転してる??

無免許運転の摘発者は「年間2万人」 繰り返される蛮行、現行の刑罰と司法判断は軽すぎる?

毎年、無免許運転で年間に約2万人が摘発されています。

現行の刑罰と司法判断は軽すぎるのでしょうか。

1年間に約2万人が摘発

皆さんが考えている以上に、日本では無免許運転の車が走っているようです。

普通の人は思うでしょう。

「無免許で事故ったら人生終わる」
「無免許なんて会社をクビになる」
「無免許で捕まったら二度と免許が取れなくなる」

しかし、世の中にはそう考えない人もいるのです。

それも1万8607人(2019年)もが、無免許および無資格運転で摘発されています。

「無免許運転をする人なんて失うものがない『無敵の人』だろう」なんて考える人もいるでしょう。

記憶に新しいところでは、選挙期間中に無免許運転を繰り返した女性都議会議員(当時)がいました。

このように立場に関係なく、著しく順法行為に無頓着な人がいて、その最たる例が無免許運転なのです。

道路交通法の大前提として

「公安委員会の運転免許を受けないで動車または原動機付自転車を運転してはならない」

とあります。

普通の人にとっては当たり前の話ですが、この当たり前が通用しない人が毎年約2万人摘発されているのです。

無免許運転の罪(法定刑)は、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(道路交通法第117条)です。

無免許運転には4種類あって、いわゆる皆さんが想像する、免許をまったく持ってない人が運転した場合の「純無免許運転」があり、そのほか、免許取り消しにも関わらず運転する「取消免許運転」、免停中に運転する「停止中免許運転」、そして免許は持っていてもその資格に該当しない「免許外無免許運転」があります。

四つ目の違反「免許外無免許運転」は、かつて大型自動二輪の取得が厳しかった時代に多かった違反で、中型自動二輪免許(現在の普通自動二輪免許)しか持っていないにも関わらず400cc超のバイクを運転するなどの行為です。

最近は普通免許の度重なる免許改正もあり、2017年3月12日以降に免許を取得した人はトラック(特に2t車、当該免許は最大積載量2t未満しか運転できない)に注意が必要です。

ともあれ、この四つの無免許運転があり、先の法定刑とともに違反点数25点が加点されます。

それでも無免許運転は年間約2万人前後が摘発されているのです。

無免許で逮捕どころか事故を起こし、まして人を死傷させれば人生が終わりかねないにも関わらずです。

これからは無保険車傷害特約が必須?

直近で話題となった例では、滋賀県守山市であおり運転の揚げ句にバイクの前で急ブレーキを踏んで衝突させ、逃走したとして、5月23日に逮捕された派遣社員の男(49歳)でしょう。

この男の軽自動車は黒ナンバーの営業車(普通車の場合は緑ナンバー)でした。

この世には本当に、営業車を無免許で運転してあおり運転で衝突させて逃走する人が公道にいます。

この男は免許失効から10年が経過していたということで、10年間無免許どころか車で仕事をしていた可能性もあるのです。

同じように10年間無免許としては2022年2月に兵庫県芦屋市で35歳の会社役員の男が逮捕されていますが、上には上がいて2019年には北九州市で

「面倒くさくてお金もない」

と40年以上無免許運転の土木作業員が逮捕されています。

2021年にはこれまた40年以上無免許で沖縄県の無職が逮捕、同年には1回も免許を取得せず60年以上(!)無免許の80歳の男が逮捕されています。

年間約2万人も無免許運転で摘発されているということは、このような人たちは路上には多くいるということで、当然と言えば当然だが本当に恐ろしい。

無免許ということは任意保険も入っていない人が大半でしょう。

5月27日にも、千葉県四街道市に住む16歳の少年が無免許で他の車に当て逃げして逮捕されました。

被害に遭ったら大変なので、無保険車傷害特約は絶対に入っておくべきでしょう。

無免許でも「危険運転ではない」ケースもある

ところで無免許運転の人たちですが、困ったことに重大事故では免許の有無と同時に「運転技術の有無」も加味される。つまり不思議な話ですが、

「免許は持っていなくても運転技術はあるので危険運転ではない」

という司法判断が下されるケースが多い。

2012年の京都亀岡集団登校事故(亀岡暴走事故とも)は無免許の少年(当時)が集団登校をする小学生の列に突っ込んで3人死亡、7人重軽傷という痛ましい事件でしたが、この少年は無免許でも「運転技術がある」として危険運転致死傷罪の適用を免れています。

義憤はもちろん、免許制度の否定に通じるような気がしますが、司法判断は「無免許でも運転技術があれば危険運転致死傷罪ではない」だったのです。

元バイク雑誌の編集者は「あくまで過去の話」として、

「昔の暴走族は最初から免許なんか取らないって人たちもいました。暴走族をすればどうせ免許は取り上げられる。だったら最初から取らない。それに免許がなければ排気量無制限で乗れる。本当にこういう人たちがいたんですよ」

と語ってくれました。

もちろん人それぞれですが、「最初から免許なんか取らずに暴走行為」という人が確かにいました。

重ねますが年間約2万人も無免許運転で摘発されていることを考えれば、そんな人たちがいても不思議ではありません。

それにしても、なぜ無免許運転がなくならないのか…。

「うっかり失効」もあるようですが、多くは確信犯でしょう。

「罪が軽いんですよ。3年以下の懲役なんてほとんどくらわない。せいぜい50万円以下の罰金に執行猶予です。そもそも条件違反ならともかく、免許を持ってなければ点数がいくら減らされようと関係ないですからね」

なるほど、確かに無免許運転そのもので刑務所に入る確率は低い。

冒頭で触れた無免許の女性都議会議員も懲役10か月、執行猶予3年でした。

警察が確認できただけでも彼女の無免許運転は7回、その中の1件は衝突事故を起こして逃走した「当て逃げ事故」でした。

それでも自動車運転死傷処罰法違反に関しては不起訴なのです。

現行の刑罰と司法判断は軽すぎる?

無免許運転は亀岡のケースも含め大変な事件を引き起こす可能性が高く、公道の安全はもちろん免許制度に対する冒涜(ぼうとく)です。

そのはずが実際は不起訴、略式裁判の罰金刑で済むのが現実です。

無免許の人身事故で過失運転致死傷罪が適用されれば「10年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金」ですが、免許取得者の「7年以下の懲役」とそれほどの差はありません。

無免許でも「運転技術はある」とされれば、危険運転致傷罪は免れることは亀岡の判例でも明らかです。

無免許運転の刑罰、これまでも事件と批判のたびに重刑化はなされてきましたが、いまだ不十分のように思います。

無免許でもそのほとんどが罰金刑どころか、人を傷つけても大半は執行猶予、無免許でも運転できれば危険運転ではありません。

現行の無免許運転に対する刑罰と司法判断ははっきり言って理不尽であり、軽すぎるのではないでしょうか。

ネットの声

「年間に約2万件、コレ何の統計かと言うと、私も実に驚いたのだが、無免許運転で捕まった数で、捕まらない人を含めたら、どれだけの無免許運転車両が公道に出てるのか…。無免許運転のひき逃げは30倍、飲酒運転は12倍、シートベルト非着用は10倍とモラルのかけらも当然無い、ご安全に」

「18607人これは何かというと、2019年に摘発された無免許運転者の数。ほぼ毎年この位の者が摘発されている様だ。この無免許運転で分けると、免許証を返納したのに運転、免許証更新を怠る、事故、違反で取り消し処分、海外から来て国際免許証の不正、そもそも免許証を持っていない。怖いのはそれで事故を起こして逃げる轢き逃げや飲酒運転でも無免許の者がいること。被害に遭っても保険が下りない等の二重被害に遭っている。免許証を持つ意味。持っている者も運転の技術だけを主張するのではなく余裕を持ち、ルール、マナーだけは棄てないでいて欲しい。」

「歩行者や自転車に自衛しろというドライバーはクルマ運転しないほうがいいんじゃないかと思うようになった。そんなことを言う人は無免許運転に等しいかもしれないな。人を轢き殺してからでは遅いもの。運転免許持ってるプロなんだし。プロは言い訳や人のせいにしないのよ。」



おすすめの記事