合唱 岬洋介の帰還 中山七里 (著) 宝島社 (2021/6/4)

幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯”仙街不比等。

彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。

しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。

指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、旧友・岬洋介が地球の裏側から急遽駆けつける。

そして悪徳弁護士や熱血刑事、死体好きな法医学者たちと相まみえ……。

中山作品の主要人気キャラクターたちが集結する“アベンジャーズ”回!

さらに完全保存版の「全中山作品相関 図」付き。

「中山七里ファンにとってこの作品の登場人物に心躍る事はないだろう!最初に古手川、渡瀬の2人でオッと思わずなる!しかし、一瞬だけの登場かと思いきや、誰が主人公なのか岬検事が検察を揺るがす検事として立つ!岬洋介の登場がないが、そんなことより犯人は1人しかいないはず。どうやって、動機は?ネタバレしてはいけないのであるが、話したくて仕方ないぐらいに面白い!そして問題の刑法39条が焦点なのかと思わせて意外な展開に物語は動く。親友を助けるために岬洋介がようやく帰還するが、依頼する弁護士は御子柴礼司である。まさかの岬検事の宿敵を息子が連れてきてしまう。まさか御子柴礼司に会えるとは!もう中山七里ファンであれば、全員知った顔が勢揃いである。これ以上語ると全部、語りそうなのでやめておく事にするが、一言。読後、本を閉じようとしたら次回、「おわかれはモーツアルト」(仮題)をお楽しみにだとある。来年になるのだろうか、兎にも角にも中山七里ファンには吉報である。まぁ、この作品はかなりお得感がある!
終わりに爽やかな風が吹き抜けた!のも良かった!」

「どの作品も、真犯人はこいつだろう、と思った人物とは違う犯人を差し出してくる著者だか、今回は珍しく最初からこいつしかいない、と思った奴だった。
でも、色んなシリーズの登場人物が勢揃いで面白かった。」

「この本では、中山七里さんのいろんなシリーズのキャラクターが出てきます。それなりにそれぞれのキャラクターの特徴をとらえた発言や行動が出ていますが、他のシリーズを読んだことがない読者はその面白さを素通りしてしまうかもしれません。岬洋介シリーズについてもこの本を最後にしたほうが良いでしょう。父との軋轢、被疑者との友情の生まれるまで、ショパンコンクールでの5分間の奇跡など、あらかじめ知っておいた方が楽しめます。」


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